Nicotto Town


つくしのつれづれノート


キングコング対ゴジラ

1962年公開のゴジラ映画第三作であり、1955年の第二作「ゴジラの逆襲」以来7年ぶりのゴジラ復帰作。
しかも対戦相手はあの偉大なるハリウッドのスター怪獣キングコング!!

聞くところによるとこの映画の発端は33年の「キングコング」の生みの親である特撮監督・ウィリス・オブライエンが企画したキングコングの対決だそうで、自身が製作するつもりだったの本人の預かり知らぬところで企画が日本の映画会社の東宝に売り飛ばされて本作に至るという複雑な経緯があるそうです。
ちなみにこの企画の為に東宝がキングコングの5年分の出演権を勝ち取ったわけですが、
その費用はなんと8000万円!!
現在の貨幣価値に換算しても軽く20億円以上というとんでもない金額だったそうです。(当時の映画3本分の製作費だとか…)

そんな経緯で製作された「キングコング対ゴジラ」は、7年ぶりのゴジラ映画でしかも日米怪獣対決という夢のタイトルマッチという映画のタイトルだけでも非常にインパクトがあり、
結果として観客動員数1255万人!!
莫大なキングコング出演料の元をとるどころか、当時の日本映画の観客動員数歴代二位を保持していたゴジラ映画史上最大のヒット作なのです!!

(ちなみにここ20年あたりで観客動員数1000万を超える邦画ヒット作というと
・「千と千尋の神隠し」(01年)…2200万人
・「ハウルの動く城」(04年)…1500万人
・「もののけ姫」(97年)…1420万人
とパヤオのジブリ映画3作と
・「踊る大捜査線 THE MOVIE2」(03年)…1200万人
…と数えるほどしかない。しかしTVやインターネット普及の現在でこのヒットは当時の映画のヒットよりスゴイことですよね。ちなみに当時「キングコング対ゴジラ」を凌ぐ観客動員数1位を記録した映画は
・「明治天皇と日露大戦争」(57年)…2000万人
であり、なんと上記の「千と千尋の神隠し」が登場するまで44年間邦画の頂点に君臨していました。(ちなみに実写邦画では未だにトップ))




それではまずはあらすじ

時はテレビが普及し始める60年代初頭
パシフィック製薬の自社提供番組「世界驚異シリーズ」は視聴率5%と打ち切り寸前www(まるでお昼の「バイキング」みたいですなぁwww作中当時は聴取率と呼んでいた。)
番組のスポンサーのタコ部長(有島一郎)は低視聴率打開のテコ入れとして南太平洋ソロモン諸島に出現するといわれる「巨大なる魔神」を探しに、テレビマン二人(高島忠夫・藤木悠)を野次喜多道中さながらに送り込む。(「イッテQ」の珍獣ハンターイモトよりひでぇ扱いwww)
結果はドンピシャ
「巨大なる魔神」たるキングコングを捕獲することに成功したのだ!!
逆転満塁ホームランでキングコングが世間の話題をさらう中、有頂天のタコ部長はさらにとんでもない企画を思いつく
「キングコングとゴジラが戦ったらどっちが強いか?」

折しも捕獲したキングコングが脱走し北極の氷山から出現したゴジラが日本に上陸するという大騒ぎの中、ついにキングコングとゴジラの2大対決が幕を開ける!
勝つのはコングか?それともゴジラか?
ついでにタコ部長のムチャ振り企画は成功するのか!?www


・監督…本多猪四郎
・特技監督…円谷英二

キャスト
・高島忠夫(高島政弘・高島政信兄弟の父)
・佐原健二(「ウルトラQ」の主役で有名)
・藤木悠(ゴジラ・若大将シリーズの常連俳優)
・有島一郎(森繁久彌・三木のり平に並ぶ名喜劇俳優)
・浜美枝と若林映子(この映画がアメリカ公開されたことで「007は二度死ぬ」(67年)のボンドガールに抜擢される。)







えー…
あらすじからしてコメディ映画じゃないか!!
とツッコミを入れられそうで申し訳ないんですがそのとおり、文字通りのコメディ映画なんですコレwww
初代「ゴジラ」(54年)と二作目「ゴジラの逆襲」(55年)の重々しいシリアスな内容と比べたらとても同じ映画シリーズに見えないくらいのハイテンションなコメディが展開する作品なんです。
なんでもゴジラ映画というのはゴジラとアンギラスが対決する二作目の「ゴジラの逆襲」で基本ストーリーが完成してしまった為、この「キングコング対ゴジラ」から子供受けする明るい雰囲気に路線変更したのだそうです。(その為シリーズごとに新怪獣を考え出すことになりキングギドラなどのスター怪獣が誕生することになるのわけですが…)
その路線を徹底するためにゴジラ自身もそれまでの耳が付き四本指のから耳なし三本指の足のデザインに変更されたそうです。(「子供が怖がらないように」という円谷英二直々のお達しらしい…これが60~70年代のゴジラの基本デザインとなる。)

そしてゴジラとキングコングの格闘もスゴイ!!
力道三などの当時のプロレスブームに合わせて怪獣プロレスが展開されるんですが、キングコングがゴジラを投げ飛ばす様(ジャイアントスイングや一本背負い)が後の「ウルトラマン」などに代表される怪獣プロレスものと比較にならないくらい大迫力なんです!!
この「キンコング対ゴジラ」がある意味怪獣映画の元祖なんでしょうね。
(初の怪獣対決ものである「ゴジラの逆襲」は互いの致命傷の喉元を狙う野獣同士の殺し合いという演出でした。)

