Nicotto Town



ナベサダは凄いと知るための10枚



渡辺貞夫、文句なしに日本ジャズの頂点です。異論認めませーん。
ナベサダの凄さが分からない、良いと思わないと仰る場合、
そもそもジャズが理解できないと白状するのと同義かもしれません。

フュージョン嫌いだったので、ナベサダの凄さを知ったのはだいぶ後のこと。
日本の超一流という人は、何演っても凄い。古典から前衛まで自在です。
だからこそ、日本ジャズの裾野(市場というべきか)をここまで拡大できた。

【1】『Parker's mood』(1985)

御大チャーリーパーカーの作品を扱ったアルバムは多いんですが、
1985年にやったライブが、音も演奏もいちばんスキなのでコレ。
まさにパーカー直系、正統派中の正統派。アルト吹きの見本です。

【2】『I'm Old Fashioned』(1976)

こちらもスタンダードに真正面から取り組んだ人気盤。
【1】の10年前、技術はともかく、音に硬さと若さが感じられる。
近年の音を聴いてください。今のナベサダの音、とんでもない境地ですぜ。

【3】『California Shower』(1978)

バカ売れした化け物アルバム、フュージョンナベサダの代表盤。
メロが明快、アレンジ佳い、リズム軽やか、音質良好。
フュージョンっていうとこの時代の名盤ばかり思い出すなぁ。

【4】『My Dear Life』(1977)

ナベサダのアフリカ志向は苦手なんですが、やはり名盤ですね。
なんといってもB面ラストの『My Dear Life』は彼の代表曲。
人生をここまで肯定しているジャズの名曲って珍しいと思う。

【5】『A NIGHT WITH STRINGS』(1992)

パーカーにもウィズストリングスがあるから演ったのか?
それだけじゃないなー。音色が【1】より更に良くなってる気もする。
おそらく、ようやく弦と演る域に達したと自覚した時期ではなかろうか。

【6】『How's Everything』(1980)

東京フィルハーモニーも入ってるライブ盤ですが、これはフュージョン。
【5】と比べると、オーケストラを使う目的が全く異なると分かるはず。
現代J-POPのライブと似た武道館らしい音響も面白いかも。

【7】『Jazz & Bossa』(1966)

このへんで初期にいきましょう。帰国翌年の作品。
富樫や菊池、中牟礼貞則など日本の第一線従えて、颯爽と吹きまくる。
この音色と音楽性が日本の『メジャー』ジャズを定義した。

【8】『Sadao Watanabe Plays』(1965)

さらに遡り、帰国直後の第一作。音質は少々悪くなるけど……。
コルトレーンの『Naima』、『Chim Chim Cher-ee』演ってます。
同時代人として、トレーンをここまで把握してる。戦慄しますよ。

【9】『Sadao Watanabe』(1961)

デビュー盤には音楽家の全てが現れるという使い古された言葉は真実。
世界で名盤が出まくってた時期に、日本にもこういうジャズがあった。
60年以上たってるんですよ、この素晴らしい音楽。

【10】『Round Trip』(1970)

真打登場。若き日のチックコリア、ヴィトゥス、ディジョネットを迎え、
ソプラニーノで暴れまくるハードナベサダの代表盤、みんな大好き。
ね、こういうこともできる人なの。山下洋輔とも共演できる器の深さ。

【番外】生のナベサダ(2023~)

こう書くしかない。10月以降も宇都宮、東京、浜松、岡山、下関、福岡……
現役のジャズマンなんですナベサダは。御年九十! 恐るべきことです。
近くに来たら犠牲を払っても聴きに行って。絶対後悔しないから。




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