Nicotto Town


つくしのつれづれノート


藤子不二雄の「UTOPIA」!!

今日、本屋でとある漫画の存在に気付き、まるで幽霊を見たように背筋が凍りつきました。
その漫画こそ

藤子不二雄の単行本デビュー作「UTOPIA 最後の世界大戦」復刻版!!

昭和29年に発行されたこの漫画はは元々FとAが大ファンだった手塚治虫に読んでもらうために書いた原稿を手塚自身が便宜を図って単行本になった経緯がある漫画なんです。(実はこの原稿は二代目。それ以前に手塚に見せる為に書いた初代は手塚に初めて会った際に、手塚が400ページの漫画の為に1000ページ分の原稿を描いて推敲しているという事実に恥ずかしくなり原稿を破棄しているんです。「UTOPIA」単行本までの経緯はAの自伝漫画「まんが道」に詳しく描かれています。)
藤子不二雄のデビュー作は新聞掲載の4コマ漫画なのですが(打ち切り)、この「UTOPIA」こそ後の「オバQ」「ドラえもん」「笑ゥせぇるすまん」などのFAの藤子ワールドの原点であり、藤子不二雄(さらに日本漫画史)を語る上で大変重要な作品なんです。ちなみに当時のペンネームは藤子不二雄ではなく足塚不二雄(手塚治虫の足元に及ばない不二雄という意味)を名乗っていました。

…でこの漫画の存在になぜ背筋が凍ったかといいますとこの「UTOPIA」が日本商業漫画史上最も読めない漫画(多少大げさですが)だったからです。
その理由は御察しの方も多いと思いますが、FとAがコンビ解消した為に著作権問題で藤子不二雄名義の共著作品が絶版になり、希少古書として値段が極端に跳ね上がってしまったんです。(現在、藤子・F・不二雄全集が刊行され藤子不二雄名義の共著作品が続々刊行されているのですが、それ以前はFの「ドラえもん」さえも全作の60%程度しか読むことができず、封印された為に抹殺されたキャラも少なからず存在します。)

とくに「UTOPIA」は今回の復刻以前に何度か復刻されているのですがFAの代表作ほど出回ってない為に数が少なく、初版本に至っては現存冊数が確認されているだけでも10冊あるかないかとされ、以前「なんでも鑑定団」で出品された時にはなんと350万円の値がつきました。(その数年前に出品された際には百数十万でありその値上がり方は異常といわざるを得ません。)
これは日本商業漫画単行本としては史上最高額なのは間違いなく、まさに幻の漫画だったんです。(余談ですが「なんでも鑑定団」でFAが学生時代に有志を募って編集した肉筆の同人誌が出品された際には2000万の値が付きました。この同人誌も「まんが道」に記述があります)

実をいうとこの「UTOPIA」持っています。もちろん初版本ではなく、当時最も新しい復刻版だった藤子不二雄全集「FFランド」版(コンビ解消前に編集された全301巻の全集。「UTOPIA」はその最終巻。)なのですがそれさえも数千円・万を超える値が付いており、大学時代にどうしても読みたくて五千円はたいて購入したものなんです。皮肉にも自分の蔵書の中で最も高い本になってます。作風としては手塚に見せるため描かれていることもあり、手塚作品の作風の亜流なんですが、第三次世界大戦の後にロボットに支配された人間たちが反旗を翻す内容は、映画「ターミネーター」シリーズ(特に4以降)を連想させ、当時のその斬新さに改めて驚かされます。

…で今回の復刻版ですが、初版本の完全復刻版にオマケがついている豪華版。
メチャメチャ欲しい…

ちなみに当時そのままに復刻された表装の背表紙には当時の値段である130円の表示がありました。当時の物価は現在の10分の1程度だったので(この間アニメ「墓場鬼太郎」を観たときに調べたところによる。)現在感覚でも1300円以上の値がついた高価な本だったことがうかがえます。
「UTOPIA」は今年完結する藤子・F・不二雄全集にも最終巻として9月に刊行されますが、個人的には今日見つけた初版復刻版の方が欲しい!!

…が値段が3800円

自分が購入した復刻版とそんな変わらないじゃないか!!

う~ん、のどから手が出るほど欲しいけど…
メチャメチャ迷うな~

アバター
2012/05/15 22:13
これは欲しいですね!!
しかし3800円か……ちょっと考えます(^^;)
やっぱりこの値段は、躊躇しますよねえ。




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