明治天皇と日露大戦争
- カテゴリ：映画
- 2012/02/15 19:00:20
去年完結したドラマ「坂の上の雲」（まだ引きずってるよ（笑））に関連して日露戦争の映画について…
この「明治天皇と日露大戦争」は１９５７年に新東宝（戦後労働争議で東宝から分裂してできた映画会社）が製作した日露戦争の過程を（仁川上陸・旅順閉塞・黄海海戦・遼陽会戦・旅順陥落・奉天会戦・日本海海戦）パノラマ形式に描いた映画でエキストラを大量動員した合戦シーンは大迫力なわけですが（陸戦のシーンの迫力は去年完結した「坂の上の雲」に引けを取りません。）、一番すごいのは天皇を主役にした映画ということです。今でさえ菊タブーなんて言葉があるくらいなのにそれに加えて敗戦十数年でこのような勝ち戦の戦争礼賛と捉えられかねない題材を映画にするとは本当にスゴイことですね（苦笑）
靖国神社で始まり靖国神社で終わる映像・度々挿入される天皇直々の和歌・戦勝したラストのナレーション「民族の誇りと英知で世界平和に貢献しなければならない」などとても戦後作られた映画とは思われないような内容に唖然としてしまいました。
史上初天皇が主役ってことで明治天皇をどう演じるか悩んでいた明治天皇役の俳優嵐寛寿郎（通称アラカン）を毎日ハイヤーで送迎し映画会社の重役・スタッフ全員が「陛下のおなーりー」と出迎えさたエピソードがあります。（どこのお大名・成金ですか…）
このような「史上初！天皇が主役」「勝ち戦日露戦争」をスローガンにしたこの映画は封切られるとまたたく間に大ヒットし映画館のドアが閉め切らないほど観客が詰めかけたそうです。
観客動員数は驚くなかれ
２０００万人!!
日本人の5人に１人が見たといわれるこの映画、当時はおろか現在においても空前絶後の数字で邦画史上最大の大ヒット映画となります。
この観客動員数は２００１年の宮崎駿のジブリ映画「千と千尋の神隠し」の２３００万人の観客動員によってトップの座を明け渡すことになりまますがその間４４年間これを超える邦画が誕生しなかったわけでこの映画が当時どれだけすごかったかうかがえます。（ちなみに邦画の実写としてはなおトップの座に君臨）
…がこの空前絶後の大ヒットによって当時の新東宝の社長はワンマン体制を加速させ周囲の反感を招きこの映画のわずか４年後に映画会社をつぶしてしまいます。
まさに皮肉!!
うちとこのＴＵＴＡＹＡにあるか探してみます～
しかしこの映画出演者に丹波哲郎・若山富三郎（勝新太郎の兄）・宇津井健・高島忠夫（高島政宏・政伸兄弟の父）などの名優が多数出演しており探してみるのも面白いです。
ちなみにこの映画の大ヒット影響で「天皇・皇后と日清戦争」「明治大帝と乃木将軍」の姉妹作が存在します。（後者は使い回しが多く見てて面白くなかったです。）
「明治天皇と日露大戦争」はＴＵＴＡＹＡにＤＶＤが置いてありますよ。
もし見る機会があったら感想を教えてください。
明治天皇主役ということは！伊藤とか出番ありますよね？
司馬さんは「世に棲む日日」でハマッたので、長州好きなのです。
尊敬する人物の回答は基本、松陰先生です♪