Nicotto Town


つくしのつれづれノート


兄妹の禁断の恋を描いた「恋風」

「恋風」は吉田基己という漫画家さんの書いた恋愛もので、10年近く前の04年にアニメにもなった作品です。
恋風というからに清純な純愛ものをイメージすると思いますがふたを開けてみれば

実の兄妹の禁断の恋愛ものです。

あだち充「みゆき」のような義理の兄妹ものやラノベ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」「
お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ」(最近のラノベのタイトルの長さには呆れかえってしまう。)のような茶化したラブコメディではなく、
ガチで血の繋がった兄妹の近親愛
ほのぼのとした作風でシリアスに禁断の恋にハマって苦悩する様が描かれています。




…細かい能書きはさておき簡単なあらすじと登場人物ははこちら

付き合ってる彼女と別れた翌日耕四郎は、同じく失恋の傷を抱えた女子高生と交流した。(失恋の傷をなめ合ったわけで)
その翌日その女子高生が、耕太郎と同居することになる12歳年の離れた妹七夏だということを思い知らされる。
以来耕四郎は兄弟と知らずに心の傷をなめ合った七夏へ惹かれる心とそれを自己嫌悪するジレンマに悩みながら過ごすことになるのだが、そこへ七夏が兄・耕四郎に恋愛感情を抱いたことから、禁断の恋への苦悩はさらなる深みにハマっていき…


登場人物
・佐伯耕四郎…結婚相談所勤務の27歳。母親と離婚した父と二人暮らししていたところになのかが同居することになる。恋愛と成長した妹・七夏とのファーストコンタクトによるトラウマから猜疑心・苛立ち・自己嫌悪で作中終始苦悩する。
体格がクマのようなガチムチな為pixivのような投稿イラストサイトではホモのガチムチのイラストばかりなのが不憫でならないwww

・小日向七夏…15歳 両親の離婚で耕四郎とは10年以上面識がなかったのだが、高校通学の為耕四郎と同居することになる。
顔の知らぬ兄への憧れからくる行動で耕四郎と衝突することがあるが、不器用ながらも七夏を理解してくれる優しさに惹かれていき、それを恋と自覚してからアプローチをかけていくことになる。それが耕四郎をさらなる苦悩のどん底へ落し込んでいくことに…





耕四郎と七夏の生き別れ状態になった兄弟の近親愛のケースはジェネティック・セクシュアル・アトラクション(GSA)というそうで、おなじGSAの禁断の兄妹愛を描いた作品に、北川みゆきの少女漫画「罪に濡れたふたり」(略して「罪ふた」。なんと「空想科学読本」で紹介されており、わたしミカサはそこに影響されてこの漫画読みましたwww)があります。
ただ初めから近親相姦状態になってそこから身内間でのドロドロの愛憎劇が繰り広げられた「罪ふた」とは対照的に、
性的描写はほとんどありませんが、シリアスながらも禁断の恋にハマっていく様子が現実かつ真剣に描かれている為、
大変リアルで生々しいです。

この現実的に描いた禁断の恋が大変切なく展開するため、漫画の評価もすこぶる高いみたいです。アマゾンの書評をみるとよくわかると思います。


10年前にアニメになった際も原作の禁断の恋の生々しさを描く為に、先にセリフ録りした後でアニメを作っていくプレスコの手法をとっており、アニメ版「恋風」はジブリアニメの「おもひでぽろぽろ」や「耳をすませば」のようにリアルに感じます。(アニメ「恋風」についてはよくジブリっぽいアニメと感想を目にします。内容はジブリが絶対しなさそうなジャンルなのにwww)

ちなみにアニメ「恋風」放送当時まだ原作がまだ連載中だった為に後半の展開がやや違いますが、それでも原作のイメージを損ねることなく完結しており、原作共々非常に考えさせられる内容で大変面白いです。



最近はBPOが問題にしたことで話題になっている「最近、妹の様子がちょっとおかしいんだが」のように、性的描写の露骨な深夜アニメが結構目立っていますが、そんな直接的なエロ描写で茶化したアニメよりも、ストイックながらも禁断の兄妹愛を生々しく展開させた「恋風」の方が内容的にヤバいような気がします。
(露骨なエロ描写よりもストイックでも雰囲気で背徳感を突き詰めていく内容の方が見てはいけないものを見てるようでドキドキ感が半端ないです。)

