欲望の赴くところ
- カテゴリ:30代以上
- 2017/09/16 23:16:40
生命科学者 柳澤桂子さんの出ている番組を見た。
インタビュアーの
「科学は人類を幸せにするためにあったはず」
の問いかけに対し、先生はこう言う。
「科学者は人類、特に子供に対しての愛情がなければならない。」
至言だと思った。
人類の未来に想いを馳せない科学は
単なる知識欲の権化の仕業であるのだ。
性欲を満たすためにレイプをしてはならない。
食欲を満たすために食い逃げをしてはならない。
なのになぜ、知識欲を満たすことだけは
何をしても許されるような雰囲気があるのか。
知識欲も皆が幸せになるように節制すべきなのだ。
今、核兵器や生物兵器が広がっているのは
人類の知識メタボみたいなものなのかも知れない。
節制しないと破滅が待つばかり。
ロボット三原則なんかもそうだしねー。
でもねー、「とにかく知りたい」って気持ちはわかるのよ。
だから「知りたがりの自制」ってのが必要なんだろうと思う。
生物兵器や核兵器を研究している人達って、どんな育ち方をしてきたんだろう。
小さなころに平和や自然を愛する気持ちを育むって大事ですね。
兵器利用を目指して研究した人も科学者ですよ。
研究指示をした人は科学者ではない人もいるかも知れませんが。
ちなみにアインシュタインは原爆開発の提言をしています。
日本でも仁科研の活動が有名です。
だからこそ、そういった反省から科学者憲章が作られ、
学問の府の自治独立が問われ、
学術会議の声明に繋がるのです。
「科学者は人類、特に子供に対しての愛情がなければならない。」
ほんの数十年前の出来事も
消し去ろうとする人たちの動きが活発化してきた今だからこそ
全ての科学者が噛み締めなければならない言葉なのです。
今後IPS細胞だって兵器利用されないとは限らない。
知識に善悪は無い。
有るのはそれを使う人間の側にある。