撮影もOKでした。
- カテゴリ:30代以上
- 2016/12/24 16:07:56
坂口尚 展に行ってきた。
繊細な線で骨太な物語を奏でる
好きな作家の一人です。
・・・あんまり知られてないけど。
ユーゴスラビアパルチザンを描いた「石の花」
攻殻機動隊と同時期にバイオ情報素子の進化を描いた「VERSION」
出自と自我の間で悩み続ける一休宗純を描いた「あっかんべぇ一休」
重厚なテーマを、時にコミカルに時にニヒルに描く人。
「現実を現実として認めてしまったらそれまで」(「石の花」)とか
「清いものをと望んだ時、お前の心に汚いものが産まれる」(「あっかんべぇ一休」)とか
セリフ回しも超一流。
最近の芥川賞受賞作なんかより、余程「文学」してます。
ただ、上記三作品は、創価学会系の潮出版社の「コミックトム」に
連載されてたからかも知れんけど、
当時はそこまでブレイクしてないのよね。
他社から出てから少しづつ売れるようになった。
※同じようなものに、みなもと太郎の「風雲児たち」があります。
リイド社から出るようになったら、売れちゃった。
それでも、内容の見事さに比べれば
認知度が低いと思います。
こういう作家を再評価する動きは素晴らしい。
クールジャパンとか言って、
上前を撥ねることばかり考える連中が増えました。
その礎には、こういう素晴らしい作家たちがいたことを
そしてそれを再評価していくことが本来は必要なのでしょう。
それでこその「文化」としての発展が望めます。