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つくしのつれづれノート


ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発

08年公開の怪獣映画です。
ギララは1960年代半ばの怪獣ブーム(ウルトラマンもこのブームから誕生した。)の中で松竹が生み出した怪獣映画なのですが約40年ぶりに復活したわけです。
最近氾濫しているCG特撮を可能な限り排除した伝統的アナログ特撮にこだわった点などから、国内よりも海外で評価されている映画なんです。
しかしこの映画の高評価は特撮だけの力ではありません。

自分から言わせてもらえば
この映画は怪獣をネタにしたブラックユーモアあふれる社会風刺映画なんです。

監督は「日本以外全部沈没」の河崎実でパロディ映画だけどあまりにもあくの強いコメディに仕立てることで熱狂的なファンも多いといいます。
この映画タイトルの通り当時日本で開催されていた洞爺湖サミット(主要国首脳会議)の便乗作品として凄くドラマが安っぽいんですが、それゆえに社会風刺のパンチがきいて笑えます。



以下はあらすじ
洞爺湖サミットの最中に怪獣ギララ札幌に現れた!各国首脳がしっぽを巻いて逃げようとする中、世界の警察を自負する国のバーガー大統領が「怪獣退治で支持率アップだ!」なんて言っちゃったもんだから洞爺湖サミットが怪獣対策本部になってギララと立ち向かうことに…
日本を皮切りに次々と国の威信をかけた作戦が失敗して鼻柱をへし折られるなか、ギララを倒す為についにあの男が立ちあがった…!!




洞爺湖サミットの便乗映画な為映画の各国首脳は当時のサミットに参加した首脳がモデルとなっています。
世界の警察を自負する国のバーガー大統領はアメリカの当時の大統領・ジョージ・W・ブッシュです。こいつ9・11テロをこれ幸いになんの関係もなかったイラクの戦争を仕掛けて痛い目にあってましたよね。支持率アップのため戦争を仕掛けたんじゃないかってみんなが疑ってたわけですがそれが見事に表現されています。
他の国もその国ならではの作戦を展開して見事失敗するんですが、その中でも印象に残ったのがロシアの大統領(当時の大統領はメドベージェフ)が主導した「ポロニウム毒殺作戦」。これ当時世界中で話題になったロシアの反体制派の活動家が放射性物質ポロニウムで毒殺された事件(プーチン大統領の一派による犯行といわれている)を風刺してるわけなんですが、安っぽいコメディタッチなのに元ネタが元ネタなだけに大変ブラッキーです。
この中で一番笑えたのはフランス大統領。当時のサルコジ大統領の女性関係が派手なことを風刺して、怪獣退治そっちのけでサミットの通訳の女の子とベッドイン。クライマックスで真っ裸のままサミット会場に突入してピンチを救うことになります(笑)


他にも小泉元総理や喜び組の美女を侍らせた北の独裁者(あ、全然ぼかされてない(笑))が登場することになりますが、
一番気になるのは映画で風刺された日本の総理大臣が誰かということ

映画上映時にはすでに麻生太郎に変わっていましたが
ズバリ安倍晋三です。

作中で安倍さんを風刺した「美しい国」を伊部三蔵総理は真っ先にギララに向かってミサイルを発射ししますが失敗して各国から失笑を買い(しかもミサイルボタンはいとも簡単にアメリカ大統領に明け渡してしまう有様。安倍さんというよりも現在の日本の有様がわかりうあすく風刺されていますね。)、
お腹をこわして退場してしまうんですよね。(苦笑)

前の総理時代の衆議院選挙で大敗した後にお腹をこわし、結局それが元で総理を辞職してしまったわけで…
作中ではほとぼりが冷めてから再登場して「都合のいい腹だな」と揶揄されてるんですが、映画公開時には安倍内閣が存在してなかったわけだから、何とも皮肉ですよね。(苦笑)


その安倍晋三は現在自民党総裁であり、きょう投票の衆議院選挙で過半数以上の300を獲得して総理に返り咲く可能性が非常に高い様相となっています。
よしんば総理に返り咲いても、この間みたいに簡単にお腹壊しての辞職だけはしないでほしいものですね(笑)





ちなみにあらすじで書いたあの人は現在世界中で高い評価を受けているコマネチな映画監督です。(笑)まさかあのような格好で怪獣ギララと戦うことになろうとは思いもよりませんでした。
兎にも角にも怪獣映画うんぬん以前にブラックユーモアあふれる社会風刺映画としてマジおススメです。
っていうかネタが時事ネタばっかだっただけに公開時観に行けばよかった~!!(泣)





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