Nicotto Town


つくしのつれづれノート


初代ゴジラ!!

私つくしは特撮映画の大ファンなわけでして、日本が世界に誇る怪獣映画「ゴジラシリーズ」は全て手元に掌握しております!!ちなみにキャラクターとしてゴジラはハリウッドに殿堂入りされており、ミッキーマウス・ドナルドダックと肩を並べる世界的スターなのです。(三船敏郎だってまだ殿堂入りされていない。日本生まれの日系人俳優マコ・岩松はゴジラの後に殿堂入りとなった。)

というわけで今回は初代ゴジラこと1954年「ゴジラ」を紹介します!!(あと2年で60周年!!ゴジラも還暦だあ!!)

映画誕生の経緯は当時没になったインドネシアとの合作映画の穴を埋める為に、1954年に起こったビキニ環礁水爆実験で被ばくした第五福竜丸事件とアメリカの怪獣映画「原子怪獣現る」という映画をヒントにして生まれたのが「ゴジラ」であり、怪獣「ゴジラ」はゴリラとクジラのミックス造語だというのは有名です。
他にも製作秘話は山ほどあるのですが(特撮監督円谷英二はゴジラを蛸怪獣にしたかったとか…劇中のゴジラの破壊ルートを街中で打ち合わせたところ、テロリストと間違えられて捕まりそうになったなど…)、キリがないので省略します。
とにかく最初は極秘裏に製作が進められ、ある程度めどが立ったところでラジオドラマ・小説・漫画などのメディアミックス戦略で映画の宣伝をし、
1954年11月3日に封切りと相成ったのでした。(11月3日はゴジラの誕生日!!)



さて今更ながらと思いますが内容は、水爆実験で目を覚ました怪獣ゴジラが日本近海の船を次々沈めた後に東京へ上陸し東京一帯を火の海にしてしまうも、芹沢博士が発明した新兵器オキシジェンデストロイヤーによってとどめを刺される(溶けちゃった!しかし核兵器を超えるオキシジェンデストロイヤーの悪用を恐れ、芹沢博士はゴジラと一緒に運命を共にする。)
…という怪獣映画としてまことにオーソドックスな内容なわけです。(なんたって元祖怪獣映画だし…)
…がしかし!
ゴジラを抜いた人間ドラマだけに注目すると、昼メロも真っ青の愛憎劇だったりするのです!!

以下はゴジラを抜いた人間ドラマとしての内容。(ハンバーグ抜きのハンバーガーを食べさせられるような気分かもしれませんが大目に見てやってください(苦笑))

若き化学者・芹沢博士(演:平田明彦)は戦争で片目を失い、許嫁となっていた恩師(山根博士 演:志村喬)の娘・恵美子(演:河内桃子)は別の恋人(緒方 演:宝田明 映画でも存在感薄いけど主人公です!!)との結婚を考える有様であり、芹沢博士は恵美子ととある秘密(オキシジェンデストロイヤー)を共有してることで自らを慰めていた。(映画では核兵器を超えるオキシジェンデストロイヤーを悪用させないという建前ですが、ゴジラ抜きだと上記のように見えます。)
ところが大事件(ゴジラの東京襲撃)が起こり、事件解決の鍵となる芹沢博士の秘密を許嫁・恵美子はあろうことか芹沢博士の恋敵とも言える恋人緒方に打ち明け、二人で芹沢に事件解決を迫る。
結局承諾したものの、全てに絶望した芹沢博士は事件解決と同時に自殺を図る…(オキシジェンデストロイヤーの製造法を闇へ葬る為でもありますが…)

ちなみに省きましたが恵美子の父・山根博士は大人小説版ではどんな手を使ってもゴジラを生きながらえさせ研究対象にしようというマッドサイエンティスト的なところがありまして、それを基にしたラジオドラマ版などは台本を見る限りより磨きのかかった愛憎劇となっています…
ちなみにこの「ゴジラ」の登場人物のその後を描いた95年「ゴジラvsデストロイア」(地球滅亡に走りかねないゴジラの死を描いた映画。初代ゴジラを倒したオキシジェンデストロイヤーの化身・デストロイアと対決)では、結局芹沢博士の死がもとで恵美子と緒方は破局し生涯独身を貫くという設定になっています。
やはりこういう愛憎劇はハッピーエンドにはならないんですね…



