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つくしのつれづれノート


新海誠特集その6 言の葉の庭

7月上旬の下北沢トリウッドの新海誠特集のレビューも今回が最終回
いや~長かった!
そもそもしばらくにこっとでブログを書くのサボってたのに急に20を超えるブログ数になってるのも単にこの新海アニメレビューのためなわけで…
本当はもっと早くに片づけたかったわけなんですがそのさなかにビックリするようなニュースなどが舞い込んできてそちらのブログを書いたりしてなかなか進まなかったものですから結構やきもきしましたね。



そんなわけで今回レビューするのが13年公開の「言の葉の庭」
トリウッドでは新海アニメを時系列順に上映したのでこれが最後になったわけで、「言の葉」上映開始時刻も午後二時から延々と新海アニメ6作を上映し続けただけにすでに夜8時を超えており、全作品見るために本当に苦労したよなあと我ながらあらためて思いました。(全作のチケットを確保するために映画館トリウッドに一番乗りで炎天下の中3時間超並びましたからね。)

「言の葉の庭」の特徴・見どころの一つとして
もはや絶技としか言えないレベルにまで洗練されたすさまじい書き込みで描かれたアニメがすごい!
実際にこの「言の葉の庭」、昨年海外で映画史上最も美しいアニメ映画ランキングの1位に選ばれています。
それまでの新海アニメも情景描写はすさまじいのですが、「言の葉」レベルになるともはや変態レベルといっても過言ではなく
これを上回ったらもうアニメである必要なくね…?
マジでそう思いました。
(実際そこまで追求したらさすがにキモくて観ないと思いますけどね。)

実際この「言の葉の庭」の人気はすごい!
公開時は全国20館・二週間の限定上映(そしてDVDも同時発売だった。)だったのですが人気が人気を呼んで最終的に二か月以上のロングランになったという、小規模上映作品としては異例の大ヒットを記録した作品だったんだそうです。自分も上映時観に行ってたんですがまさかそんなことになっていたとは露知らず、ほんとにビックリしました。
(それを踏まえてか今度の最新作「君の名は。」全国100館上映とすごいことになってます。)
トリウッドの新海特集でも「秒速5センチメートル」と並んで真っ先にチケットが完売した作品であり、そこからも「言の葉」の人気の凄さがうかがえます。
…ただ、その人気の理由は単に「言の葉の庭」が超絶美しいアニメーションだからとか最新作だからという理由ではなく
これまでの新海アニメとは違ってみてる人にわかりやすく救いが見いだせるラストだったことが大きいように思います。
実際に「彼女と彼女の猫」「ほしのこえ」「雲のむこう、約束の場所」「秒速5センチメートル」と…これまでの新海アニメは鬱アニメとしての傾向が色濃く、その鬱的展開が鬱展開が取り払われた(?)ことで一気に新海アニメの堪能できる垣根が低くなって大ヒットにつながったのだと思います。




そんな「言の葉の庭」がどんな内容かというと大体こんな感じ↓





靴職人を目指している高校一年のタカオは雨の日になると午前中は学校をさぼって新宿御苑に行って靴のデザインの構想を練るのを常習としている。
梅雨の始まったころタカオはいつも陣取ってる公園の東屋でチョコレートをつまみに朝からビールを飲む年上の女性ユキノに出会う。ユキノは職場のトラブルが原因で心を病んでいるのだという…
それから梅雨の雨の中タカオとユキノは毎日のように顔を合わせ次第にタカオは年上のユキノに惹かれていくのを感じるのだが、梅雨が明けると同時に公園に行かなくなりユキノと顔を合わせることはなくなり、自分の目標にひたすら突き進むタカオ。
やがて夏休みが明けてタカオとユキノは意外な場所でばったりと遭遇。
それはタカオの通う高校であり、ユキノは自分の高校の教師だったのだ…
ユキノの素性を知ったタカオはあらためて公園の東屋でユキノに会い
そして…




登場人物
秋月孝雄(CV:入野自由)…すでに高校一年のみで自作で革靴を作っている。そのことだけに熱中している為、学校での出来事にも関心がなくユキノが自分の学校の教師であり、彼女が抱えている問題にもまるで気付かなかったのだ…

雪野百香里(CV:花澤香菜)…上記の通り素性はタカオの学校の教師であり、学校での理不尽なトラブルが原因で心を病んでいる。タカオに対しては初対面の時に自分がタカオの学校の教員であることを示唆してる。雨の公園の東屋で常に一緒だったユキノにとってタカオはどういう存在だったのだろうか…?





