パヤオ引退宣言騒動の余波を受けて緊急放送した「紅の豚」。

この映画は１９８０年代からパヤオが模型雑誌に掲載していた兵器関連の漫画・読物「宮崎駿の雑草ノート」シリーズ（これについては後日記事にします）の「飛行艇時代」を原作にした映画です。
本来旅客機上映用の短編にするつもりがどんどん膨らんで劇場長編アニメに成長したとのこと。
まさに兵器マニアのパヤオの趣味丸出しの映画ということで、この映画に対するパヤオのコメントはかなり深くめいたものが目立ち、あまり芳しくありません。
にもかかわらず今回再び趣味丸出しの雑草シリーズから「風立ちぬ」（正式には雑草～の続編「妄想ノート」に関連した「妄想カムバック」と原作に表記されている。単行本化しないかなあ…）を映画化したのを見ると、
「風立ちぬ」の映画化が決まった時点から、引退を決意していたのでしょうね。


…で話を戻して「紅の豚」
まあもう何度もしつこくテレビ放送しているので今更感想書くのもどうかと思うのですが、一番印象的な場面が、
ポルコの第一次大戦の回想。

ポルコが空で目撃した飛行機と戦死パイロットの墓場が「風立ちぬ」のラストに登場してるんですよね。
（「風立ちぬ」のラストに登場したゼロ戦の編隊が同様の飛行機の墓場に吸い込まれるように上昇していくんです。）

「紅の豚」にしても「風立ちぬ」も戦争という過酷な現実に係わった人間を描いたアニメ（違いはそれが過去に経験したか只今体感中かという違い。描かれている時代は同じ１９３０年代）ということでせつないですよね。
ポルコなんかは凄まじい大戦で沢山の戦友の死や戦争の理不尽さを見ていることが原因で人間に嫌気がさして自ら豚になってますから…

ちなみにラストでポルコはフィオのキスで人間に戻り、そのまま皆の前から姿を消したかのような終わり方をしてますが、（あの切ない加藤登紀子のＥＤテーマでどうしてもそう思い込んでいました。）
パヤオによるとすぐに豚に戻って、１０日もしないうちにジーナの店で何食わぬ顔で飯を喰らってるとのことｗｗｗ

その証拠にラストのフィオの語りの内のフィオが飛行艇で見降ろしたジーナの店の裏庭に
よく観るとちゃっかりポルコの飛行艇が留ってるのが確認できるわけで…
（プライベートの裏庭に留ってるとなると、もしやポルコとジーナの関係が進展したのか!?わたし気になります!ｂｙ千反田える）

今日その事実を知り大ショック!!


知らない方が幸せだったなあ…コレ
（あの破廉恥で怠惰なブタ野郎…）

俺の感動を返せ!!ｗｗｗ



















なお「紅の豚」に登場する後期のほとんどが当時の実在の航空機を元にしており、ポルコ・カーチス・戦友フェラーリンの飛行艇は１９２０年代の水上機レースであるシュナイダー・トロフィー・レースの参加機体が元になっています。作中にも言及されています。特にカーチスの水上機で同レースを優勝した米国パイロット・ドゥーリットルは映画「パール・ハーバー」のラストで描かれた最初の日本爆撃・ドゥーリットル空襲（空母から重爆撃機を飛ばして東京を爆撃した）の指揮官だったので大変驚きました。（ドゥーリットルは最終的に空軍大将になる。カーチス機を乗り回してた時は中尉）

ちなみにそのＷＷⅡ時には偵察機や戦闘機に輸送機など各国で様々なジャンルの水上機が登場するのですが、
その中で特に傑出した水上機を輩出した国が意外にも日本だったりします。

当時の日本は占領した島嶼防衛のための水上機研究が世界的にも盛んだったそうで、二式水上戦闘機（ゼロ戦の水上機バージョン）・大型飛行艇の二式大艇がとくに有名です。
特に二式大艇はＷＷⅡ時代世界最高の大型飛行艇であり、
今年に太平洋上横断中に遭難した震災復興ＰＲヨット（クジラと衝突して沈没）の岩本光弘さんと辛坊治郎さんを救助して話題になった海自の大型飛行艇ＵＳ-２の祖先に当たります。