Nicotto Town


つくしのつれづれノート


ビックリ!!新作ジブリアニメ

「コクリコ坂から」からご無沙汰だったスタジオジブリの新作が来年公開されるとういう一報が入りました。
その内容に二重にビックリ!!
なんと宮崎駿と高畑勲の二本立て同時公開になるとのこと!!

高畑勲作品は99年の「となりの山田君」(いしいひさいち原作)以来14年ぶりだし、ジブリで宮崎・高畑の長編二本立てって展開自体が「トトロ」や「ほたるの墓」以来25年ぶりなんだとか。
その内容は宮崎アニメが「風立ちぬ」、高畑アニメが竹取物語をベースにした「かぐや姫の物語」。
高畑勲に関しては水面下で「竹取物語」を舞台にしたアニメ製作をライフワークにしてたということは知ってたんですけど、(以前から平安時代の絵巻物(確か「伴大納言絵詞」)のと現代漫画の表現法の比較に関する著作とか、平安時代の「鳥獣戯画」の番組で復元アニメをプロデュースしてました。)それがいよいよ実を結ぶということなのかもしれませんね。



問題は宮崎アニメの「風立ちぬ」
ポスターには青空の中でで油絵を描く少女が描かれていますが
この物語を一言でいうと
太平洋戦争で活躍したゼロ戦生みの親である航空技術者・堀越二郎を主人公にした物語です。

これ、数年前に模型雑誌「モデルグラフィックス」で連載されていた宮崎駿の漫画なんです。私つくしはプラモ好きでもだった為この雑誌よく立ち読みしており、当時読んでたんですよね。)
宮崎駿はミリオタとしても有名で、30年近く前からこの雑誌でマニアックな軍用機・軍艦・戦車を題材にした漫画読物「宮崎駿の雑想ノート」を連載しており、
この連載の中のひとつが宮崎アニメ「紅の豚」に発展することになります。

この漫画「風立ちぬ」、連載時タイトルの隅っこに「妄想」の文字が小さく書かれていることから(「雑想ノート」の後継作品に「妄想ノート」が存在する。)、「雑草ノート」に連なる作品と思われます。
ジブリでは太平洋戦争の悲劇を描いた「ほたるの墓」(キャラ設定からして矛盾のある悲劇なんですが…)が有名なんですが、
戦前の軍事技術者をアニメの主人公にするというのはハッキリ言って前代未聞であり、未だに信じられません。

主人公・堀越二郎は上記のとおり太平洋戦争前期に無敵を誇った日本海軍の戦闘機・ゼロ戦(零式艦上戦闘機)の設計主任であり、他にも「雷電」や「烈風」など日本の軍用機のプラモを作ったことのある人なら誰もが知ってる名戦闘機を生み出しています。戦後も日本唯一の名旅客機YS-11の設計にも携わった(これについてはNHKのドキュメントシリーズ「プロジェクトX」でも扱われている。)日本航空史上最も有名な人物のひとりなんです。(この分野においては他にライト兄弟と飛行機発明を争った二宮忠八と、日本初のパイロットの徳川好敏陸軍大尉(徳川家康の一族ですよ。)しか知らない。)

漫画「風立ちぬ」はゼロ戦誕生以前の1930年代の昭和初期が舞台になっており、ゼロ戦の一世代前の戦闘機・九六式艦戦(九六式艦上戦闘機 日本の航空技術を一気に引き上げた航空機として有名。)の開発に至る頃の堀越二郎が描かれています。漫画連載中、作中に登場する九六式艦戦に至る試作機が雑誌の連動企画としてプラモ化されていたのを覚えています。

こう書くとミリタリーアニメに思われてしまいますが、漫画を当時読んだ印象としては堀越二郎が設計した試作機を草原でのびのび飛ばすような、非常にほのぼのとした作風でした。

