スライムの憂鬱
- カテゴリ:ドラゴンクエスト
- 2012/07/27 22:30:13
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「はぁ。。。」
草原をそよ吹く風にスライムの溜息が交じる。
ここは、はじまりの町近くの草原。
LV1~2のクセに「勇者」とか名乗っちゃう勘違い野郎が
ちょくちょく出没する場所だ。
とはいえ、スライムはその初心者にさえ、なかなか勝てない。
自分で木から削りだした棍棒や
お化け屋敷で首筋に「ぺとっ」と触るバイトで
稼いだ6Gも、いつ奪われるかとヒヤヒヤしている毎日だ。
「あ~あ。僕がメタルスライムだったらなぁ。。。」
メタルスライム。金属の殻を持つ、キングスライムと並ぶ
スライムたちの憧れ。
キング学校に入って厳しい選別と訓練を耐え抜き、
エリートとしてキングスライムの一員になるか、
ゴールドを貯めてメタルスライムに改造してもらうのが
スライムたちの夢であった。
だが、当然、どちらの道も相当に困難である。
夢が叶うのは本当に一握り、いや一滴のスライムだけだった。
「でも。。。。」
どこにでもある都市伝説。
夢のような町の話。
黄金郷エルドラドやジパングのように
スライムたちの心を掻き立てる一つの噂があった。
メタルの体をタダでくれる町。
「ゴールドを貯めるのはムリ。キング学校に入る成績もない。
だからいつか、その町に旅立つんだ。」
そう、スライムが誓ったとき、音楽が流れてきた。
・・・・さぁ、いくんだ~、その顔をあ~げて~♪
振り向くと、そこには黒いコートとファーの高帽子の女が立っていた。
「私はメータル。あなたをメタルの体をタダでくれる町に連れて行ってあげましょう。」
胡散臭い女である。
普通だったら、こんな女にはついていかない。
だが、女は続ける。
「スライムはね、負ける事は、考えないものよ。
一度や二度しくじっても、最後には勝つと信じてる。
それが本当のスライムよ。
昔は、そんなスライムが大勢いたわ」
スライムは尋ねる。
「メータルさん、ずいぶん大勢のスライムを知ってるみたいだね。」
「私は時の流れを旅する女。ドラクエⅠからXまでも。。。」
スライムは、一瞬、目を伏せる。
・・・再び顔を上げたとき、スライムの目には光が宿っていた。
「僕、行くよ。メタルの体をタダでくれる町に行って
メタルスライムになる!そして、お化け屋敷よりもゴールドを稼げる
オリンピックのカーリングのバイトをするんだ!」
「そう・・・」
女はつぶやく。
スライムは知らない。
メタルスライムが、LVの高い勇者に狙われることを。
スライムは知らない。
稼いだゴールドが狙われる原因であることを。
それでも、夢に向かって進むスライムは美しい。
たとえ、HPは少なくとも、
たとえ、すぐにパーティからウザがられようになろうとも
前に進み続ける、誰からも愛されるモンスターなのだ。
スライムを倒しては、自分の家や宿屋で回復してセーブして・・。
やくそうは高くつくから、極力使わない。
ドラキーが2匹も出たら苦戦必至。
初期のレベル上げはスライム頼みなのでした。
でも、私がメタル系スライムを狙うのは、経験値のためよ。ムフッ。
上手ですが また どうもムカつく~~☆(T_T)