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つくしのつれづれノート


ナイフを失われた思い出の中に(ベルーフシリーズ)

今週最終回を迎えたアニメ「氷菓」の古典部シリーズから枝分かれした推理作家米澤穂信最大の代表作「さよなら妖精」。(元々古典部シリーズとして書かれるはずだったためメインキャラの多くは古典部の4人を彷彿させます。「さよなら妖精」と古典部シリーズの関連はこのニコットのブログで以前書いています。
参照↓
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=1032798&aid=42503011
この「さよなら妖精」の登場人物のセンドーこと太刀洗万智を主人公にその10数年後を描いたのが通称「ベルーフ」といわれる短編連作シリーズです。

ベルーフはドイツ語で「職業」「天職」を意味するということであり、ルポライターとなった太刀洗万智が各地の変死事件の謎を解き明かしていくものになります。(なので古典部シリーズや小市民シリーズのような日常ミステリーではありません。)なんか浅見光彦みたいだな…

残念ながら掲載された短編の数がまだ4編(「失礼、お見苦しいところを」「累心中」「ナイフを失われた思い出の中に」「名を刻む死」)と少ないため単行本になってないのですが、タイトルに冠した「ナイフを失われた思い出の中に」だけはミステリーアンソロジーの単行本「蝦蟇倉市事件2」(各推理作家が架空都市蝦蟇倉を舞台にした推理小説を集めたもの。)に収録されてる短編な為、読むことができます。

この「ナイフを失われた思い出の中に」は「さよなら妖精」の後日談になります。



以下は「
ナイフを失われた思い出の中に」のあらすじ
仕事で来日したイタリア企業に勤めるビジネスマン・ヨヴァノヴィチは、仕事の合間をぬってある女性に会うことになっていた。その女性太刀洗万智はルポライターとして今話題の少年による殺人事件の真相を追っている。かつて祖国でおきた戦争で好き勝手報道して荒らしまわったルポライターという職をヨヴァノヴィチは憎んでいたのだが、太刀洗はそれを承知しつつ真相解明に奔走していく。果たして彼女の真意はどこにあるのだろうか?
真相が明らかになった時、ヨヴァノヴィチは太刀洗万智の本質に行きつくことになる…



この短編連作ベルーフの主人公・太刀洗万智が初登場する「さよなら妖精」はもともと古典部シリーズとして書かれるはずだった小説であり、太刀洗は古典部シリーズの伊原摩耶花のポジションに据え付けた新キャラみたいです。(他の登場人物はホータロー・える・福部の特徴を残しています。)なんでもこの太刀洗万智は米澤穂信の一番のお気に入りキャラだということです。

「さよなら妖精」は「青春は優しいだけじゃない、痛いでもない、ほろ苦い青春群像」を標榜するアニメ「氷菓」の古典部シリーズよりも切ない結末を迎えることになり(それ故に米澤穂信の最高傑作と評価されているわけですが…)、現時点で唯一容易に読める「ナイフを失われた思い出の中に」も含めた短編連作ベルーフでは、「さよなら妖精」で「センドー」のあだ名で通していたクールビューティーがいかにしてルポライターになったか具体的になことは述べられていないようです。

今後単行本化に向けてページ数が増えていく中でその事に触れられることを期待しているわけですが、それ以上にかつて太刀洗が想いを寄せていた「さよなら妖精」の主人公である同級生・守屋(古典部シリーズのホータローに相当するキャラだと思われる。)がその後どうなったか

わたし、気になります!

ベルーフの今後の展開に期待!!早く単行本化しないかなあ~(でもこの米澤穂信って人、シリーズの新刊出すペースがメチャクチャ遅いんだよな~)
 





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