Nicotto Town


エレウシス


冷静になれないほどだけど評価はしておこう

大規模接種センターの予約システムトラブルの話。

接種を進めるのが優先でシステムトラブルは後回しにすべき
というセキュリティ専門家の尻馬に乗って
バグを報道したメディアを批判するのも出てきて
わけわからんことになっている。

一応、システムマネジメントは専門の範疇なので
ここでまとめておく。

1.システムの問題
 はっきり言ってクソである。こんな酷いシステム見たことない。
 これは拙速だからというレベルの問題ではない。
 開発能力が「著しく」低い。
 理由は明確。仕様を満たしていないハズだから。
 
 大規模接種センターで予約をできる人の条件は
  一都三県在住で
  65歳以上で
  接種券を持っていて
  まだ接種を受けていない
 ということ。

 だから、システム作るなら、最低限この条件をチェックする。
 にもかかわらず、市区町村コードも年齢もチェックしていない。
 これは明らかに仕様を満たしていない。
 (要件定義に書いてなかったとしても、このくらいは普通対応する)


2.修正の問題
 接種を止めるな!は間違っていない。
 あまりにも基礎中の基礎中の基礎のバグなので
 すぐに修正できるバグだし。(他にもあるだろうけど)
 システムで対応せずに運用でカバーするのはあり。

 だ・け・ど

 大規模接種センターを優先して自治体の接種に影響を与えるのでは本末転倒。
 少なくとも、国は人海戦術で、各自治体に問い合わせ対応者を送り
 国が本件での対応窓口を全て引き受けるべきだ。
 私がいた企業では、そういう人海戦術を取っていたぞ。
 接種進捗の主役は各自治体。
 そこに迷惑をかけてはいけない。
 あとは市区町村コードと接種コードを毎日まとめて各自治体に送れば
 良いはずなのだけど、なぜ運用でそうしない。
 (本当はマイナンバーを使うのがベスト)


3.説明責任の問題
 検収の段階で1.の内容は判明したはずだ。
 ならば、2.の内容を検討し、状況を国民に説明し、理解をしてもらう必要があった。
 検収時問題を把握していたが、接種優先のため強行するというのは
 選択としてあり得る話ではあるが指摘を受けてから説明したというのは、
 問題がわかっていたかどうかさえ危ぶまれる状況である。


4.防衛大臣及び元総理のメディア批判
 論外。事実の指摘を批判するのは民主主義の敵。
 代議士をしていてはいけない。


5.安全保障の問題
 日本のサイバーディフェンスを担う防衛省が
 こんなシステムを作る企業を入札対象にし
 こんなシステムを検収し
 問題を隠したまま運用し
 バグ対応にも問題があることを世界に曝け出した。
 これこそが取返しのつかない失態。
 日本への攻撃増えるぞ、これ。

てな感じが現状の評価。特に5.に関しては。。。
もうどうにもならん。。。




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