Nicotto Town


つくしのつれづれノート


パヤオの引退宣言

ジブリの宮崎駿監督の引退宣言が今朝の新聞の一面を大きく飾って騒然となっています。
なんでも引退宣言を受けて今週の金曜ロードショーで「紅の豚」(現在上映中の「風立ちぬ」と同じ1930年代のイタリアが舞台)を緊急放送するのだとか…
97年の「もののけ姫」以降、毎度のごとく「この映画で最後」とほのめかす発言を繰り返してきたので、半ばアニメ「銀魂」で名高い「終わる終わる詐欺」(毎年静ん終わる頃に最終回をほのめかしてそれを裏切って続けるというアレwww)に近い印象を持っていたのですが、どうも今回はどうも本気らしい…
引退宣言の発表が只今上映中の「風立ちぬ」の上映先のベネチア国際映画祭の多舞台での記者会見なので、これまでと違って実感がわいてきます。

パヤオも御年72歳。
思い返してみれば「風立ちぬ」の関連番組でも昔と違って自らの画力が落ちたとか、いままでどおりのファンタジー系の作品を作りづらくなったというインタビューがやたら目についたので、本気で引退を考えていた素振りはあったといえばあったわけですが…
いざニュースを目の当たりにするとやはり驚きます。(パヤオ本人によると10年前がピークだったとのこと。個人的にパヤオの集大成は「もののけ姫」だと思ってます。最高傑作は「ラピュタ」ですね。)


ニュースによっては長編監督業からの引退というニュアンスの記事もあるので、今後のジブリ長編アニメ映画のバックアップ(プロデュース)とか、「メイとこねこバス」(事実上のトトロの続編。)のような三鷹の森ジブリ美術館で公開してる短編アニメの監督を続けたりするのかもしれません。



ただ気になるのがパヤオとジブリの二枚看板を成してきた高畑勲
今月中旬に高畑監督のジブリ作品「かぐや姫の物語」が封切られるわけですが、
もしかしたら高畑監督もこれが事実上の引退作品になるんじゃないかと思っていたりしてます。
なんたってパヤオよりも年上だし、「竹取物語」のアニメ化をライフワークにしてるということを長いこと発言し続けていたわけだし…







しかし二枚看板が引退した後スタジオジブリはいったいどうなってしまうのでしょうか…
「アリエッティ」や「コクリコ坂から」などジブリがそれまで築いてきたブランド力でパヤオ以外の若手監督の長編アニメ映画も大ヒットしてるわけなんですが、
オリジナルアニメとしてのクオリティを他の製作元のアニメと比らべると、大差無く感じます。以前小規模公開から始まった細田守の「時をかける少女」が同時期公開のジブリ作品「ゲド戦記」を事実上屠ってしまった例もありますし…
ジブリ発足当初は日本アニメをけん引する存在だったわけですが(ジブリの名称は軍用機につけられてた「砂嵐」を意味する「ギブリ」から採られており、アニメ業界に旋風を巻き起こす意気込みが伝わってきます。)
内容に関してはすでに群雄割拠状態
これでブランド力のハンデがなかったらいつジブリアニメが討ち負かされてもおかしくないと思います。

ジブリの最大の悩みはパヤオや高畑勲の後ジブリをけん引していく決定的な後継者がいないこと。
実を言うと95年のジブリ作品「耳をすませば」の監督を務めたジブリのアニメーター近藤喜文が実質的なジブリの後継者とみなされてたのですが、この人は作画監督を務めた「もののけ姫」公開の翌年急死。
ここからジブリの迷走が始まったとも言われています。(近藤喜文が存命なら今のジブリとは違った方向に向かってたかもしれないし、パヤオの引退ももっと早かったかもしれませんね。)

個人的には「ハウルの動く城」以降のジブリ作品は絵柄などの作風が膠着している感じであり、「ゲド戦記」や「アリエッティ」などの新人監督のファンタジーがパヤオ作品の劣化コピーにしか見えなくなることがあります。
パヤオの影響力があまりにも強すぎる現在のジブリ状態を、パヤオの引退によって若返らせるチャンスとも言えるのですが…(実際元々細田守が監督するはずだった「ハウルの動く城」の製作を「千と千尋の神隠し」の製作によってぞんざいにされて降板に至ったというエピソードがある。)



でも下手すれば求心力を失ってジブリが消滅してしまうことだってあるかもしれません。
引き合い自分がによく出す例が石原プロ
今も渡徹也・舘ほろし・神田正輝なんかが存在感を見せていますが、「太陽にほえろ」や「西部警察」が放送していた石原裕次郎存命時の勢いはもはやありません。彼らが引退してしまった後、石原プロがあんたであり続けるとは現時点でとても思えません。


