Nicotto Town


つくしのつれづれノート


「七人の侍」を観てきたよ!


9月より続いた鎌倉の黒澤明・三船敏郎特集もついにクライマックス!
今日から1週間黒澤明の最高傑作である「七人の侍」の上映が始まり、初日の今日早速見に行きました。

「七人の侍」こそ私ミカサの最も好きな映画でありビデオテープに録画しDVDを購入しただけでなく、
これまでも大スクリーンでの上映会にも足を運んでいます。


「七人の侍」は、日本映画の最高傑作どころか世界映画史上3本の指に入るとも言われ、207分(約3時間半)という長大な映画なのにもかかわらずハラハラドキドキする展開に手に汗握り、あっと言う間に時間がが過ぎていきます!本当に時間が過ぎるのを忘れます。
マジで面白い!!
今日の上映も満席であり、映画が終わった直後拍手の嵐ですからまさに不朽の名作です…




その「七人の侍」あらすじは以下の通り

戦国時代―あいつぐ戦乱とその戦乱が生み出した野武士の横行
ひづめの轟が良民の恐怖の的だった―その頃
毎年のように野武士の襲撃を受けていたとある農村の百姓達は浪人を雇って次の麦が実る頃にやってくるであろう野武士を返り打ちにしようと考えた。
百姓の願いを聞き入れた最初の浪人・勘兵衛はたちまち賛同する浪人を集めた七人で村にやってきた。彼らは百姓たちに竹槍を持たせて軍事教練をし、村に柵や堀を巡らした要塞化を施して野武士たちを待ち構える。戦のプロとして大を守るために小を切り捨てる侍と弱者と言いながら落ち武者狩りを平然と行うしたたかな百姓たち。初めは互いに反発しあってた両者も互いに打ち解けていくようになる。
やがて麦が実り刈入れ終わった頃、騎馬に乗った野武士の軍団が攻めてきた。
ここに七人の侍に率いられた百姓たちと何十人で徒党を組んだ野武士の軍団との壮絶な死闘の火蓋が切って落とされた…!!



登場人物 
≪七人の侍≫
・勘兵衛(志村喬)…初老を迎えた歴戦の武士で七人の侍のリーダー。他の同志は皆勘兵衛の人柄を慕って集まった。誠実温厚な半面規律を乱す者には容赦しない。戦国時代の剣豪・上泉信綱がモデル。
・勝四郎(木村功)…裕福な身の上にも関わらず夢を追いかけて家を飛び出した少年武士であり半人前。師と仰いだ勘兵衛についていく中で経験する様々な出来事を敏感に感じ取る。村娘志乃と恋仲になるこの映画唯一の恋愛担当(笑)
・五郎兵衛(稲葉義男)…勘兵衛の人柄に惚れ込み同士に加わった。穏やかな性格だが軍学に長けた兵法者であり、勘兵衛の参謀として野武士と戦う。モデルは戦国時代の剣豪・塚原卜伝
・七郎次(加藤大介)…同志を探す街中で再会した勘兵衛の忠臣。過去に落ち武者狩りにあったことに対する憎しみは激しいものの、野武士との戦では常に百姓を励まして戦に臨む。七人の侍中唯一の槍使い。
・平八(千明実)…五郎兵衛に誘われて同志に加わった愛想のいい侍。剣の腕は中の下だがへこたれずにユーモアに溢れ冗談を絶やさない為、苦境の時の支えになると期待された。ところが…
・久蔵…(宮口精二)修行の旅を続ける凄腕の剣客。街中での決闘をしていたところを勘兵衛に見初められ仲間になった。強さだけを追い求めいつも無表情だが根は優しい男。モデルは剣聖・宮本武蔵もしくは柳生十兵衛
・菊千代…(三船敏郎)七人目の侍。大太刀を引っ提げた山犬のような荒々しい性格の型破りで底抜けに明るい熱血漢。百姓出身の孤児として育ったことから当初は仲間とみなされなかった。しかしその中途半端な身分が侍たちと百姓たちの絆を築くうえで重要な役割を果たすことになる。
≪百姓側≫
・利吉(土屋嘉男)…この映画の百姓側の主人公で野武士に深い恨みを抱く青年。用心棒の侍を雇うのに最も積極的で自分の家を侍たちに明け渡して世話をしている。野武士を恨む理由を侍たちに隠しているが、その事が後に悲劇を起こすことに…
・志乃(津島恵子)…大勢の用心棒の侍がくることを恐れた父親によって髪を切られ男装を余儀なくされた村娘。ふとしたことで勝四郎に男装がばれたことをきっかけに勝四郎と恋仲になる。純朴でありながら情熱的な少女。