…で、作風のキーポイントになるのがポスターに描かれた少女なのだと思います。

この少女は漫画で描かれる1930年代に発表された堀辰雄の名作小説「風立ちぬ」に登場する結核でサナトリウムを転々とするヒロインをモチーフにしており(タイトルが小説からまんま流用されているのがモロバレ。ちなみに小説は山口百恵を主演に映画化されています。)、漫画の後半では少女が結核で療養生活を送る軽井沢を舞台に堀越二郎との恋愛模様を中心に描かれていました。
漫画連載の最終回で堀辰雄の「風立ちぬ」について触れられていましたが、堀越二郎と少女の恋愛模様エピソードは小説から宮崎駿の創作みたいです。(ちなみに小説のヒロインは作者・堀辰雄の婚約者がモデルになってるそうです。)

この漫画未だ未単行本化なんですが、来年夏の公開に向けて単行本になることはほぼ確実であり、堀辰雄の「風立ちぬ」と一緒に本屋でPRされると思います。

まあ、長々書くほど個人的には楽しみな作品ですが、主人公・堀越二郎の性質からして
宮崎駿の趣味全開のあまりにマニアックすぎる題材である為、宮崎アニメで一番評価が分かれるかもしれません。
そう言えば宮崎アニメの法則的なタイトルスタイル「~の~」じゃないですね)

少なくとも戦争礼賛映画じゃないですが、連載時読んでいた印象として子供受けする内容じゃないです。

ジブリアニメとして子供が観に行ったら、「風立ちぬ」よりも高畑勲の「かぐや姫物語」の方に人気が集まるんじゃないかなあ…(高畑アニメもかなり作風に癖があるんだけども…)






ちなみに
この「風立ちぬ」の作風が原作同じなのであれば、
堀越二郎をはじめとする男キャラは全員豚を擬人化したデザインで登場します。

この動物の擬人化って、宮崎駿が手掛けた犬を擬人化させたキャラのテレビアニメ「名探偵ホームズ」に影響された「雑草ノート」シリーズでよく見られる作風なんですよね。雑草ノートシリーズではドイツ軍とソ連軍が豚・イギリス軍が犬・アメリカ軍がゴリラ(キングコングがモデル?)と擬人化されることが多く、特に豚に関しては宮崎駿の思い入れが強く、「紅の豚」をはじめ多くの宮崎アニメで登場しています。(宮崎駿の肖像も豚で描かれることが多い。)
「雑草ノート」シリーズで日本人が擬人化されることはなかった為、「風立ちぬ」で豚に擬人化されたのには連載時読んでて驚きました。(後の日独伊三国同盟の歴史背景が影響かもしれません。)

≪追記≫
ネットで出てきた映画版の際の堀越二郎のキャラデザは普通の人間みたいです。
なんか「トトロ」のサツキとメイのお父さんによく似てるように思います。

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2012/12/16 00:05
ペッチ様へ…なるほど、考えてみたらそうですよね。二本立てにしたら4時間以上になっちゃいそう…(トトロとほたるの墓の時も予想外の作品拡張になったっていいますし…)
ってことは両方とも2時間前後の長編になりそうですね。楽しみです(^-^)
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2012/12/15 23:34
俺はどっちかっていうと、高畑監督の方に興味があるんですが。
これ、同日公開であって、二本立てじゃないんですよねえ。
どうせどっちも観るんだから、同時上映にして欲しかったですよ。
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2012/12/15 22:57
ぇぁ様へ…ジブリでも「ほたるの墓」とか「ハウル」など戦争を扱ったアニメは幾つかありますけど、原作を宮崎駿自身が書いてるとはいえまさか実在の兵器を作った人物を主人公にするとは思いませんでした。技術者が主人公っていうのも珍しいし、漫画にはほとんど出てこなかったけど作った飛行機がと特攻兵器に使われちゃってるから扱いが難しいですよね。宮崎駿の腕が試されますね。