そういえば最近DSとかのゲームソフト「二の国」のキャラデザをアニメ映画オンリーのイメージの強かったジブリが担当したことがあり、非常に驚きました。(それ以前もCM用短編アニメをいくつか作ってるみたいですが…)
もしかしたらこれまでのジブリの方針の大転換を試みようとしてるのかもしれません。

できれば可能な限りこれからもアニメといったらジブリっていうイメージを保ち続けてほしいと強く願ってやまないのですが…

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2013/09/05 21:40
三田川様へ…なるほど~最近のジブリの新人監督はゴロー意外印象が薄かったので思い浮かびませんでした…(ゴローの場合絵が描けないのにアニメ監督と悪評が多いのですが…)

パヤオが後継者を作れないというよりも巨匠を祭り上げられる人全体がそういう感じになってしまうような気もします。
大物すぎるということで、好むと好まざるにかかわらず後続が委縮してしまうだうから…
なので後続が育つ環境をつくる為に引退するのも手段の一つですよね。ジブリの場合その時期が適切だったかどうか気になりますが…(もしかしたらもう手遅れだったりして…)
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2013/09/05 20:02
マロとは、米林宏昌(アリエッティの監督)の愛称です。麻呂とかまろとかマロとか呼ばれています。
アリエッティ公開当時の雑誌に、マロと鈴木Pと宮さんが三人個別で渋谷陽一のインタビューを受けていたのですが、それが本当に最高でした。宮崎駿という人間がいかに後継を作れない人間なのかということが、ありありと、明確に、手に取るように分かりました。(笑)
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2013/09/05 19:36
三田川様へ…コメント感謝です。ジブリの作画レベルは今でも絶技といっていいんですが、ストーリーを作る司令塔が宮崎・高畑両監督の他は皆無な印象なんですよね。押井守なんかは両監督やジブリを書記長・KGBなどソ連に例えたりしてますが、やっぱ両監督(特にパヤオ)の影響力が絶大すぎて好むと好まざるにかかわらず後続を押さえつけてしまってる状態であるなら案外的を得ているかもしれませんね。
そういう意味では自らが退くことによってジブリを若返らせてさらなる飛躍をさせようと考えているのかもしれないですね。
ちなみにマロというのは宮崎吾朗のことですか?
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2013/09/04 23:29
はじめまして。記事を興味深く拝見させていただきました。
宮崎監督引退後のジブリの行く末は自分も大変興味があります。今まで鈴木Pは言葉巧みに宮崎監督に仕事をさせ続けてきたわけですが、本当にもうそれも限界なわけで、今後どう戦略を立てていくのだろうなぁと。ジブリの特殊性と後継者を育てられてないことについては今まで散々押井監督が横から口出ししていましたけど、こうなった以上、今後はやっぱりマロで行くのでしょうかね。
風立ちぬの特集で久々に宮崎監督を見ました。今までと違って今回は、あまりに激しく擦り切れるような消耗の仕方をしているのが見て取れて、その代償の大きさと苦痛を想像して私はそれだけで泣けてきました。今後は道楽としてのものづくりをして好きに生きて欲しいです。
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2013/09/03 20:47
みのりんへ…引き際も肝心だとは思いますが、パヤオの引退はジブリにとって破滅的に大きいですよね。
なんかジブリが傾きだしたら再びパヤオが老骨に鞭打って長編アニメの監督業を裁可しそうな気しますが…

パヤオの生涯現役希望はもちろんなんですが、パヤオに代わるジブリの新しい看板監督誕生も説に願いたいところですね。
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2013/09/03 18:51
なんてことでしょう!!今までも何度かあった引退ほのめかし~が実際のものになってしまうのかな。
なんていうか、宮崎駿監督には生涯現役!!であってほしいという勝手な思い込みみたいなものがあって
今回も今回も・・・今回もどうかウソか悪い冗談であって欲しいと願わずにいられないです。
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2013/09/03 17:32
奈柚様へ…すぐに無くなるほどやわなものではないとは思います。(ジブリは日本の最優良ブランドと呼ばれてますからね。)
しかし宮崎・高畑後何もしないまま今の路線を突き進んだら求心力が落ちて消滅してしまってもおかしくはないと思います。
宮崎・高畑だってテレビアニメ制作をしていたのだから、ジブリだってテレビアニメ制作してみたってべつに恥ではなく、むしろさらなる飛躍につながるかもしれません。
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2013/09/03 17:18
ジブリなくなっちゃうんかも?
そかー 後継者が出来なかったんなら仕方ないかな
ジブリも普通の アニメ制作会社になるんかな~




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