元祖もののけ姫
- カテゴリ:映画
- 2014/07/05 22:39:06
昨日見た「もののけ姫」はいつ見てもすごいと思います。
壮大な音楽と風景に凄まじいアクション、深く複雑なテーマが一個の映画に凝縮されてることもあって、上映当時日本映画史上に残る空前の大ヒットを飛ばしたのも当然だと思います。(所によっては上映当時何時間待ちの行列ができたり、半年以上上映された映画館もあったんですよ!)
そんな「もののけ姫」なんですが
映画とは別にこれまた宮崎駿による別モノの「もののけ姫」の物語が存在することを御存知でしょうか。
仮にこれを元祖「もののけ姫」と呼んで説明します。
元祖「もののけ姫」は宮崎駿が「ルパン三世 カリオストロの城」(79年)を手掛けた直後に作成されたアニメ企画のイメージボードをバブル崩壊期の90年代初期に絵本にまとめたものなんです。
(ちなみに「ナウシカ」「ラピュタ」「トトロ」をはじめとする大半の宮崎アニメのアイデアは70年代末期~80年代初期に描かれたイメージボードからとられているようです。トトロとメイの基本デザインも70年代末期には完成していたようですし…)
今でも本屋で売っており、1冊3000円と絵本にしてはかなりバブリーな代物なのですが、コレを膨らませて長編アニメにしたら上記の「ルパン」や「ラピュタ」のようなシンプルで面白いものになっただろうなと思います。
…で具体的に元祖「もののけ姫」とは何ぞやいうことですが
化け猫と化け猫の嫁になったお姫様が繰り広げる戦国冒険活劇です。
ヒロインが化け猫の嫁ってことで文字通りの「もののけ姫」ってわけです。
(両親に捨てられ山犬に育てられたサンの「もののけ姫」よりも単純ですよね。)
単純にストーリーを要約すると
戦で逃げ帰る途中で父親の侍が交わした約束が元で化け猫の嫁になることになった三の姫(他に姉や母がいるものの父に愛想を尽かして出て行ってしまった。)が、その後悪霊に取り付かれて凶悪になった父親を助けるために、化け猫と一緒に冒険するという話です。
(まあ父親から悪霊を追い出す為に「ドラクエ」でいうラーの鏡的なものを探すわけで…)
…でキャラクターのビジュアルは
化け猫がどら猫風にしたトトロ
三の姫が純和風姿のクラリス(あるいは「未来少年コナン」のラナ的な…)
ってところでしょうか。
とりあえず具体的な姿はここでお確かめ下さい↓
http://2.bp.blogspot.com/-8RusRriD35I/U3BRo40mumI/AAAAAAAABhA/X_M73rMwTZA/s1600/mononoke1.jpg
http://zinger-hole.net/entry/987/
…結局没ネタということでアニメ化にはならなかったのですが、後に別物の映画「もののけ姫」が製作された際にタイトルロゴと三の姫の「サン」の名前だけが受け継がれているようです。
この手の没ネタのイメージボードってきっと公開されてる以外にまだまだたくさん存在しているのでしょうね。
そういうのも一挙に画集にしてくれるとすごくうれしいです。
パヤオ曰く物語としての世界観が既存の物語に比べてあり来たり過ぎて時代考証からしてもステレオタイプだったということで、アニメ化に際し世界観を再構成した結果元祖とは似ても似つかない作品に仕上がったということです。
ヒロインが親に捨てられもののけと共に暮らしているという点のみがそのまま受け継がれているという所でしょうか?
(それにしても元祖でおしとやかだったお姫様が映画でデスメタル調に変化してしまうのもスゴイですよねwwww)
ちなみに80年代初頭に「もののけ姫」がボツった直後に「トトロ」も売り込んだそうですがこれもボツったそうです。
理由は当時のアニメに比べ地味で暗いとのこと。
ドドーンと一発かまさないとなかなか思い通りにはいかないんでしょうね。
すごい欲しいんですが絶版の希少本になって5千円~から1万円と結構高いです。
ジブリで他の未公開のものを付けたして再販してくれないかなあ…
サイズは一風変わっているわ、ゴツイわ、装丁も白にラフ画のみ、という地味なもので、熱心なアニメファンが手に取るような代物だったのではないでしょうか。
もののけ姫が映画化された時、「アレ?全然違う?」と思いましたが、全ての作品はラフから始まるのですから、まあ有りでしょうね^^
トトロの初期設定なんかも「ええー何コレ」的なものがありますね^^
宮崎駿さんだとありそうですねー。
見てみたいと真剣に思う