Nicotto Town


エレウシス


読書の楽しみ

今日は涼しいうちに庭仕事終えて本を読んでた。

デカルトは
「読書とは過去の偉人と対話することである」
と言った。

歴史は面白い。

でも、教科書の歴史はつまらない。
それは過去の人たちの想いが見えないからだと思う。

教科書に載らない、数多くの偉人。
そういう人や想いに出会ったとき、
読書に感動が伴うのだと思う。

今日、感動したのは
渡辺カネという人。

北海道では有名なのかも知れんけど
私は参加した晩成社主催の依田勉三くらいしか知らんかった。


この人、朝ドラのヒロインになってもいいくらいの人でした。


渡辺カネは幕末、信州上田藩の藩校教官
鈴木親長の娘として生を受けます。

維新後、家族で東京に移り住み、そこで知り合った宣教師の
博愛と平等を説くキリスト教の洗礼を受けます。
また横浜共立女学校の特待生として寄宿舎生活を送り
高い教育を身に着けます。

その後、女学校教師として働き始めますが、
父と兄は北海道十勝を開拓する晩成社に参加します。
カネ本人も行きたいと希望したようですが、
流石に女性。
「お前が男だったら連れて行くんだけどなぁ」
と嘆息され父に止められます。


ところが。


カネは予てより兄と交流が深く、晩成社にも参加する
渡辺勝と結婚し、半年遅れでくっついて行っちゃいます。
(ちなみに社員の中には妻を地元に置いてきたものもいる)


到着早々、開拓者の一団は「おこり」に悩まされていました。
(マラリアの一種だと思われる)
カネはキニーネを使い、開拓団から病を一掃します。


当時、アイヌは和人から虐げられていましたが、
この開拓団はアイヌと一致協力していました。
なにせ、カネの兄、銃太郎の奥さんはアイヌ人です。
偏見を廃し、同じ人として開拓を進めました。

カネはここで、教育者として等しく子供たちに
教育を施します。


とは言え、開拓は困難を極めます。
度重なる災害に帰りたいと訴えるものが多くなり
会議が開かれたときにカネはこう言います。

「米が食べられぬから帰りたいというなら
 ここで米ができるようにしましょう。
 芝居が観たいなら、芝居が観れるようにしましょう。
 農家がたくさん入れば、街ができます。
 芝居小屋も立つようになります。」

そして率先して開拓を進めたのでした。

やがて、開拓も順調に進み、様々な人が
訪れるようになります。
中には、外国人も訪れることがありました。

そうすると、英語も堪能なカネが対応に出てくるので
「こんな辺鄙な場所で、上品で英語も堪能な
 教養ある美女がいるとは。」
と驚愕されたりもしました。

最晩年には日本の敗戦がありました。

英語の堪能なカネの下には、
英語を学びたい者、翻訳をしてもらいたい者が
次々と訪れ、カネは最後の仕事として
対応を続けますが、年末。
人々が豊かで平等に暮らせる社会を願いつつ、
息を引き取りました。

若いころに知った博愛の精神を
生涯貫いた美しい一生を送った女性。

こういう人がまだまだ知られず
たくさん埋もれてるんですよね。
人の歴史って素晴らしい。

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2017/09/14 08:00
☆にもっち さん
 一般に言う「熱帯マラリア」の他にもマラリアって
 いくつかあるのです。
 その中でも「三日熱マラリア」は温帯でもありまして
 古来日本では「瘧(おこり)」と呼ばれていたのですね。

 悪名高きDDTによって日本では撲滅されたようですが。
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2017/09/14 01:07
あり?北海道に熱帯のマラリア蚊がいるはずは無いんだが・・・
いたらその後も感染者は出るわけだし・・・
狂犬病かエキノコックスかもしくは土中のウィルス感染かな?



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