…ちなみにユキノを演じた声優・花澤香菜は新海アニメの大ファンであり「言の葉の庭」のヒロイン・ユキノを立候補して決まったという。花澤香菜は深夜アニメでよく知ってる声優さんであり、それゆえに萌え系アニメ声のまま朝のワイドショーに登場した際、
おバカタレント以上にうざく感じたわけなんですが、
当時23歳の彼女が作中27歳のユキノを見事に演じ切っている様をみると(その若さ故に新海監督も当初花澤の起用をためらったとか…)
ただものじゃねえなあ…と一目置いてしまいます。



この作品のキャッチフレーズは
"愛"よりも昔、"孤悲"のものがたり。
であり、
それゆえに恋だとか愛だとかの以上にシンプルな心の交流やぶつかりあいがピュアで新鮮でした。

一応この「言の葉の庭」のテーマもそれまでの新海アニメ同様
「僕と彼女・私とあなたのすれ違いによる心の葛藤」
を描いているのは間違いないんですけど(今回は生徒と教師などでしたが)、
問題はラストでタカオとユキノがこれまでの新海アニメで引き裂かれた男女が涙を呑んだすれ違いの壁を一気に突き破っていったことであり、
それ故にそれまでの新海アニメを見ていた人間はこの展開に驚いたものだし、
この「言の葉の庭」を見て新海アニメのファンになった人が多いうというのもよく聞く話です。
この手の作風の変化はその前の「星を追う子ども」から見受けられるのですが、「言の葉の庭」はそれが鮮明に表れた作品でしたね。
個人的には今度の「君の名は。」も含め新海アニメが大衆化するための進化の過渡期にある作品だと思っており、今後どんどんそれが洗練されていくものと期待しております。(その反面「秒速」までの鬱展開がオミットされるのを残念がる人もいますが…)
個人的には新海アニメ初期の切なさと「言の葉」以降の救いが見事融合した作品の登場を期待してる次第であります。





…で例によってメディアミックス作品の紹介
「小説・言の葉の庭」「秒速」に続く新海監督自らによる小説版。アニメのタカオとユキノの以外の様々な登場人物の視点から描かれているのが特徴であり、ユキノの心情を理解するうえで非常にわかりやすいかと思います。アニメ以降を描いたエピローグも書かれており、その内容からしても今までの新海作品と一線を画していることが理解できます。

・漫画版「言の葉の庭」…(アフタヌーン・作画:本橋翠)出版社は「ほしのこえ」以来ずっとコミカライズを担当している講談社(「星を追う子ども」を除く)。「言の葉」自体がそれまでの新海アニメ以上に超絶作画な為ちょっと物足りないかもしれませんが、いいものだと思いますよ。




以上でレビュー終わり!
いや~長かった!
正直全てのレビューを書くのにここまで時間がかかるとは思わなかった!
これで当分ブログにあくせくせずに済むので楽チンチン♪

なお下北沢トリウッドの新海誠特集にはほかにも印象的な出来事がありましたがそれは今後事態が超展開を迎えたら書くということでよろしく!



…なお「言の葉の庭」の舞台になった新宿御苑ではビールの飲食はできませんので決して真似しないようにwww

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2016/07/28 23:11
ジュエリ様へ…詳しいことはよくわかりませんがパソコンによるデジタル制作が普及したことで初めて日T理での自主製作が可能になったということなのでしょうね。一応主要ポジションの大半を「新海監督が務めたということであり、完全な一人で作ったというわけではないのですが…
さすがに商業映画としてある程度の物を作る際には一人では無理なので沢山のスタッフさんを使っていますが、それでも未だに各作品のエンドロールを見ると相変わらず主要スタッフの重要ポジションを新海監督が独占している「全部俺」状態であり笑ってしまいますww
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2016/07/28 22:36
新海作品は一人でアニメを作るということで話題にのぼったけど 実写映像をパソコンに取り込んで加工することでアニメ画にしてそこに人物を挿入する という手法だと思う。
いわばパソコンとソフトの進化でアニメを一人で作れるようになった ということじゃないかなと・・・
作品は好きだけど そのへんは冷静に観察
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2016/07/20 21:46
REI☆彡様へ…本当に「言の葉の庭」はアニメと実写の線引きが曖昧になるレベルですごい絵でしたね。これ以上精密になり「おもひでぽろぽろ」のような作画になるとさすがに結構きついのですね(苦笑)
こんどの「君の名は。」はキャラが以前よりもアニメらしくなっているのですが、内容は「ほしのこえ」並みの絶望的なすれ違いの壁をふたりがぶち破っていく印象があるためものすごい楽しみです(^_^)
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2016/07/20 17:28
ブログ広場からお邪魔しました^^
「言の葉の庭」は少し前にDVDで見ました(*^_^*)
本当に映像が美しくてアニメとは思えないですよね!
「君の名は。」の公開も近づいて、映画館の予告はもちろん
映画館のロビーでも今までの作品と共に宣伝されてましたし
レンタルショップでも新海作品のコーナーが特設されていました!
楽しみですね♪
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2016/07/20 07:01
有効様へ…やっぱ鬱展開でない方が受けがいいんですね。そういう意味で「言の葉」はすごい人気でした。
「君の名は。」もすごい楽しみです(^_^)
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2016/07/19 21:39
「言の葉の庭」、PVが凄く綺麗で見てみたかったんですよね。
鬱エンドじゃないと聞いてますます見たくなりました。
「君の名は。」は映画館で見る予定です。
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2016/07/18 23:22
saki様へ…いえいえこのブログ記事は新海アニメ「言の葉の庭」の記事です。
「言の葉の庭」をはじめとして新海アニメの実写化は今のところ聞いたことがないですね。
「言の葉の庭おススメですよ!(^_^)
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2016/07/18 23:15
あれ、「言の葉の庭」、ドラマになってる?
なんだか見たような気がするんですけど。
アニメ版、見てみたいですねえ。




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