…他にも序盤の盗賊に東野英治郎(初代水戸黄門)、エキストラ同然の通行人役に仲代達也や宇津井健が登場するなど端役もすごい豪華です。


 
 1952年に名作「生きる」(主演:志村喬)を完成させた後に黒澤明が志したのは従来の歌舞伎などの型から外れたリアルな時代劇。
数々の案の中から実在の剣豪列伝と彼らが武者修行中の糧にやったらしい農村の用心棒の要素を合わせたのが「七人の侍」とのこと。
リアリティを追求するため主要キャストの大半を時代劇未経験の役者で固め、戦が展開される農村のセットを一個丸々作って、各地でのロケを中心に撮影。
繰り広げられるアクションも現在じゃ考えられない危険なものばかり。騎馬に乗った野武士たちが猛スピードで駆ける場面は旧陸軍騎兵すら真っ青にさせ、野武士の砦を焼いて本当に山火事になり、弓を射たら安全装置の不良で生身に本当に矢が突き刺さって大怪我を負ったりと、とんでもないエピソードが伝わっています。

それも監督黒澤明の完璧主義によるところなのですが、このような無茶苦茶が当然続くはずもなく、これからの武士との合戦場面の撮影を前にして予算が尽きて撮影中断。
黒澤は撮ったとここまでを映画会社の上層部に見せ、これからというところで映像が終わった途端「ここから先は一コマたりとも撮ってないから金を出せ」と言って追加予算を出させてしまったのだそうです。
そんなこんなで撮影期間は当初の3ヶ月から延びも延びたり約1年!!


 こうして完成した映画は国内外問わずに大ヒットし、西部劇「荒野の七人」のような翻案・オマージュ・パロディ作品は数知れず…

この映画の成功後黒澤映画はすさまじいものとなり黒澤自身も「クロサワ天皇」と呼ばれるに至りますが、その増長による莫大な予算と製作期間の長大化がエスカレートして問題になり、65年の「赤ひげ」(製作の遅れで64年の公開ができず、その穴埋めにゴジラ映画が異例の年二本制作された。)の後日本映画界から半ば締め出されてしまうことになります。

この映画の最高の楽しみ方はスクリーンで見ること。
映画なので当然とはいえ古い映画ゆえなかなか難しい…
前回大スクリーンで見たのは約10年前であり今日久々に大スクリーンで見れて大感激でしたよ。

この映画一本で映画十本分の充実感と満足感が得られます。
その面白さはハラハラドキドキする展開‼
思わず手に持ったパンフレットを握り潰してしまうほどです。 

この映画を映画館で見れるならいくら金を出しても決して惜しくはありません。
この先この映画を超える作品は日本では絶対出てこないと思います。

日本人なら絶対見るべき!
超おススメです!!

見終わってから数時間経過していますが未だに興奮が収まりません!
次の日曜にもう一度「七人の侍」を見に行く予定です!


なお、この「七人の侍」が公開された1954年は他にも初代「ゴジラ」や小津安二郎の「東京物語」など世界映画史上の傑作が一遍に誕生した日本映画豊作の年なのですが、これらはすべてその年の邦画NO1ヒットとならず、
NO1ヒットとなったのは放送時間に銭湯から女が消えるとまで言われる人気を博した伝説のラジオドラマ「君の名は」の劇場版三部作だったりします。(中井貴一の父佐田啓二と岸恵子主演)
去年夏一足先に大ヒットした「シン・ゴジラ」の記録が新海アニメ「君の名は。」にあっという間に抜き去られた出来事が54年の再来とちょっとした話題になりました。

アバター
2017/01/10 11:27
黒沢映画を大画面で見る観るのは良いでしょうね。羨ましい。
登場人物にモデルがあったのですか。しかし上泉信綱、塚原卜伝、、、ですか
いやはや、豪華なメンバーです。勉強になりました。
アバター
2017/01/10 05:31
昔テレビで見た覚えがありますが、記憶はおぼろげ
今見たらとても面白そうです~
スクリーンで見てみたいものです
アバター
2017/01/09 22:09
これは名作ですよねー
何度見てもいいです。
「ゴジラ」「東京物語」と同じ年に公開だったとは知りませんでした。
アバター
2017/01/09 22:03
荒野の七人は見たけどこれは未だです^^;




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