兎にも角にも7年ぶりのゴジラ復活に加えアメリカのキングコングとの日米怪獣対決というどこまでもお祭り映画として盛大に盛り上げたというような印象の映画です。



とはいうもののこの映画はリバイバル上映の際に映画の原本ともいうべきネガフィルムを容赦なくカットして短縮してしまったため、長く初公開時のオリジナルを見ることができなかった唯一のゴジラ映画だったのです。
一応現在は削除されたネガフィルムが発見されて公開当時の状態に復元されたということなんですが、なんか削除されたシーンと短縮版として残ったシーンとで色合いが異なって見えるので微妙にも感じます。
人によっては短縮版の方がテンポがよくて面白いという人もいるため、何とも言えないのですが…
(黒澤明の「影武者」(80年)のように初公開時より場面カットした方が完成度が高くなる映画も存在しますからね。これもディレクターズカットの一種でしょうか?)



実質この「キングコング対ゴジラ」こそ現在に続くゴジラシリーズを決定づけた作品なわけです。
その恩恵に預かり、今年夏より日本で公開されるのが
通算二作目のハリウッド版「GODZILLA」
果たしてどんな作品に仕上がってるでしょうか?
(聞くところによると怪獣対決もあるらしい…どうせやるならハリウッド版「キングコング対ゴジラ」にすればいいのにwww)
ハッキリ言って楽しみです!!








ちなみにキングコングの出演権の期限切れの前にもう1作「キングコングの逆襲」(66年)という映画がつくられています。
そしてキングコングの出演権を買い取る際にハリウッドからフランケンシュタインの出演権も押し売りされwwww、結果として「フランケンシュタイン対ゴジラ」という企画もあったそうです。これが人気怪獣バラゴンが誕生する「フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)」(65年)の映画となり、
その続編の「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」(66年)が只今アニメ・実写化で大ヒットしている「進撃の巨人」の元ネタとなっているのは有名な話です。

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2014/05/22 23:59
わういネコたん♂ 様へ…ゴジラ映画前作を始め東宝特撮映画は結構観てる方ですが「キングコングの逆襲」と「サンダ対ガイラ」は未見なんですよね。ゴジラに比べて知名度が低い為にレンタル屋で置いてないところが多いわけで…
ただ二作の怪獣の身長設定が25メートル前後である為にミニチュアセットが50メートルサイズのゴジラよりも二倍大きくなって迫力が段違いと玄人のファンの評価も高い為メチャクチャ見たい作品なんですよね。
「サンダ対ガイラ」なんか「進撃の巨人」の元ネタなだけによけい…
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2014/05/22 00:42
☆映像的には メカニコングの出て来る

「キングコングの逆襲」の方が好きです。 

浜美枝も綺麗でしたし♪
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2014/05/19 22:47
桜井裕也 様へ…メーサー戦車といったらゴジラ映画の花形ですからね(^-^)
機龍二部作に登場してたメーサー戦車は初登場作の「サンダ対ガイラ」のを踏襲したものだっただけに感慨深いものがありますよね。
でも「サンダ対ガイラ」未見なんですよね(苦笑)
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2014/05/19 22:17
サンダ対ガイラ と言うと、キル・ビルを思い出します。
そして、メーサー戦車の模型が、一時期欲しかった(^_^;
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2014/05/19 21:15
みいこ様へ…ここ20年くらいゴジラ映画でお台場が何度も舞台になっていますよね。フジテレビと思われる建物が破壊されるシーンもあったような…
自分自身お台場付近のフェリーを使うので何度か言ってますが、ゴジラ映画に登場したころのお台場とあまり変わらないですね(苦笑)ちょっと殺風景な気もします。
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2014/05/19 20:13
お台場で暴れるゴジラの映画を見に行った記憶があります。
当時お台場によく遊びに行っていたので フジテレビなど建物がちょっとリアルに感じておもしろかったです。

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2014/05/19 13:58
saki様へ…確かに1960年代前半のゴジラ映画の隆盛がなければ、ウルトラマンやガメラなどを輩出する第一次怪獣ブーム(東宝以外の映画会社がゴジラの二匹目の泥鰌をすくおうとこぞって怪獣映画を作り始めたわけです。日活がガッパ・松竹がギララ・大映がガメラと大魔神といったカンジです。)が起きなかったので、この映画の破壊力って相当なものだと思います。

ちなみに80年代以降のゴジラは初代への原点回帰ということで耳が付き足も4本指にのデザインに戻って今へ続きます。
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2014/05/19 13:50
家主(≡▽≡)Z …う~ん…ゴジラは作品ごとに作風が大きく異なる映画シリーズなので、好き嫌いは結構激しいかもしれませんね。ただ円谷英二が直接担当していた映画の1965年までのゴジラ映画はそのほかの日本映画と同じくテレビが普及し始める前の作品ということで映画としての力強さはあると思います。
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2014/05/18 23:22
面白いなあ…。
ゴジラ、最初は耳があったんですね。へええ…。
確かにここから怪獣映画は盛り上がっていったんですねw
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2014/05/18 18:11
ガメラと違い、ゴジラのほうはビジュアル的に魅力を感じなかったので、ほとんど記憶にありません^^;
本数が多すぎるのもあって、手を付けにくかったのかな・・・?

娯楽映画として、今更ながらに観てみるのも面白そうですね^^




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