Nicotto Town


つくしのつれづれノート


批評家の評価程あてにならないものはない

公開から早2週間で20億の興行成績を突破した「シン・ゴジラ」
一応スタッフ・キャストが超豪華な為、予告編が出た当時から大人向けの大作になることは当然の如く予想はしていたのですが、
せいぜい平成ガメラ三部作レベルの玄人好みの怪獣映画にとどまるだろう高をくくっていただけに、ここまでここまで大ヒットするとは思っていなかったので本当にビックリしています。
「シン・ゴジラ」に続くリアル特撮で話題になった平成ガメラ三部作は邦画ファンの絶大な支持を受けた怪獣映画なんですが、当時大人気だった平成ゴジラVSシリーズと比べると天と地ほどの差がある大ヒットというレベルではなく、むしろ過激なリアル描写が観客をドン引きさせて怪獣映画その物の人気を貶めてしまったとさえ言われている。)
総監督は「エヴァ」の庵野監督なれど監督特撮監督としては日本一なれどその映像づくりに固執して名作作品の内容をズタズタにする原作レイパーの常習犯として私ミカサが映画監督として日本映画史上最悪と酷評する樋口真嗣だっただけに
当初は怪獣映画としては何とか成立してもひどい映画に成り下がってしまうのではと大変心配していたのですが、
ふたを開けてみたら迫力は当然のことなれど
内容もゴジラによる被害や政府の対処が東日本大震災をベースにしている為大変リアルであり、東日本大震災から5年しか経過してないこともあり非常に生々しい恐怖を体感できる、
戦災の記憶を色濃く残す初代「ゴジラ」に真っ向から挑戦したゴジラ映画であり
初代同様怪獣映画としてのジャンルを超えた傑作として大変評価してる次第です。
東日本大震災を見つめなおすうえの材料の一つとしておススメできる映画だと思います。



…でここからが本題なんですが
その「シン・ゴジラ」の公開前の評価はけっして高くはなく、批評家による批判が多かったような気がします。
つい数日前のネットニュースなんかではゴジラにリアルに対処する自衛隊が登場するだけで「これは国策映画だ!」と対談で歯をむき出しにする記事もあってこの手の評価をする人たちには呆れかえってしまいます。
以下を参照↓
http://news.biglobe.ne.jp/economy/0811/ebi_160811_6815821290.html


この手の批判は今に始まったことではなく今回監督兼特技監督を務めた樋口真嗣が特撮を務めた「ガメラ2 レギオン襲来」(96年 怪獣映画は実は戦争映画ではないか?という観点から自衛隊をメインに押し出した平成ガメラ三部作の二作目。)でも日本共産党が発行する新聞赤旗で批判されたことなんかがよく聞かれます。


初代「ゴジラ」でも大ヒットによってこの手の批判でPTAとか「荒唐無稽だ!」「子供を毒する諸悪の根源だ!」とけもののように歯をむき出しにしてファビョっていた様子が「ゴジラ」の原作を担当した小説家・香山滋のエッセイからも垣間見え、この手の人気作品を頭ごなしに批判する人間はいつの時代も同じなんですよね。(思えばビートルズが東京で武道館ライブをやった際も学校から禁止令が出ていたのも有名である。)


この手の作品に対する批判的なヒステリーが最も悪辣だったのが、
今では尾道三部作の第一作として名高い大林宣彦監督の「転校生」の原作である山中恒の「おれがあいつであいつがおれで」であり、
当時「男は男らしく・女は女らしく」という大人のエゴに反発する形で学習雑誌で連載されていた人気作だったのですが、とうじの批評家と読書運動家によって悪書や禁書扱いにされてやり玉に挙げられ、映画「転校生」自体の制作もひどい妨害を受けていたそうです。
映画上映後に良質映画として原作共々全面的に評価を受けることになりますが、それまでヒステリックに追放運動をした連中はその後の展開をどのように感じていたか気になるところです。
「転校生」についてのブログ記事は↓
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=1032798&aid=38955322



