新星
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/09/09 22:23:22
人工衛星を経由して遠くまで繋がる電話。
学校を休んでも、テレビで受けられる授業。
魚は採りすぎたので養殖がが普通。
電話に繋げて体温脈拍などを計測し
簡単な診断をする在宅問診。
女の子のおもちゃは、歌に合わせて踊る人形。
男の子はコードをテレビに繋げ、おもちゃの拳銃で
画面のインディアンを撃つゲーム。
・・・これ、小学4年生向け雑誌に、星新一が書いた
「未来都市」という小説の中の風景なのです。
書かれたのは、なんと1961年。
すげぇ。。。。
単行本に載せられていなかった、短編をまとめた
「つぎはぎプラネット」という新潮文庫にありました。
本名、星親一。
さかさまにして、新しい星になるという意味も込めて
一新星→星新一。
本物の新星は、爆発して何十年も経ってから
地球に光が届く。
星新一の想像力に、社会が50年経って追いついたのか。
個人的に近代の三大作家を選べと言われたら、
夏目漱石、星新一、手塚治虫を挙げますね、わたしゃ。
どれも、時代を超えて面白いだけでなく、
世界を開いた人たち。
夏目漱石なかりせば、現代文学は無かったでしょう。
手塚治虫なかりせば、日本マンガの隆盛は無かったでしょう。
星新一なかりせば、読書好きの子供達はこんなにいなかったでしょう。
私の子供たちも既にハマっています。
小説の楽しさを知ってしまっています。
でも、「未来」をテーマに書いてあるので
「現代」では古くなってしまったのが皮肉です。
時代を感じさせるものは極力避ける作家さんだったのですけどね。
それにしても、すげぇ。
今の物語では、未来は大抵「荒廃」しています。
それが自然な流れと思われているんでしょうかね。
中学高校で新潮文庫全巻揃えました。
「おーい、でてこーい」は、ある意味現実になっていますね。
手塚治虫も星新一も、たくさんの作品を読みました。
そうそう、今読み返すと、追いついてますよね^ ^
子どもの読者が憧れ、夢を持って読むことができる。
突拍子もないような未来の物語。
こういう作品、今は少ないような気がします。
現実的すぎて…
飽きさせない量の短編にはたくさんのことが詰まっていました。
新しいものがてるのをいつも楽しみにしていました。