Nicotto Town


エレウシス


ニンジンとアメと棒とムチ

さて、昨日の飴と鞭の件、
さらに調べてみると、意外な方向へ。


そもそも「馬はニンジンが特に好きじゃない」という事実が判明。
これは馬を飼ってる方には、常識的なことなんですってね。

馬が好きなのは【甘いモノ】であって
ニンジンよりもリンゴなんかの方が
余程好物なんだとか。

じゃあ、なんで「ウマにはニンジン」て話が生まれたのか。

それには日本におけるニンジンの歴史を知る必要がありました。

実は日本で今食べているニンジンのほとんどは
明治以降に栽培されるようになった
西洋ニンジンなのだそうです。

江戸時代までは東洋系のニンジンで
収穫量も少なく、高価な野菜でした。
とても馬の餌にできるようなものでは
無かったようです。

だから、それ以前の日本に「ウマにはニンジン」なんて発想は
生まれようが無かったのです。


では問題のビスマルクの
「ニンジンとムチ」が生まれた時期。
これが1880年ころ。日本では明治10年代です。

ちょうど西洋ニンジンの栽培が始まりつつあるころ。


ここで、明治初頭の翻訳者の気持ちになってみましょう。

  「ふーん。ビスマルクの政策は国民を馬に見立てて
  『ニンジンとムチ』と呼ばれてるのか。
  でも、馬にニンジンなんか食べさせないよなぁ。
  馬が喜ぶのは甘いモノだし。馬が一番喜ぶのは水飴だろ?
  (水飴は米や麦から簡単にできるので、農村の子供のごちそう)

  よし、じゃあ『飴と鞭』と訳せば意味が通じるな。
  『水飴と鞭』よりは語感がいいし。
  これぞ、“和魂洋才”。

  でも、西洋では『馬にはニンジン』らしいから、
  これも常識化しよ。文明開化じゃ。」

と考えた人がいたんじゃないかと。


裏付けは取れてないけど、
実際にこんなトコだったんじゃないかなぁ。


なお、ヨーロッパではニンジンは野菜の中では
甘味が強い方だということで、
馬に与えることがあったそうです。

で、面白いことに、当時ドイツと仲が悪かったフランスでは
「ムチを使うなんて、ドイツって野蛮~」
ということで「ニンジンと棒」と言ったそうです。

ヨーロッパでは競走馬に鞭をあてる回数も
制限かけられてますしね。

一つの新しい言葉が世界に広まる際に、
受け入れた国の文化・歴史により
様々な変化が生まれる。

いやあ、面白いなぁ。

アバター
2016/08/22 23:11
☆なつみ さん
 うん、文化伝播は面白い。
アバター
2016/08/22 23:11
☆こらる さん
 馬はかわいいですよね。
 昔住んでたところの近所に競馬場があって
 よく見に行きました。(馬券は買わないw)
アバター
2016/08/22 23:09
☆れぃ さん
 動物も食料に見える私。。。
アバター
2016/08/20 23:04
なるほど~
その国の考え方や時代背景も影響するのですね(#^.^#)
面白い!!!
アバター
2016/08/20 12:35
確かに馬はにんじんよりリンゴの方が好きですね。

昔乗馬をやっていた時に教官に
「ムチを使うことを覚えなさい」と言われたけれど
ガンとしてムチは使いませんでした。
(もっとも乗馬クラブはムチ買ってもらってなんぼなんですけれどw)

馬もムチで打たれるのは痛くてイヤなので
「見せムチ」という技もありました。
(ちらっとムチを視界にいれる)
それでも馬には充分ストレスになったそうで・・・

私はもっぱら声と舌鼓(ぜっこ)を駆使して動いてもらっていましたよ^^
馬は愛だけでも走ってくれるのでいす♪
(競技でなければそれでよい)
アメだけでもいいじゃない、馬だもの

・・・でもそれでは甘えんぼの馬になっちゃうらしくて
それはそれで注意されましたけれども^^;

そんな乗馬クラブも津波で崩壊してしまいましたけれどね・・・


お邪魔しました!
馬好きなものでなんだかたらたらとコメントしてしまいましたが
私の知識は浅い浅いものですw
アバター
2016/08/20 00:03
面白いですねぇ~^^

馬に鞭をあてて競争させるのも、馬のことを考えると単純にかわいそうだなぁと思ったりしますw
動物モノには弱いというだけなのですがw



月別アーカイブ

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.