実際「シン・ゴジラ」のヒットを見てみると本当に力のある映画はそんなヒステリックな頭ごなしの批判などものともせずに大衆に受け入れられるものなんだということを改めて思い知らされます。
正直個人の思想や政治的思惑によって頭ごなしかつヒステリックに批判・追放運動するということが自由主義や民主主義の中において創作の幅を狭めてしまう卑劣で恥ずかしい行為であり、そのようなヒステリックな行為がまかり通る社会こそ民主国家としては脅威に感じます。(だからといって何をしても許されるというわけではありませんが…)
(決して今の与党を100%支持してるわけではありませんが、少なくとも野党が主張していたことは国民の大半が必要としているものとは全くかけ離れていたヒステリックで煽動的であり、与党以上に政治家して失格な振る舞いの連続だった今でも断言できます。批評家の独りよがりな評価もそれと同じように感じます。)

実際ニコッとのブログ・コメントなんかを見ても批評家の評価が全くあてにならなかったという感想がちらほらみられます。
まあ、未知の映画を観ようとするのに前評判などの情報集めておくのも重要なんですが、
本当に力のある作品って自分なんかはビビッと直感で惹きつけられるようなところがあるように感じます。
もしみ観るかどうかで迷ってる作品があるのなら自分の直観に従って判断した方がいいかもしれません。
結果として駄作だったとしても決して無駄にはならないはずだと思いますよ。








ちなみに今回の「シン・ゴジラ」については樋口真嗣の平成ガメラ三部作をはじめとするリアルな特撮描写の評価とそれまでの私ミカサがゴジラ映画をすべて見つくしている筋金入りのゴジラファンということで、
前評判だとか駄作だとかそんな事などお構いなしに「シン・ゴジラ」を見ることが義務と化していたためにwww、
当初スタッフなどの不安も合わせて乗り気じゃなくものすごくテンション低かったですねwww(義務というものほど嫌なものはないですねwww)
それだけ「シン・ゴジラ」の衝撃はすさまじく今では大絶賛‼www
今度はIMAX版で近いうちにもう一度観に行きたいですね(^_^)


なお今回大変評判がいいゴジラですが監督の樋口真嗣ですが映画監督しての評価も前の「のぼうの城」同様据え置きですね。今回の「シン・ゴジラ」「のぼうの城」(12年)同様単独監督作品ではないためきちんと高評価できないんですよね。両映画はむしろ前者の庵野秀明総監督・後者の犬養童心共同監督が樋口に脚本をいじらせなかったことが大ヒットにつながったのではと思わざるをえないのです。
昨年の「進撃の巨人」の内容の駄作ぶりもひどかったと言いますし…
映画監督・樋口真嗣については単独で「シン・ゴジラ」「のぼうの城」と同等の映画を作らない限りは評価できないですね。
願うことならば山崎貴監督の様にきちんとしたストーリーに特撮をマッチさせた映画を作ってほしいですね。
特撮中心でストーリーをなおざりにした樋口単独作品の現状ではでは劇映画としてはまるで話になりません。

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2016/08/14 21:41
この映画はみかささんが言うように
「ビビっと直感で惹きつけられました」

純粋に「これからどうなるの? どうすれば良いの? 」とまるでそにこいるかのような感覚。
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2016/08/14 09:25
批評家とか世の中の評価って当てになりませんよねー。
私は若い頃から宮崎駿を追いかけておりましたが
当時は「だれ?」っていわれるのはいいほうでしたね(笑)
10代から現在に至るまで、自分が夢中になるものは10年くらいすると
世の中が追いついてくるというのを経験しているので、今は自分が今夢中になれるものは
間違いないと確信しております。えー、残念ながら宮崎駿の作品に関して「千と千尋」までしか評価しておりません。
前回の「風立ちぬ」で、きっぱり見切りをつれたので次回作はスルーいたします♪
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2016/08/13 22:36
鳥女様へ…ゴジラは怪獣映画として自衛隊の登場が不可欠な為リアルであればあるほど自衛隊との協力が不可欠なんです。
特に今回は庵野秀明が総監督ということなので軍事関連のリアルな描写に特にこだわりを持っておりあまりのツッコんだ取材ぶりに逆に機密にかかわりかねないと自衛隊や政府から規制がかかったというエピソードもあるそうです。
実際今回のゴジラの各形態の大きさも旧海軍の軍艦と同じ大きさであり、「エヴァ」の登場人物の名前も綾波・敷波・赤城・葛城…と旧海軍艦艇の名前を冠していますし…