…エー、内容紹介はここまでにして、封切りの結果、観客動員数961万人の大ヒットとなっただけでなく、数年後には海外版(政治的意図で核実験によるゴジラ誕生経緯がカットされており、オリジナルがアメリカ公開されたのは数年前だったりする。ステレオタイプの日本人が追加登場する爆笑シーンもあり。)がアメリカ・ヨーロッパで公開されてゴジラは世界スターとなり、以後50・60年代の東宝特撮映画は日本の外貨獲得の主力のひとつにまでなります。

現在の技術(アナログ特撮だけでも)と比べるときわめて原始的なものなのですが、後のどの怪獣映画よりも迫力がありゾクゾクしました。
色がない分強烈な画面構成が多いモノクロ映画ゆえなのかもしれません。「ゴジラ」の同年に公開された黒澤映画「七人の侍」も同様であり、白黒の陰影の強烈なモノクロ映画は一度見たら忘れられないものが多いですね。
幸運にも自分はこの初代「ゴジラ」の所見はリバイバル公開の映画館のスクリーン上でした。(当時小学生)
大スクリーンだとその迫力もケタ違いであり、これを超えるゴジラ映画はあり得ないということがよくわかります。
当時の社会情勢の中で展開される愛憎劇にゴジラがゲスト出演してるという感じであり、後の怪獣映画のジャンルを超えている印象があります。


こうして空前の大ヒットとなってシリーズ化され、ハリウッドに殿堂入りするスターとなったゴジラなんですが、
実はこの54年の初代「ゴジラ」は世界の3本の指に入るとまで評価される同年公開の「七人の侍」と共に、その年のナンバー1ヒット作になってなかったりします。

この2作のメガヒット作をガッチリと押さえて興行的トップとなったのが、伝説のラジオドラマの映画版「君の名は」なんです。(中井貴一の父・佐田啓二と岸恵子が主演で有名。ショールの巻き方「真知子巻き」はこの映画で誕生した。ちなみに鈴木京香主演のNHK連続テレビ小説版も存在する。)

この映画は53・54年にかけて3部作として作られ、54年に公開された2部・3部はどちらも「ゴジラ」「七人の侍」の興行成績をはるかに凌駕しているということです。

原作のラジオドラマは放送時銭湯から女が消えるという伝説を持つ大ヒット作。
要するに後に世界的名画と謳われる「ゴジラ」「七人の侍」はこの伝説には敵わなかったのです。

これは意外!!




…ちなみに初代ゴジラの見どころの一つに国会議事堂破壊があるのですが、
最近の政治状況に腹を立ててる身として、このシーンで「ゴジラやっちまえ!!」と大歓声を上げるというまことにブラッキーな鑑賞状態になってます。(苦笑)

実は当時の政治不信による支持率が末期状態の吉田茂内閣への当て付けからか(「ゴジラ」公開直後に吉田内閣は瓦解し、翌55年より自民党の55年体制が始まることになる。)公開当時このシーンで観客が総立ちの大歓声を上げたという逸話があり、この逸話の影響を受けてこのようなひねくれた鑑賞と相成ってしまいました…
無念!!

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2019/04/17 11:08
A-chan様へ…東宝退社後の河内桃子についてはほとんど私ミカサは知らないのですがNHK人形劇「真田十勇士」で三好青海の声優をやってるのが印象に残っており、現存映像が三好青海のメインの回があるためものすごく存在感があります。
他だと幸田露伴の孫青木玉のエッセイで露伴に伴われて大河内邸に訪れた際に幼少期の河内桃子に出会った内容を思い出す程度です。

