Nicotto Town


つくしのつれづれノート


新海誠アニメ

約一月前に短編連作「秒速5センチメートル」を見たのをきっかけに新海誠製作アニメにどっぷりハマっております。
新海作品はとにかくスタジオジブリなんかが問題にならないくらいの鮮やかで精密な風景作画と(透き通った風景がすごく魅力!!)、これでもかというくらいにせつないストーリーが展開するのが特徴です。
この間レンタルで出ているのでまだ観ていなかった「ほしのこえ」と「星を追う子ども」を消化し、さらにCMなどの5分以下の短編アニメーションもあらかた見たので(作品によって新海誠自身が無料動画サイトにアップしてるみたいです。)、新海アニメはほぼ制覇したと思います。(作品数が少ないから楽なんだよね。)




とりあえずまず先に「ほしのこえ」と「星を追う子ども」の紹介・感想

「ほしのこえ」(02)
・中3のミカコは宇宙軍のロボットパイロットに選抜されて両想いのノボルを残して宇宙へ旅立った。地球を離れたあともミカコとノボルは携帯電話でメールのやり取りを重ねていたのだが、宇宙艦隊が地球を離れるごとに二人のメールにかかる時間も1ヶ月、1年と次第に長くなっていき、そしてとうとう8年かかる距離まで二人は引き裂かれて行く…

・ちょっと絵は荒いもののクオリティの高い20分ちょっとのSFアニメなわけですが、
驚くべきことはこれを新海誠ほぼ一人で作り上げてしまった自主製作アニメということです。
自主製作アニメとしてあまりにハイクオリティなアニメなため、国内外問わずに話題になったそうです。
その商業ロボットアニメとほとんど変わらないクオリティに驚きましたが、
なんといっても大きな力によって両想いの二人が引き裂かれていくというせつないストーリーに惹きつかれました。SFというメッキに仕立てられてなかったら余りの切なさにマジ泣きしてしまったと思います。(もしかしたら「秒速5センチメートル」は「ほしのこえ」のリメイク的要素があるのかもしれませんね。)「ほしのこえは」この登場人物間の心の距離の変化を描くこと特徴の新海アニメの原点ともいえ、そのハイクオリティの風景描写と合わせて新海節なんて呼ばれているそうです。



「星を追う子ども」(12)
・母子家庭の小学生アスナはいつも放課後で一人山で鉱石ラジオを聞く日々を送っていたのだが、ある日その山で異世界アガルタから来たという少年シュンと出会う。仲良くなった二人は再開を約束したのだが、後日シュンは遺体となって発見された。
シュンの死に実感の湧かないアスナは「死後の世界」に興味を持ち、死者をも生き返らせることができるというシュンの故郷アガルタに旅立った。シュンと再会を果たす為に…

・現時点で新海アニメの長編の最新作であり、透き通ったような風景描写は相変わらずなのですが、作風がそれまでのアニメとは大分違ってファンタジー色がかなり強くなっています。
宮崎アニメのオマージュ作品ということで至ることにジブリアニメを彷彿とさせる要素がちりばめられています。
(飛行石みたいな青い宝石、ムスカみたいな黒メガネ、異世界の町並みとキャラクターの動き方とか…)
ただ異世界冒険ものとして作品を支えるストーリーの魅力がすごく薄いため、宮崎アニメの寄せ集めにしか見えなかったのが残念です。(ネットの感想として酷評著しいジブリアニメ「ゲド戦記」の続編みたいなものもありました。)
初めて見る新海アニメとしては正直おススメできる作品ではありませんね。




その他上記のとおり5分以内の短編アニメも一通り見たのですが、長編も合わせて全体を通して新海アニメに感じたことは「星を追う子ども」のような1時間を超える長編作品とそれ以下の短編作品(全て30分以下。「秒速5センチメートル」も各話20分程度の短編連作アニメ)とでは面白さの差が歴然としていたことです。以前記事にも書いた「雲のむこう、約束の場所」も短編を引きのばした印象が強くて中盤間延びしてちょっと退屈してました。
それに比べて短編アニメの方は各作品とも断片的なイメージを合わせたようなのが多いんですが、どの作品も凝縮された濃い内容で大変面白いんです。

この差は新海誠自身が作成する脚本の構成力が弱い結果だと思います。短編だったら断片的なイメージを組み合わせた内容でも十分濃い内容が展開できるのかもしれませんが、長編を作る際に短編と同じ手法では必然的に蛇足の多い大味な内容になってしまっているんです。
これは新海アニメにかかわらずどの作品に対しても言えることで、脚本家やストーリー製作の勉強をせずに作り上げた長編は、どこか大味になったりちぐはぐが目立って面白くないですね。
「ほしのこえ」をはじめとして新海アニメは全ての作業に自分の判断を下せるような体勢をとってるというから驚かされるんですが(メイン作業はすべて自宅でやってるというから驚きです。)、
長編作品ではその一環で脚本を自分で手掛けていることが逆に仇となっているように思います。
全て自分で手掛けるっていうのも画期的だと思うのですが、作品の骨組みとも言える脚本だけはプロに任せるかプロと共同に作った方が長編はひき立つはずです。
今度長編の新作を作る時は是非ともそうしてもらいたいですね。


