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つくしのつれづれノート


最初の長編新海アニメ「雲のむこう、約束の場所」

「君の名は。」の新海監督による「雲のむこう、約束の場所」(04年)新海アニメ初の劇場用アニメになります。


この作品の発端は「ほしのこえ」が絶賛された直後の02年暮れに新海監督が書いた短編漫画「塔のむこう」の要素をベースにした3分間のパイロットフィルムが初出であり、
それから二年後に公開された劇場版は「毎日映画コンクールアニメーション映画賞」なる賞を同時期に公開された宮崎駿のジブリアニメ「ハウルの動く城」を抑えて受賞するなど当時から新海アニメの評価が相当高かったことがうかがえます。

自分がこのアニメを初めて見たのはここ数年前のことなんですが、このアニメがNHKBSで初めて放送されたときは新聞のテレビ欄でも前作の「ほしのこえ」と絡めた記事内容で紹介されたたことが未だに印象に残っています。





そんな「雲のむこう、約束の場所」がどんな内容なのかは以下の通り

「雲のむこう、約束の場所」」は戦後北海道が「蝦夷」として大陸の軍事大国ユニオン(ソ連・ロシアに相当)陣営に組み込まれ、ユニオンによって蝦夷に建てられた巨大な「ユニオンの塔」という実験施設が日本の南北分断の象徴・軍事的緊張の原因になっている世界が舞台。
青森に住む中三のヒロキとタクヤは白い飛行機「ヴェラシーラ」を自作して最前線の津軽海峡を超えユニオンの塔へ行くことを夢見ている。
その夢は二人の初恋の同級生であるサユリをヴェラシーラでユニオンの塔へ連れていく約束に発展するのだが、その夢と約束はサユリが夏休みに二人の前から突然姿を消したことで挫折し二人は別々の道を歩み出す…

しかしそれから三年後、
ユニオンの塔を巡る国際対立が戦争に発展しようとしている情勢のさなか、
サユリがそのユニオンの塔の為に3年間眠り続けているという事実を知らされたヒロキは、タクヤと共に挫折したサユリとの約束を果たす決意をする。
そして戦争が始まり、戦場となった津軽海峡を白い翼・ヴェラシーラはサユリを乗せてユニオンの塔を目指し飛び続ける。
あの遠い日に、彼らが約束した場所へ…



登場人物
・藤沢 浩紀(CV:吉岡秀隆)…サユリの失踪で夢と約束が挫折したことでユニオンの塔がトラウマになって逃げるように上京。それでも一途にサユリを想い続ける…その果てに待ち受けていたのは…

・白川 拓也(CV:萩原聖人)…秀才でありサユリの失踪後も持ち前の才能で最年少の研究員としてユニオンの塔を研究している。しかしその研究が進むにつれ塔とサユリの関係を結ぶ世界の秘密に近づき、その危うさに苦悩。そして…

・沢渡 佐由理(CV:南里 侑香)…ユニオンの塔の影響で三年間眠り続け、荒涼とした孤独な夢の世界をさまよい続けている。その中でもヴェラシーラに乗ったヒロキが約束を果たして迎えにに来てくれることを願い続ける…しかし、その願いが叶おうとするとき彼女は…







…えっ、何言ってるんだか全然わからないって?
すみません、自分もですwww
一応詳しく最後まで特にあらすじ説明したつもりですがそれだけじゃ理解できないと思います。

一応この物語を一言で説明すると
童話「眠り姫」をリアルな世界観にして新海節で切なく味付けした作品
といったところでしょうか?
プロット自体は至極単純ですが、味付けの結果難解になってしまった感じが否めません


とにかく物語を成立させるための世界観の説明があまりにも複雑なうえに、ストーリーの展開や結末が抽象的かつ断片的に散りばめられてる為に(さらにラストシーンがストーリー自体を忘れるほど新海アニメの中でも最も壮大で迫力がある映像展開な為)、一度見ただけで物語の全体像が掴み辛くてややこしいのです。

その難解さが賞を取る高評価でも大ヒットした「ハウルの動く城」に比べ一般受けしなかった最大要因なんでしょうね…

とはいえこのこの作品も「ほしのこえ」同様
「僕と彼女のすれ違いによる葛藤」をテーマにした典型的な新海アニメであり
複雑でなかなか見えてこない結末を作中に散りばめられた要素や情感を組み上げていくと、
「ほしのこえ」「秒速5センチメートル」に匹敵するせつない物語であることが分かります。