ただゴジラについては終止ネガティブな感じだったみたいで当時観に行った「ゴジラvsデストロイア」のパンフレットでのコメントもゲテモノ映画の看板女優のイメージが付いて大変な思いをしたという内容が大変印象に残ってます。
ちなみにこの人旧華族らしいいかにも両家の令嬢っていで立ちですが実際は170越えの長身だったそうですね。
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2019/04/14 01:04
こんばんは。また参りました(笑)。
河内桃子さんのプロフィール存じてます。だからこそ、役所広司が金田一耕助を演じた「女王蜂」で旧華族の奥様役を演じておられたのがぴったりでした。でも「ゴジラ」によって役の上だけで無く実生活でも人生を変えられてしまったのですね。
そんな「ゴジラ」をノックダウンさせた「君の名は」は当時では最高の怪獣ならぬ怪物映画だったのですね(爆笑)。私も3部作をレンタルして視聴した事があります。戦後直後の情勢がよく分かりましたが、優柔不断な主役カップルにはちょっとイライラ。当時はこんなのが受けていたのでしょうか。「シン・ゴジラ」をノックダウンさせたアニメ版も、かなりの怪物映画のようですね(どちらもオキシジェンデストロイヤー顔負け:笑)。
国会議事堂破壊については、吉田バカヤロー茂内閣の当時だけで無く、今に至るまでの各時代の方々に同様のカタルシスを与えているのですよね・・・・・・(苦笑)。

そう!小説版ではアンギラスも熱線が吐けるのですよね。映画では却下された案ですが、もしこの案が通っていたらラドンに匹敵するぐらいのゴジラのライバルになっていたかも。少なくとも、あの微笑ましい2代目アンギラスは生まれていなかったと思うだけに、私としては熱線が却下されて良かったと思ってます。
心優しき性格ゆえか、2代目が受ける痛手は後々語り草になるぐらい痛々しく感じますね。「メカゴジラ」の時は怒りさえ感じました。あの後、傷はすっかり治ったそうですが、きっと怪獣島で療養中の間、自分の傷の痛みよりもゴジラの心配ばかりしていたのかもしれませんね。これから戦いが起きずにゴジラや他の怪獣達と幸せに暮らして欲しいです。
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2019/04/12 13:34
A-chan様へ…何年も前の記事へのコメントわざわざありがとうございます(^_^)
ゴジラについては最近のアニメゴジラ三部作以外は海外版も含めすべて見ている30年来のゴジラ・特撮ファンなわけですが、最近は怪獣映画ではなく登場人物と特撮の融合要素が強い活劇映画や戦争映画の方の関心が強くなっています。(円谷英二の戦前の戦争映画などは特に注目)

この初代ゴジラは格別ですね。この最初のゴジラだけは怪獣映画のジャンルの安宙を超えた普遍的な作品なんですよね。

悲劇的な最期を遂げた芹沢博士役の平田明彦はその後のゴジラ映画をはじめとする東宝特撮やウルトラシリーズでもおなじみの看板俳優となりますが、
反面ヒロインの山根恵美子を演じた河内桃子(江戸前期の「知恵伊豆」異名で知られる敏腕老中・松平信綱を先祖に持つ旧華族・大河内氏(譜代大名大河内松平家)の令嬢)は「ゴジラ」の大ヒットで何に出演してもゴジラに出演した特撮女優のレッテルが付いて回ったのはイヤですぐに東宝を退社して舞台やテレビに活躍の場を移すことになるという「ゴジラ」ひとつでその後の人生が一変する様子が非常に印象深かったりします。

なお、初代ゴジラの要素を最も受け継いだ「シン・ゴジラ」も同時期に公開された新海アニメ「君の名は。」にノックダウンさせられたのは本当に皮肉に感じましたw


ちなみに「ゴジラの逆襲」のアンギラスは小説版ではゴジラの同類として実は放射火炎を吐くことができるんですよね。映画は怪獣の放射熱戦よりも撮影ミスを逆手に取ったコマ落としによるハイスピード格闘による迫力が印象に残っています。映像があまりにも暗すぎるのが非常に残念ですが…