まあ鮮やかな色彩と精密な作画が元々魅力的な作風だから(新海アニメは映像叙事詩的な側面が強いと思います。)、ストーリーよりも映像重視で見る分には十分満足なアニメだとも思いますけどね。
(自分はストーリー重視な為それでは満足できないわけですが…)

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2012/12/04 22:36
なぎさ様へ…この同人誌の存在は新海誠の公式サイト「Other voice」で知ったんですけど、6月頃から秋葉や新宿の同人誌販売店「COMIC ZIN」やコミケで販売されたものなのだそうです。COMIC ZINでは通販してたそうですが調べてみると購入不可となっていたから、もしかしたら売り切れてしまったかもしれません。
となるとヤフオクで出てくるのを待つことになりますね…

一応問題のイラストは以下のようになってるようです。

http://hosi10th.blog.fc2.com/
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2012/12/04 21:45
え~気になりますね♪
得意のググッテきます(´∀`*)ウフフ
楽天、アマゾンあたりかな~ww
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2012/12/04 17:53

かなで様へ…コメントありがとうございます。(^-^)
このアニメ、ロボットはせつないストーリーの為の舞台装置に過ぎないんですよね。作中宇宙に行ったミカコはずっとロボットのコックピット(外の様子がスケスケだけど…)に独りぼっちだから余計せつないんですよね。

しかしほぼ一人で作った自主製作アニメで新海監督自身もロボットアニメに対しては素人同然だというのに、あのロボットのデザインとアクションは信じられないクオリティの高さですよね。新海監督はロボットデザインの参考に「反逆のルルージュ」をちょっと見た程度だというのだから驚かされます。
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2012/12/04 17:52
なぎさ様へ…これ今の新海監督の腕でリメイクしたらせつないストーリーがさらに洗練されて絶対涙が止まらなくなりますね。(笑)
当時のレベルでも鮮やかな色彩と精密作画で構成された風景描写が健在でしたからね。それ以前にも同様の風景描写の短編ありますが、全てはこの「ほしのこえ」から始まったって印象がありますね。

今年「ほしのこえ」製作10周年っていうことで新海監督を中心にして「ほしから星へ」という同人誌を作ったのだそうです。再開したミカコとノボルの書き下ろしイラスト(16歳のミカコが宇宙軍士官となった25歳のノボルと惑星アガルタで再会するという内容になっています。)や絵コンテ、「秒速」の没ネタストーリーなど(元々独立性の強い10程の短編シリーズにするはずだったのが、劇場公開に決まって関連性のある3話の短編連作になったのだそうです。)、気になる内容が詰まった珠玉の新海グッズになってるのだそうです。まだ手に入るものならぜひ読んでみたいですね。
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2012/12/04 12:41
こんにちは。ステキお届けです♪
「ほしのこえ」は、アニメ画を見てロボットアニメだと思ってたので避けてたんですが、ノベライズ版(?)を読んでキュンとした覚えがあります。
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2012/12/04 10:23
「ほしのこえ」見られましたか♪
短いですけど、ぎゅっと詰まってて言いたいことがすごく伝わってくる作品です。

距離も離れてしまって、心も・・。なんて当たりは切なくなってしまいます。
ミカコの気持ちは年齢もそのままな純粋な気持ちなんですが、
ノボルは、成長して大人になっていってしまっている。そこのあたりのすれ違い
気持ちの変化などは、どちらにも共感してしまします。
語りで、ストーリーが進むあたりなんかも監督らしくて好きです。

「星を追う~」はみてませんが、確かに新海監督は長編むきじゃないかな・・・。
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2012/12/04 01:50
サンテ様へ…自分も「秒速~」から新海アニメ入ってますが、映像美よりも痛々しいまでにリアルなせつなさを込めたストーリーにハマりました。(あまりに感情移入し過ぎて以前容量いっぱいにブログ書いたほどです。)自分は基本ストーリー重視で、映像はすごいけど中身は空っぽというような作品は受け付けないタイプです。(特に「のぼうの城」の樋口真嗣の過去監督作品なんか…)
サンテさんはと新海誠は同郷なんですね。「ほしのこえ」「雲のむこう、約束の場所」「秒速5センチメートル」の3作品はおススメですよ~
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2012/12/04 01:21
秒速は俺もけっこうハマりましたねー。
しかしどちらかというと、脚本より映像美や演出に注目しがちでした。
同じ県の出身というよしみもあるので、ほしのこえ他これから見ていこうと思います。




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