Nicotto Town


つくしのつれづれノート


アニメ「氷菓」 福部里志のジレンマ

アニメ「氷菓」も次週で最終回。今週と来週の最終回の二話はホータローとえる・福ちゃんと摩耶花のそれぞれの関係に焦点を当てた、まさにアニメ「氷菓」のラストにふさわしい内容となっています。
今週はその第一弾、福ちゃんに恋する摩耶花とそれまでのらりくらりとかわしてきた福ちゃんの関係がクライマックスを迎える「手作りチョコレート事件」です。

バレンタイン、福ちゃんへの恋に勝負を賭ける摩耶花が作ったチョコレートが盗まれた。当事者以上に大騒ぎする千反田えるに対してホータローはあっさりとチョコを盗んだ犯人を突き止める。しかし事件はそれまで過ごしてきたホータローやえるの預かりしらぬところで展開してきた末の顛末だった為、ホータローは愕然とする。
「俺は何も理解いなかった」と…


感想ですが一話完結のみの単体とすればそこまで大したことないのかもしれませんが、それまでの「愚者のエンドロール」や「クドリャフカの順番」でちりばめた福ちゃんの屈折が見事に生かされていて、真相解明の場面は正直「氷菓」編の解決編よりもゾクゾクしました。伏線ありきの結果ですよね、これは。
ただアニメは原作と違ってラストにえる・摩耶花サイドの描写がホータロー・福ちゃんサイトと公平に描かれてしまった為に、ミステリアスな結末にならなかったのが残念なところです。(原作の方はホータロー視点でえる・摩耶花サイドの描写はなく、事件解決したホータローが女性陣の側から事件の想像をめぐらす所で締めくくられ、涼宮ハルヒシリーズの短編「ミステリックサイン」のような印象を受けます。)

福ちゃんは自らをデータベースとして広く浅く攻めに転じずの信条でらりくらりと人生を楽しんでいるように見えながら、嫌々ながら次々事件を解決していくホータローに劣等感を抱えたりする古典部の中で一番不安定な印象を受けました。摩耶花のアタックをまんざらでもないとしながらも、受け入れたら自分の信条が崩れてしまいそうで逃げ回る。
摩耶花を受け入れた後、福ちゃんがどのように化学反応を起こして変化していくか古典部のメンバーの中で一番気になります。故に新作小説の発表が待ち遠しいですね。

それにしても今回のえるの暴走はさすがにドンビキですね。(当事者でないのに己が許せないからと、なりふり構わず事件に首を突っ込んでいくのは周囲をかき回すのは印象よくないですよね。)古典部メンバーの中で一番性根がまっすぐなんですが、その純真さゆえの暴走ぶりは組織のリーダーとしてはふさわしい行為ではないですね。思えば「クドリャフカ」でも作り過ぎた文集完売の奔走に部長として先走り過ぎてかなり四苦八苦していました。

える自信もそれを自覚しており、次回自分の将来に対して一つの方向性を見いだしていくことになります。
最終回である次回の「遠まわりする雛」でそのえるを目の当たりにしたホータローが、初回で保留にしてたえるとの関係の問いへの答えを導き出します。春先の出会いで付き合い方を図りかねていた千反田えるという存在に対して、果たしてホータローは何を思うのか?

わたし、気になります!!


ラストはその内容から「ふたりの距離の概算」の描写を基にした場面が出てくるように思うのですが、果たしてどうなるか?その点もすごく気になります!!





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