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2019/04/12 01:03
こんばんは。初めてコメントさせて頂きます。
ゴジラ第1作目。日本における怪獣映画の元祖ですね。もう還暦を迎えてから5年経ちますが、未だ色褪せない永遠の怪獣です。作品のテーマも人間ドラマも重くて考えさせられます。

ヒロイン・恵美子さんは本編の中で結果として十字架を背負ってしまうような役どころですが、ゴジラの被害を受けた人々の悲惨な状況を見れば無理も無い事ですし、まさか芹沢博士があのような行動に出るとは思いも寄らなかったと思いますので、とても彼女を責める事などできません。もし、芹沢博士がオキシジェンデストロイヤーの事を打ち明けてさえいなければ・・・・・・。

続編「ゴジラの逆襲」では上手くいけばゴジラを市街地から遠ざける事ができただけに、オキシジェンデストロイヤーが無くてもそれなりのゴジラ対策があったと思うと悲しい顛末だと思います(私が思うに、昭和の頃のゴジラは決して不死身では無いです。砲弾で外皮が剥がれるぐらいですから、もし放射熱線さえ無ければ作戦次第で弱い喉元を集中攻撃でもすれば倒せるかもしれません。アンギラスなどの熱線のような武器を持たない怪獣達も)。

「ゴジラ」のテーマは「反核」と同時に「科学者の良心」と思いますが、登場人物達の複雑な人間模様を見ていると、それだけでは済まない遣り切れないものを感じます。
(その後、平田昭彦さんは昭和ゴジラ最終作で芹沢博士とは正反対の自己中なマッドサイエンティストを演じますが、その博士の娘さんが恵美子さんに負けず劣らず悲惨な役どころです)
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2012/06/17 22:23
ペッチ様へ…デジタル技術のVFXの発達で映像表現の幅は格段に増えたのですが、しっくりいきすぎてあまり印象に残らないのが多かったりするんですよね。(氾濫してるのも原因の一つですが。)円谷特撮はアナログである為、VFXを駆使した映像と比べるとしっくりとこないぎこちなさがどうしてもあるのですが、そのぎこちなさが迫力・不気味さを増大させた強烈な映像になっているところがあり、逆に氾濫したVFXの方が安っぽく見えたりします。手作り感があるのもいいですよね。(円谷英二死後の70年代特撮は怪獣プロレスが氾濫しすぎて関心を寄せる映像技術が少なかったりすすわけですが…)

ペッチ様が挙げる「ウルトラQ」なんかはその最たるものだと思います。
個人的に特に目をむくのは合成技術による不気味な映像描写で、特に好きなのは「バルンガ」(都市のあらゆるエネルギーを食いながらただ浮いてるだけの風船怪獣が主役。うるとらシリーズ最強の怪獣ではないでしょうか。)「2020年の挑戦」(ケムール人のやつです。)が特に好きです。
後に怪獣路線がヒットして「ウルトラマン」「ウルトラセブン」から怪獣プロレスが主流になってしまいますが(厳密に言い切れるわけではありませんが…)、内容面はともかく特撮技術面だけ見ると「ウルトラQ」の方が映像表現のバラエティが富んでいて好きです。

しかしまた「ウルトラQ」リメイクするんですね。着色版は未見なものの、オリジナル・dark fantasy・ザ・ムービー・ウルトラQ倶楽部と内容面で極めてたつもりだったので(井の中の蛙だと思いますけど)またやるとは思わず大変驚いています!!
今度はWOWWOWと合作だそうですね。WOWWOW製作のドラマって以前から評判がすごくいいので期待大ですね!!
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2012/06/17 16:00
昔の特撮は、結構深い話が多いですよ。
今度続編が作られることになった「ウルトラQ」を筆頭に、大人が見るとまた深い味わいがあります。

……まあ、「君の名は」は、やっぱり女性に受けたので。
今も昔も、ヒット作のカギは女性が握っているのです。
デートで観に行くとしたら、ゴジラでも七人の侍でもなく、君の名はになるってことですよね(^^;)
アバター
2012/06/17 00:43

 コメントありがとうございました。
 
 ・・・・つくしさんの言うとおり、あれは実話です。
 




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