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つくしのつれづれノート


新海誠特集その1 彼女と彼女の猫

日曜日に千秋楽だった下北沢トリウッドの新海誠特集で新海アニメの劇場公開作品全6作(そのうち二作は自主製作)を午後2時から午後9時まで堪能しました。
その最初を飾ったのが99年の自主製作アニメである「彼女と彼女の猫」です。





とりあえず内容について
一人暮らしの彼女と彼女に拾われた猫の物語。ある日彼女の電話に留守電が入り…





登場人物(!?)
猫(新海誠)…彼女に拾われた捨て猫。名前は「チョビ」らしい物語は終始チョビの目線で語られていく。なおチョビという名前の猫はその後の新海アニメでもたびたび登場する。

彼女(篠原美香)…チョビを拾った女性。勤め人の一人暮らし。物語は彼女の電話に入った留守電でそれまで平穏で待ったりした雰囲気が一気に急展開する…





このアニメ5分弱の短編であり、しかも作中の声優も新海誠が務めるという(新海は猫。なお猫を拾った彼女の声優は新海の学生時代の後輩ということ)文字通りの完全自主製作といったアニメだそうです。


全編モノクロで展開されアニメとしてほとんど絵が動くことはありません。
しかし今でも我々観客を驚かせるリアルで精密な情景描写と詩的で淡々としたナレーション・「星を追う子ども」まで組んでいた作曲家天門の音楽による場の盛り上げで、
生活することの寂しさ・漠然とした不安・痛み・ぬくもりなど言葉でなかなか表せない表情が五感で伝わってくるため、
正直言って鳥肌が立ちます。
しかも暗い外の情報と遮断された映写室の中で上映されるこの映画だけをただひたすら堪能するのはPCやテレビのモニター越しで観るのとはまるで違い、情感が痛いくらいに伝わってきて、たった五分弱のアニメなのにものすごいヤバかったです。

「彼女と彼女の猫」とその後すぐに上映された「ほしのこえ」(後日ブログでレビューやります。)の初期二作については映像が拙いながらも、おそらく今回観に行った新海アニメ全6作中最もナイフで心をえぐられるくらいに感情を揺さぶられた作品だったんじゃないかと思われます。
改めて新海アニメの凄さを思い知らされたように思いました。


さて、この「彼女と彼女の猫」は次回作である「ほしのこえ」のDVDに特典映像として収められているほかに、新海監督自身がYOUTUBEにアップしてたりもしてるそうなので比較的気楽に見ることができます。
以下はそこへ通じるアドレス
https://www.youtube.com/watch?v=8-ANtYTLMIY





また、このアニメはもう十数年前の制作なのですが、近年この作品のメディアミックスが活発に行われており、
数年前には小説版が刊行(未読。たった五分弱のアニメにどんだけの要素を詰め込んでいるのかすごい気になる‼)
今年の春先には別のスタッフによって全四回各八分のテレビアニメ版「彼女と彼女の猫 -Everything Flows」が放送されたのは記憶に新しいかと思われます。(猫:浅沼晋太郎 彼女:花澤香菜  一見全く違う作品に見えながらも、最後まで見るとやっぱりこれも新海監督の「彼女と彼女の猫」なんだなあというのがよくわかります。)
これらも堪能してみると面白そうですね。

以上でレビューを終わります。






アバター
2016/07/09 10:27
ジュエリ様へ…それは「ほしのこえ」のキャッチコピーですね。「ほしのこえ」の記事も上げましたのでぜひご覧になってください(^_^)
アバター
2016/07/06 20:41
「私たちは たぶん 宇宙と地上にひきさかれる 初めての世代だ」
メールの届く時間が一週間 ひと月 一年と伸びていく
一年というと 一光年の距離離れているということ
二度と会えることが叶わない感が半端ないですね




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