そんな「雲のむこう」の主人公ヒロキの声を担当した吉岡秀隆の演技の破壊力が抜群です。
なにせこの人、再末期の「男はつらいよ」シリーズや「北の国から」シリーズを見た人は理解できると思いますが、新海アニメの真骨頂の詩的なつぶやき系ナレーションを得意としている俳優なんですよねwww


気になった方は「雲のむこう」を見ながら結末を探し出してみてはいかがでしょうか。(^_^)

…ちなみに
「君の名は。」のかたわれどきの場面はヒロキと夢の中を彷徨うサユリの邂逅シーンと全く同じシチュエーションです。
ぜひ見比べて観て下さい。










…で今回もまたラストに「雲のむこう」の関連作品の紹介


・小説版「雲のむこう、約束の場所」(加納新太執筆)
…前回「ほしのこえ」の記事でアニメよりもさらに切ない描写で涙が枯れると紹介した加納新太によるノベライズ。
映画を読み解いてぼんやりと見えてくる結末を明確に描写しており、ラストシーン後のヒロキ・タクヤ・サユリがどうなったかを赤裸々に知ることができます。ハードカバー版しかないのですがブックオフなんかでも時々目にしますよ。




・サウンドトラック「雲のむこう、約束の場所」
…長編アニメなとして短編の多い新海アニメの中でもその曲数は圧倒的であり、新海ファンにとっては「秒速5センチメートル」に並ぶ珠玉のサントラだと思います。
おススメはEDテーマの「きみのこえ」
「きみのこえ」は新海アニメでなじみの天門作曲・新海監督自身の作詞であり、
エンドロールで「♥」で表記された歌い手が川嶋あいだったりします。
「きみのこえ」はこののサントラ以外には川嶋あいのCDでさえも収録されておらず、ここだけでしか聞けません。
歌詞の内容も結末を示唆する感じで大変切なく、EDだけで泣けちゃいます。





・パイロット版「雲のむこう、約束の場所」
…実はこの作品、「ほしのこえ」発表されたされた02年に3分超のパイロットフィルムが制作されているんです。その内容はちょうど完成版の「雲のむこう」を要約したような予告編みたいなものなんですが、細部の設定が異なっています。
しかし壮大な内容を3分超に詰め込んだパイロットフィルムは短いがゆえに、いかようにも妄想が膨らんで完成版より面白いと評する人もいます。
個人的にはラストのヒロキの
「なにもかも今度こそ取り戻すんだ…」
という決意を込めたセリフが好きです。完成版の結末を知ってるゆえにこのセリフがすごく切ないです・・・
動画サイトでも観れますよ。



・短編漫画「塔のむこう」
…上記の通り長編劇場アニメ「雲のむこう、約束の場所」のの発端になった新海監督による短編漫画。
女子校生のサユリが学校をサボってずっと気になっていた巨大な塔へ向かうのだが、ちょっとした冒険の果てに彼女は孤独感と喪失感を抱き…
「雲のむこう、」の要素が詰まっています。
「君の名は。」公開と同時に刊行された「新海誠Walker」に掲載され簡単に読めるようになりました。



以上で
「雲のむこう、約束の場所」のレビュー終わり!



















ちなみに本作品サユリが私ミカサにとって新海ヒロイン中一番のお気に入りです。
新海監督の飼い猫の名前もサユリというんだとかwww
(「彼女と彼女の猫」以来たびたび新海作品に登場するチョビ(「雲のむこう」にも当然登場www)じゃねえのかよwww)

アバター
2016/09/18 22:43
yumi様へ…AO入試ですか!確かにそういう制度がありましたね!
自分は一般入試オンリーだったのでこんな早い時期から具体的な準備をしなければならないとは思わなかったです。
頑張ってくださいね(^_^)
アバター
2016/09/17 13:41
お返事遅くなってすみません(;´・ω・)
私はAO入試を受けるので、この時期なんですよ。
入学は春からです(合格すれば)!
AOが全滅だったら、一般の入試も受ける予定です。
一般入試は年明けですね。




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