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つくしのつれづれノート


夏の前日 3巻

「らいか・デイズ」「孔明のヨメ。」に続き、漫画「夏の前日」(吉田基己作)3巻購入。「まんだらけ」で紹介した漫画の中の大本命にあたります。講談社の隔月刊行(2ヶ月に一度の刊行)の漫画雑誌「good!アフタヌーン」の連載なため単行本化が遅く、今回の3巻は前回の2巻から1年2か月ぶりの新巻ということで首を長くして待ってました!!
いや~ 長かった!!


以下はあらすじ
暑い夏の日、河原で油絵を描いていた画学生(油絵専攻)青木哲生は年上の和服美人・藍沢晶と知り合う。画廊店を営む晶は度々哲生の前に現れ哲生の反感を買っていたのだが、ある雨の夜にふとしたことで一夜を共に過ごしたことから二人の関係は恋愛関係となった。
二人の関係は、恋人というにはまだ拙い恋愛―


作者の吉田基己は02~04年に連載していた血のつながった兄妹の禁断の恋を現実的かつシリアスに描いた「恋風」(アニメにもなっている。)で話題になった漫画家さんです。
トーンをほとんど使わないさっぱりとした画風で切ない恋愛ストーリーが展開される為、スゴイ好きなんです。「夏の前日」の作風は「恋風」の頃よりも画風はシャープで洗練されており、より切なくなります。


孤独な哲生と陰ひなたで哲生を支えようとする晶の関係がシュールレアリズムの巨匠ダリとその妻ガラのような芸術家の恋愛って感じであり、手助けしようして逆に反感を買ってしまったり、相思相愛ながらも「好き」といえない二人の不器用さなど、読んでいて大変もどかしくなります。
二人がはじめて関係を持った後に晶が発した

「見ているだけで良かったんだけど 欲しくなってしまった」

のセリフが大変印象的でした。



実をいうとこの「夏の前日」は吉田基己のデビュー作である短編連作「水と銀」(現在は「水の色 銀の月」に改題されている。既刊2巻)の青木哲生メインの短編の前日談になっており、最後の展開がどのようになるかある程度確定しています。(なので「夏の前日」で初めて吉田基己作品に触れた人は「水と銀」はまだ読まない方がいいかも…)

今回の3巻は「夏の前日」と「水と銀」をつなぐ核心とも言える部分が初めて表面化し、ここから一気にラストに向けて物語が加速していくものと思います。
なので今後ますます目が離せません!!




…ちなみにこの「夏の前日」。エロ漫画ではありませんが性描写が多い為(それがあるから物語がものすごく切なくなっているのですが…ちなみに「恋風」の方は100%とは言わないものの血のつながった兄妹の禁断の恋を限りなくプラトニックに描いています。)、中高生の方注意するように!!





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