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つくしのつれづれノート


スチームパイレーツ ㊙明治海賊征伐記あらすじ3

時は明治、海賊船となって東南アジア近海を荒らしまわっている日本軍艦・畝傍を征伐するべく出動した日本秘密艦隊だったが、返り討ちに遭い敗北してしまった。海賊の正体が明らかになって明治日本の存亡がいよいよヤバくなる中、新たに3隻の日本軍艦が応援に駆け付ける。
再編成された秘密艦隊4(浪速(旗艦)・金剛・比叡・千代田)は、再び海賊船・畝傍を相手に勝負を挑む!!
(
えー、間があいてしまったのでまたあらすじのあらすじから…)






ところ変わってここはマラッカ海峡から外れたスマトラ島沿岸にあるとある孤島。海上交通の要所であるマラッカ海峡の航路腹外れており、驚くほど人気が少ない。
この海域を海賊船・畝傍は拠点にしている。
夜間の襲撃を警戒して畝傍はいつでも動けるようにボイラーの火は落とさず停泊している。


海賊船となった軍艦・畝傍を中心的に動かしているのは、この畝傍をフランスから日本へ回航した乗組員だった日本海軍の将兵たちであった。反乱を指揮した首謀者の海軍将校が海賊船の船長を務めている。
彼らは皆幕末・維新の動乱で没落した士族の出身であった。

…明治維新は幕末の黒船来航に始まる列強諸国の日本進出を脅威に感じた武士たちによる革命であったと言っても過言ではない。
その武士たちの命と財産を犠牲にして誕生した明治新政府が始めたのが彼らが掲げた「攘夷」の理想とは正反対の文明開化の西洋化であり、大恩のあるはずの彼ら武士たちにしたのが、「廃藩置県」や「秩禄処分」など、いわゆる武士の総リストラであった。(そのため倒幕以上に重大な革命だったとも言われる。)
なんのための維新だったのか…
当時の武士は誰もがそう思ったに違いない。
その為、反発した彼ら士族達はこぞって反乱を引き起こしたのだが、そのすべてが新政府によって鎮圧され、実質武士は滅び日本は西洋近代化を加速させる。
しかし、それで士族たちの怨念が断たれたわけではなかった。その想いは新政府の軍隊の将兵となった士族の中にも少なからず存在したのである。
海賊船・畝傍の船長はその怨念を持った海軍将兵をとりまとめて、彼らに同情的な士族出身の海軍上層部の人間を動かして新鋭巡洋艦・畝傍の乗員として集結して、反乱で畝傍を乗っ取ったのである。

しかし、反乱が成功したとはいえ海賊船となった畝傍はもはや孤軍であり、艦を乗っ取った側からみてもいずれどこかの国の軍隊に鎮圧されるということは誰の目にも明らかであった。

(とりあえず畝傍の燃料の石炭・食糧は海賊活動で調達、足りない乗員は現地から同志を募っているという設定である。)


海賊船・畝傍はいずれ滅ぼされることを覚悟しながら捨て身同然にマラッカ海峡を暴れまわり、自らの犠牲を以ってかつて武士たちがスローガンに掲げた「攘夷」を東南アジア中に広げようとしたのである…





「敵襲!複数艦船が畝傍に向かい進撃中!!」
夜明け方のことである。停泊していた海賊船・畝傍のマストの見張りの声の張った報告で就寝していた乗組員が全員飛び起きた。
徐々に空が明るくなっていた東の海のむこうから畝傍に向かってくる複数の船の煙突から発せられた煙を発見したのだ。
航路から外れたこの海にいる畝傍に向かって迷わず直進しているのをを見れば、相手が敵襲の意思を持っていることは誰の目にも明らかだった。
「直ちに発進、戦闘態勢!!」
海賊船・畝傍は動き出した。
船内が緊迫しあわただしくなる中、マスト上の見張りから畝傍・船長に新たな報告が入る。
「艦影3、陣形は単縦陣(縦一直線の陣形)敵艦の軍艦旗は旭日旗!日本艦隊です!!。」
それを聞いた畝傍・船長は手持ちの双眼鏡で敵艦隊を確認する。先頭の旗艦はこの間砲火を交えた巡洋艦・浪速である。
「敵は本気だ…」
後ろに二艦は旧式ながらも前回の海戦で叩いた二艦より強力な金剛・比叡であるのを見るに、敵・日本艦隊は新たに艦隊を再編成して本気でこの畝傍を沈みにかかろうという気迫が見てとれた。
敵艦隊は前回と同じく単縦陣を丸めて畝傍を包囲して集中砲火を浴びせるつもりらしい。
前回と同じ戦法だが敵側だってバカではない。恐らく海戦を避けて逃走を図ろうものなら畝傍と同等の速力・攻撃力の敵艦隊旗艦・浪速が単艦で追尾し砲火を交えに挑むであろう…
そう考えた畝傍・船長は命令を下す。
「速力最大!単縦陣の横っ腹に突っ込む。」
後続の旧式艦に集中砲火を浴びせて陣形を崩し、足並みの乱れたところを逃走する作戦である。
「砲戦準備!!」
海賊船畝傍は敵艦隊二番艦・金剛に向け砲を構え、敵艦隊も畝傍の見える左舷の全砲門開き集中砲火を浴びせんと体勢を整える。


元日本軍艦の海賊船・畝傍と東郷平八郎率いる日本秘密艦隊。
間もなく日が昇り夜が明けようとしている南国の海を舞台に、それぞれの運命をかけた最後の決戦が今始まろうとしている…!!





















≪えー、いざ書いてみたら字数オーバーしたのであらすじその4へ続きます。次こそ完結です!!≫





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