Nicotto Town


つくしのつれづれノート


シンジ!!

まずはじめに…
このタイトルのシンジ、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの主人公・碇シンジのことではなく特撮監督・映画監督の樋口真嗣のことを指しています。

しかし碇シンジと樋口真嗣は無関係ではなく、実は碇シンジのネーミング由来となっている人物だったりします。

樋口真嗣は映画監督として
「ローレライ」(福井晴敏の海洋冒険小説「終戦のローレライ」が原作…というかメディアミックス)
「日本沈没」(小松左京原作の72年映画版のリメイク)
「隠し砦の三悪人」(原作は「スター・ウォーズ」の原作になった同名の黒澤映画のリメイク)
のヒット作を手掛けたため多くの人が観たことがあるかと思います。

しかし私つくし個人としては
日本最高の特撮監督にして日本最低の映画監督という両極端な評価をしている人物であり、大変複雑に思っています。

まず特撮監督としてですが、この樋口真嗣という人は元々84年「ゴジラ」の怪獣造型のスタッフから映画界に入った特撮マンだったんです。自分の構想通りの映像を実現する為に特撮監督を志したのだそうで、絵コンテなどの画面作りに大変定評のある人物なんです。
その実力を世間に知らしめた作品が95年に公開された怪獣映画「ガメラ大怪獣空中決戦」に始まる平成ガメラ三部作でした。
このシリーズ、怪獣の巨大感を表現する為の精密・奇抜なアイデアによるアナログ撮影もさることながら、CGなどのデジタル技術を本格的に導入した画期的な作品であり、特にCGの格段に進化した三部作完結編の99年「ガメラ3邪神覚醒」以降、ここを起点にCG使用の日本作品が格段に増えてくるため、日本映像史に革命をもたらしたシリーズと言っても過言ではありません。
そういった大胆な画面作りの為、いろんな作品に絵コンテなどの画面作りに係わっているのですが、その中で最も有名なのが親交の深かった庵野秀明が監督をしている「エヴァンゲリオン」であり、現在順次公開している新劇場版「エヴァンゲリヲン」の序と破の絵コンテにも参画しています。(Qに関しては不明)
そして今東京近代美術館でやっている展覧会『館長 庵野秀明特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』で公開している短編映画「巨神兵東京に現る」(宮崎駿のジブリ作品「風の谷のナウシカ」のスピンオフ作品。ナウシカを出さないという条件で実現したそうです。)では監督を務めたということですごく気になります。
とにかく各作品見ても画面の迫力がすごいんです!!


…しかし、その迫力のある映像表現における過信が個人的に日本最低の映画監督たらしめている最大要因となっているように思います。

上記の樋口真嗣監督映画なのですがどの映画も大変迫力のある画面作りなのですが、どの作品も原作の小説・映画を観たことのある人からは内容をズタズタにした駄作としてるとして大変評判が悪いんです。もちろん名作のリメイクな為原作と比べるのは酷なことなのですが、樋口真嗣監督映画に関しては映像の外見ばかり凄くて中身たるストーリーは空っぽなものばかりという感想を持ってます。
これは映像至上主義でストーリーは二の次という作風によるものなのですが、映像中心に見せる映画ならまだしもストーリーの優れた名作のリメイクは絶対にやってもらいたくない監督です。正直毎度樋口真嗣の新作映画の製作が発表されるされる度に、「次はこの名作が原作レイプの被害に遭うのか…」とため息をつくありさまになっています。

以前ブログにも書いた山崎貴監督による実写版「宇宙戦艦ヤマト」も元々樋口真嗣による監督を予定していたのだそうです。「宇宙戦艦ヤマト」は映像だけでなく秀逸なストーリが光るSFものなため、ブログの方で山崎貴監督以外の人物が監督した場合もっと酷いことになるだろうと書いたわけですが、その最たる人物が名指ししませんでしたがこの樋口真嗣でして、もし樋口真嗣による「宇宙戦艦ヤマト」が実現していたら自分は石を投げるほどに罵倒していたと思います。(山崎監督の実写版は尺こそ短くてキャラクターの感情移入はできないものの、「宇宙戦艦ヤマト」としてストーリーの筋は通っています。正直特撮・ストーリー共々きちんと秀作に仕上げる映画監督は山崎貴監督おいて他ないと思います。)


そんな樋口真嗣監督の長編次回作が今秋公開予定の時代劇「のぼうの城」(豊臣秀吉の小田原征伐における石田三成の忍城水攻めを描いた映画。本当は去年公開予定で予告も流れていましたが、劇中に水攻め用の堤防の破壊で起こった洪水で将兵が流されるシーンが東日本大震災の津波を連想させるとして上映自粛になっていた作品です。)です。
この作品は「ジョゼと虎と魚たち」「金髪の草原」など犬童一心との共同監督作品であり、樋口真嗣のストーリでの暴走を犬童一心がどこまで抑えられてるかが映画の成功の鍵となっていると思います。
できれば映像面は樋口真嗣・内容は犬童一心となっているといいのですが…





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