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つくしのつれづれノート


大河ドラマオープニング 映像編

オープニング(以後OPと略)は番組全体の興味を引くための顔といってもいい存在であり、作品によってはOPだけでお腹いっぱいになるものもあります。実際大河OPのみを集めたDVDというものも存在します。(全二巻。最近龍馬伝までの作品が追加されリニューアルしました。自分も84年「山河燃ゆ」~02年「利家とまつ」までのリニューアル以前の下巻を持ってます。)
…ということで今回は大河OPです。

…といっても実を言うと大河ドラマのOPについては、最初の20年ちょっとは単調であまり面白くありません。(その中で印象的だったのは江戸時代の最大のお家騒動ともいうべき伊達騒動を描いた70年「樅の木は残った」で竹林の映像に何度も能面の映像が挿入されるという趣向で、単調ながらもOPを見て泣き出した子供の沢山いるとか…他だと73年「国盗り物語」)昔は中身勝負ってことなのでしょうね。

自分の知る限り大河ドラマのOPが飛躍的に魅力的になったのは87年「独眼竜政宗」からだと思います(スモークとレーザービームのトンネルの中を甲冑姿の伊達政宗をはじめとする甲冑武将が展開していきます。しかも政宗以外の武将の甲冑は皆本物だとか…)ここを境にOPが飛躍的に凝ってくるようになります。

自分の好きなOPもこの政宗以降に集中しています。そのベスト5がこちら


5 91年「太平記」…平安鎌倉期の甲冑姿の坂東武士団(足利軍なのでしょう。)が馬に乗って集団で駆け回るという趣向で迫力あり。冒頭に出てくる炎をバックにした烏天狗の面は「太平記」のシンボルともいえます。

4 88年「武田信玄」…上記の「太平記」OPの元ネタともいえ、赤備の武田騎馬隊が駆ける姿を軍旗「風林火山」をモチーフに描きます。大まかに言うと
風…荒塵の吹きすさぶ風の中を騎馬隊が駆ける
林…森を切り開いた大きな道を騎馬隊が進む様子を上空から撮影
火…走る騎馬隊の背後で次々と炎が爆発!!
山…騎馬隊は登場せず、甲斐から見える日本アルプスと富士山(山梨の外では裏富士というそうです。)を映して了
特に「火」の部分、最近放送された大河50周年の特番でメイキングが放送されたのですが、爆発の炎から逃れようと必死に騎馬隊が走ってました。(笑)(でも最後尾火がかかってるような気が…)
CGがまだ日本では実用化されてない時代の100%実写であり、実写だけならこれを超えるOPは他にないと思います。

3 96年「秀吉」…火球と一体化したした少年秀吉が力強く田園風景を駆け、後半は桃山時代の名品が秀吉の甲冑のバックに展開して、ラストは桃山期の書院広間を秀吉が駆けた後、田園風景に戻っていくという演出。この前年の「八代将軍吉宗」から本格的なCGが使われていくのですが、CGと実写をうまく組み合わせた本作はストーリーと見事にマッチしており、大変面白いです。
ちなみにこのOP、演出家が同じなためか今年の12年「平清盛」何となくかぶってるような気が…

2 06年「功名が辻」…夫婦のきずなを表す糸が力強く進んでいく様をフルCGで描き、途中鮮やかな桃山文化を連想させる絵柄が登場し(立派な馬。松・梅などの植物の絵。後半蒔絵の植物が風でゆられて野原のようになっている演出に惚れ込みました。最後に高知の城下町の古地図が展開したのち高知城天守のシルエットを糸が一回りして終わり。)、「功名が辻」の世界観と見事にマッチしています。
初回放送のときにこのOPを観て一目ぼれし、録画してたビデオでその部分だけ何十回も再生して観たのを今でも覚えています。


そして一番はコレ!
1 「北条時宗」…石碑に刻まれたモンゴル文字は大ハーンクビライが倒したライバルの名で、その真ん中にクビライが倒せなかった北条時宗の名が大きく映るタイトル表示・草原を走るモンゴル騎兵・海に沈んだジャンク船・海から襲来する元(モンゴルのが宋を滅ぼした後に変更した国号)の船団・ヨーロッパから日本までモンゴル軍が踏破したユーラシア大陸をフルCGで表現し、その迫力は他の追随を許さないと思います。
これは時宗が思い描く大陸への夢や憧れを表現したものなのだそうです。
このうち海から襲来する元の大軍シーンには3パターンあり、
1・元の使者を乗せた一隻の船
2・日本へ襲来する元軍のたくさんの船団
3・神風の嵐によって沈みゆく元の船団
がストーリーの展開と共に変わっていくのが当時話題になりました。とにかく凄いの一言に尽きます!!
…がこのOPがあまりにスゴすぎるため本編の方がチャッチく見えてしまい(元々ドラマ自体に批判が多いわけですが…)、ここで「北条時宗」1番にしたのは皮肉という他ありません。



みなさんの好きな大河OPはなんですか?





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