いずれにしても今は「恋風」のようなストレートに実の兄妹の禁断の恋を描いたアニメはテレビで放送できないでしょうね…






…でこのほぼストイックな兄妹愛の「恋風」の原作者・吉田基己は只今ものすごいコアな肉体関係を展開する画学生と年上の和服美人のせつない恋愛模様を描いた「夏の前日」を連載中です。性描写については相当エロいことやっているのですが、ストーリーと絵がものすごく綺麗なので、スケベ心抜きでドつぼにハマる恋愛漫画としておススメです。
連載の方はいよいよ佳境に入ってるようなので、果たして二人の関係がどのような結末を迎えるか気が気でなりません。
新巻の登場が待ち遠しいなあ…



なお「恋風」も10年近く前のマンガなのでブックオフへ行けば100円の棚に結構置いてありますよ。
共に講談社。
「恋風」はイブニングKCで全5巻
アニメ版のDVDもTUTAYAでそれなりに置いてあるみたいです。
「夏の前日」はgood!afternoonレーベルで4巻まで出ています。

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2014/03/20 15:07
クレア様へ…そうですね。ふつうの関係で接すべきという理性と兄妹の枠を超えて禁断の恋へ走りたいという欲望の板挟みになってどん底を味わう様がすごくリアルです。
「恋風」に限らないと思いますがこの手の作品の恋愛って禁断の恋なんだけどスゴイ純粋なんですよね。

公言したら当人だけでなく周囲も不幸に陥れてしまう禁断の恋…
それ故に繊細に描けば描くほど惹きつかれる内容になるんだと思います。
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2014/03/20 00:31
妻夫木君と長澤まさみちゃんのなだそうそうが思い浮かびましたが、こちらは血のつながらない兄妹なのに
ストイックでした。でもよくあるお話ですよね。
いくら他人として生きてきたとしても、血がつながっていることを知ったら普通は引くと思うのですが
どんどん惹かれてしまうというのは純粋すぎるからですか・・・・?背筋がゾクゾク・・・w
兄弟を異性として意識する。当人同士は胃が痛いのでしょうね・・・・^^;っていうか狂いそう・・・^^;

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2014/03/19 23:33
saki様へ…エロ漫画である様な近親相姦しまくりの内容とは違い、実際に起こりそうなリアルで生々しい近親愛に対する葛藤と苦悩を生々しい描写で描いてるということで、他の近親恋愛を描いた作品とは一線を画しており、作品としての評価もすこぶる高いということです。
場の空気描写もほのぼのとした絵なのに張り詰めた緊張感なんかが展開されるのでスゴイですよ。
見てはいけないもの男の側からみればスゴイ冷や汗混じりでドキドキする場面があるんですよね。

吉田基己の作品はホントに作中の場の空気の描写は繊細で大好きです。たとえ18禁の作品を描こうともとも読みたいと思うくらい綺麗な絵を描く漫画家さんです。
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2014/03/19 23:23
家主(≡▽≡)Z様へ…同じ性描写でも描写次第で露骨なエロ描写がかすむほど、ストーリーが昇華されるものあるので侮れません。「夏の前日」なんかは実在の巨匠サルバドール・ダリとその妻ガラを彷彿させる芸術家の恋愛その持って感じで読んでいて素敵に感じます。

最近のアニメはエロ描写を入れる製作側もそれを規制する側も過敏に反応し過ぎて悪循環に陥ってるような気がして不快に感じます。(最近のニュースでは「ドラえもん」のしずかちゃんのパンチラ・入浴シーンも規制されるというものがあった。)
双方歩み寄ってそれぞれ自粛しないといずれ強権で検閲屋弾圧を行うどっかの圧政国家みたいになることだってあり得るでしょう。
双方とも倫理観が欠如してやりたい放題なのが今の世の中なのだと思います。
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2014/03/19 23:09
ほおおおお…
なんだか見てはいけないもののような空気がただよいますね。
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2014/03/19 22:57
今は「深夜アニメ」枠があるので、そこで放映可かもしれませんね^^

個人的には、エロ描写というのは観る側の練度を問われると思っています。
本当に真面目に克明にエロを描くと、文学的になりますよね^^
「恋風」という作品は未読ですが、最初に他人として恋愛感情を抱いてしまったがために苦悩するというのはすごく考えさせられます。
特に漫画の規制などでは、描写の有無より描き方、世界観を重視して欲しいものです。




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