日本の偉人の話でも
- カテゴリ:小説/詩
- 2012/09/20 22:06:12
「天地明察」も封切りされたことですし。
日本の好きな天文学者の話でも。
麻田剛立という人がいます。
大分県に、藩の儒学者の四男として生まれました。
大変優秀だったようですが、
四男ですから、部屋住みの身です。
小さい頃から星や太陽を観測するのが好きで、
独学で天文を研鑽し、29歳のとき、
当時の暦になかった日食を言い当て、
一躍学者としての名を上げます。
(ここらへん、渋川春海と一緒)
34歳には、医学の力量も見込まれ、
藩医として召抱えられます。
・・・・と、ここまでは普通のサクセスストーリー。^^
藩医としての勤めをしていると、
今まで部屋住みで好き勝手やってきた
天体観測に費やす時間が減ってしまいます。
そこで、剛立は何度も藩主に暇乞いをします。
しかし、藩主も高名な学者をそう簡単には手放しません。
困った彼は、どうしても星が見たいんで
脱藩しちゃうのです。
坂本竜馬もやった脱藩。
でも、幕末でどんどん志士が
脱藩しちゃうような時代ではありません。
それでも、命を賭して
好きなことをやりに行っちゃう。
こういう人好きですねぇ。^^
そして、大阪へ行って名前を変えて(ホントはここから“麻田剛立”になる)
医者をしながら天体観測の日々。
天体望遠鏡を駆使して、月のクレーターを記録したり、
ケプラーの第3法則を独自に発見したりします。
盛名を慕って、優秀な弟子も集まってきます。
しかし、自分で本は書きません。
名を残すことに無頓着だし、
天体観測の時間がとられると思ったのかもしれません。
観測図は残してるしね。
やがて、幕府から改暦のために
召抱えたいとの通知がきます。
で、とーぜんのごとく、断るんですね。
天体観測がしたいために、脱藩するような人です。
宮仕えなんてするはずありません。
とはいえ、弟子を二人、代わりに向かわせます。
この二人が高橋至時と間重富。
見事に改暦を成功させます。
ちなみに伊能忠敬はこの二人の年長の弟子。
麻田剛立は弟子たちの暦が使われ始めたのを見て
その翌年、生涯を閉じます。
好き勝手に星を観る一生でした。
ちなみに、月のクレーターにも「アサダ」ってのがあります。
すごい人はいくらでもいますね~。
好きなことを追求できる人生、
うらやましいですね~。
こういう風に何かに没頭できるものがあるってホント素敵ですよね