Nicotto Town


つくしのつれづれノート


暑い日には寒~い映画を…

昔から暑さをしのぐ手段として背筋の凍る怪談映画を観るのが恒例となっていたみたいですが、今回そういうホラー映画ではなく見ただけで寒くなる凍える映画ということです。

代表格として挙げるのが77年「八甲田山」(以前ブログにも書きましたが…)
これは20世紀初頭に日露戦争を意識した陸軍が戦場の寒さ対策ため八甲田山を210人の部隊で雪中行軍を行ったところ、大寒波に遭遇して全滅した事件をもとにした新田次郎の小説「八甲田山死の彷徨」を原作にした映画です。
実際に極寒の冬の八甲田山の遭難すれすれのところで撮影を行ったということであり、炊き出しのカレーが1分で凍りついたというのを聞いたことがあります。(あまり厳しい環境の為逃げ出した出演者がいたとか…)
劇中の凍死した兵隊は皆真っ青な顔してるのですが、メイクではなく本当に凍傷になりかかったということであり、実話さながらの悲惨さが再現されたこの映画は見てるだけで凍えてきます。(個人的には明治軍服と芥川也寸志の音楽に萌え~…な感じですが…萌えの使い方間違ってる?)


…がしかし、
これより凄まじい映画があります

それが同じく新田次郎の小説を原作にした78年「聖職の碑」です。
上記の「八甲田山」のスタッフが引き続いて製作した為、partⅡと言えるかもしれません。
これは大正時代の長野県の中箕輪高等小学校(現・箕輪町立箕輪中学校)の年中行事の駒ケ岳の集団登山中に台風に遭遇して遭難し、結果児童を含め11人が凍死した事件を基にした映画です。タイトルの「聖職の碑」は上記の遭難事件を風化させない為に建立された慰霊碑のことであり、現在でも事件の舞台になった箕輪町立箕輪中学校では慰霊を兼ねた駒ケ岳集団登山がおこなわれています。
作中では寒さをしのぐ為子供たちが遠足用のお菓子として持ってきたお餅を今にも消えそうなマッチで焼いて食べたり、校長が着てた着物を今にも凍え死にそうな児童に着せてかばったりするようすが描かれます。(結局両方とも凍死します)
上記の「八甲田山」が戦場での死を覚悟した将兵が犠牲になったのに対して、「聖職の碑」では登山遠足を楽しみにしていた児童が犠牲になる為、その悲惨さは「八甲田山」の比ではありません。


…今「八甲田山」を観ながらこれ書いているのですが本当に背筋がゾクゾクしてきました。しかし「聖職の碑」と二作一緒に続けて書いたため気まで重くなってしまって…
両者とも大変優れた人間ドラマの傑作なので、おススメです。

アバター
2012/08/12 23:59
ゆうこさまへ「八甲田山」については二組の部隊が八甲田山を挑戦したんですが大部隊の方が遭難して全滅しました。生存者は210名中11名いたもののその多くが凍傷によって手足切断となったそうです。
一方全員生還した部隊(映画では高倉健が隊長)は日露戦争の黒溝台会戦で全滅したそうですが映画は脚色されてるのでどこまでが事実かよく判りません。(ちなみに登場人物は史実の実名がぼかされています。)
「聖職の碑」の方は全滅ではないのですが犠牲になったのが子供な為「八甲田山」より痛ましく感じました。
両者とも雄大な自然に人間が翻弄される様を描いている為景色が大変美しいんです。(内容は壮絶ですが…)
両者の末裔に当たる「剣岳 点の記」(監督は両社のカメラマンの木村大作)に感銘を受けた方には特にお勧めです!!
アバター
2012/08/12 22:14
ブログ広場より、

事実に基づい映画は怖いですよね。
これは助かった人はいるのでしょうか?

面白そうですね(^o^)




Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.