「日傘をさす女」というと子供と一緒にハッキリと顔の表情が描かれたアレですね。同じ構図のやつがもう一つあるわけでちょっと混乱しました。
モデルはモネの死別した最初の妻カミーユですけど、はかない印象が「風立ちぬ」の結核で療養してるヒロインによく似てますね。
ちなみに小説「風立ちぬ」の表紙から垣間見れるヒロインのイメージは共通してワンピースと麦わら帽子の少女であり、原作漫画のヒロインのイメージもそれを踏襲してるように見えます。
でもポスターのヒロインは原作漫画より年上っぽく見えました(笑)
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2012/12/15 22:36
なぎさ様へ…大和ミュージアム自分も行ったことありますが、カッコイイ!!という前に重々しいもを感じますね。原爆資料館と同じにおいのものを感じました。
あそこにもゼロ戦置いてありましたけど、今度のジブリ映画上映の際にゼロ戦展示してる所は「風立ちぬ」の主人公が作った戦闘機ってPRしそうですね。
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2012/12/15 11:22
アニメ発表、ニュースで見ました^^
なるほど~・・・。
この映画を見に行こうと思ったので、こういう伏線っていうか裏があるのを知って見ると
また違う印象になりそうですねっ^^

「風立ちぬ」のポスター、私にはモネの絵を参照した?というのが第一印象です・・・
(これ→クロード・モネ「日傘を差す女(左向き)」)


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2012/12/15 10:37
うんうん。でも永遠の0は、本を読むとわかる(?)んだけど、
0にも意味があるきがしました!また、私の勝手考察だけど(;´∀`)

大和ミュージアムで、人間爆弾『回天』みたとき。
ゾッとすると同時に、そこで泣いてしまいました。

あんな残酷な兵器を考え、実戦仕様してたなんて・・。
人間の考えることじゃありません!!
アバター
2012/12/14 18:19
なぎさ様へ…ゼロ戦の初飛行が1939年・実戦投入が翌1940年だから70周年や80周年とキリのいいところでやってほしいですよね。
ちなみに漫画「風立ちぬ」ではゼロ戦の前世代の戦闘機開発が中心に描かれたのでゼロ戦の映画にはならないかもしれないですね。(苦笑)

しかし「永遠の0」…ロゴのゼロを数字にしちゃってるからSF映画みたいに見えちゃってシュールです。まるで「ウルトラQ」みたい。(苦笑)
アバター
2012/12/14 09:59
そうなのか!!
ゼロ戦イヤー到来!!

主演誰だろう。
ぐぐってきますw
アバター
2012/12/14 04:12
なぎさ様へ…原作漫画は戦争ものではなく、飛行機好きの青年が戦闘機開発に携わる物語で模型雑誌の性質上試作戦闘機が前面に押し出されてたんですが、映画の方は原作の後半から登場する病弱の少女との恋愛模様が中心になると思います。元ネタの小説が悲恋的ため、恋愛面はせつなくなると思います。
映画では堀越二郎の少年時代からゼロ戦誕生をさせた頃までが描かれるみたいですが、ストーリーとしては子供受けしないと思います。
トトロやキキのようなハッキリしたハッピーエンドではなく、同時代を描いた「紅の豚」みたいなせつないラストになるのではないでしょうか。(原作の性質上「紅の豚」は兄貴分なんですよ。)


なぎささんのコメ読むまで漫画「永遠の0」を知らなかったんですけど、これも来年映画化されるそうですね。来年はゼロ戦イヤーだ!
アバター
2012/12/13 23:41
ジブリはなんとなく、ホントになんとなく子どもに見せているけど
今度は子ども向けじゃないのかな・・。

でも、最近の宮崎映画はなんか終わり方がモヤッとしてる気がします・・。
子どもむけなら、昔みたいにトトロとかしっかり舵とりして欲しい。
大人も子どももって欲張るから、最後ちょっと放り投げ状態なんだよなー。

風立ちぬもどっちか、はっきりして欲しいなぁ/)`・ω・´)

ゼロで思い出した。永遠の0はおもしろかった。泣けた;




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