今回はゴジラによって東日本大震災の再現をしている映画なのでこれまでのゴジラ以上に政府や自衛隊の対処がリアルになるもの当然だと思いますよ。
この映画を通してあの震災は何だったのかを思い返すきっかけになればこの映画は大成功だと思います。
まあ所詮は娯楽映画なのでいちいち噛みついているのがあほらしく見えますね。
逆に怪獣映画に登場する自衛隊にやたらかみつく人たちにソ連や中国で赤軍や人民解放軍を映画に大量動員して作ってるプロパガンダ映画についてどう思っているのか逆に問いただしたいですね。

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2016/08/13 22:03
こんばんは、

そういえば・・・国家のなんとかや自衛隊など頻繁に引き合いに出してゴジラはなんとなくダシに使われているような面があったかな・・
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2016/08/13 21:13
家主(≡▽≡)Z様へ…昨今の報道に関しての不満でもそうなんですがグローバル化前から情報を支配してきたマスコミたちはまるで自分が日本の支配者の如く自らを省みることなくふるまっている体たらくが今の状況なんですよね。ネット社会が発達してきている中で(もちろんそれだって危うい面があるのですが)自分たちも政治家同様大衆から監視されている存在であることを自覚すべきだと思います。
それが分からないから報道でも批評でも大衆とはかけ離れたものになっているような気がしてなりません。

何かを理解することはそんな周りの風聞などに惑わされずに触れてみて判断しなければなりません。戦前もそうなんですが日本人は周りに流されやすいところがあり(それは災害時の秩序の維持などでいい効果もあるのですが)日本人はもっと自ら考え行動するようにならなければならないと思います。
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2016/08/13 21:05
ひめたま・破様へ…確かにどの批評についても作品を深く読み解く上の材料になるので捨てたものではないのですが、あくまでそれは作品を鑑賞した後での話ですよね。
それ故公開前などまだ見ていない作品を見る気力をそぐ目的の煽動的な批評は許せないですね。
ましてやヒステリックに作品の妨害行為や追放運動をすることは民主国家の中ではもってのほか!
そんなものに流されず自分自身の目で確かめてから判断してほしいものです。


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2016/08/13 20:55
なち様へ…それは言えてますね。
日本は一応自由主義の民主国家なので何言っても自由なのですが、
正直世間の評判に流れて作品を堪能していく人も多いので(それこそ日本人の悪い癖だと思う)、周囲の状況に流されず自分の判断で作品を見てどういうものなのか感じ取ってほしいものです。
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2016/08/13 20:41
日本の芸能界を牛耳っているつもりの人々にとって、アニメ・特撮分野の人々は、自分たちの思惑通りに動かせない存在だから、国策だとかこきおろすしかないんでしょうね^^

作品は批評家に受けるために作られているわけではなく、また、本来の観客である子供の感じ方と、感受性が練り込まれた大人の感じ方は違います。

トラウマな表現にしても、数年前の現実でトラウマになってしまった人が、作品の中でトラウマを乗り越えられる何かを受け取ることもあります。

人それぞれ、受け止め方は違うので、まずは何も考えずに見てみることが、作品に対する正しい姿勢だと思いますね^^
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2016/08/13 14:02
「風立ちぬ」の岡田斗司夫評など批評によって新たな見方ができるのも
映画批評の良いところですが
そのせいで監督の表現の幅が狭くなっては本末転倒ですよね

今夜は待ちに待った宇多丸さんの評が聞けるので楽しみです
観たい映画を観てから批評を聞くという順番を間違えないようにしたいです^^;
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2016/08/13 12:24
批評家と言っても、結局は個人的な好みだと思うと、
あまり真に受けてしまうとダメですね~。




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