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つくしのつれづれノート


ゴーンの逮捕

速報で日産ルノーのゴーン会長逮捕が報じられた時はさすがにびっくりしましたが、ここ最近の関連ニュース記事に目を通しているといずれこうなっても仕方ないよなと妙に冷静になってたりします。


日産は90年代後半の経営危機をルノーから送り込まれた敏腕経営者のゴーンが社長になったことで復活しそこからルノーとの提携が始まり最近は経営統合に向かっているということだったのですが、
どうもここ数か月の経済関連ニュース記事を見るとフランス政府がゴーンにルノーによる日産の併合の圧力を再三かけておりゴーンがそれに傾いたとあったため、
今回の逮捕劇は日産を乗っ取ろうとするルノー(というよりフランス)に対する反動だなと一報を聞いて真っ先に思いました。

聞くところによるとルノーの日産併合の圧力をかけていた張本人はフランス大統領マクロンみたいでこの人は経済相時代からゴーンに再三要求してたみたいです。
なのでゴーン逮捕の一報が来た時当初ホリエモンの時同様の経済保護のための国策逮捕かと思ったのですが、どうも日産内のルノーとの経営統合に反対する勢力がゴーンの違法行為を内部告発したクーデターらしいというのが真相っぽいですね。
提携から経営統合へならまだ穏便かもですが、さらにフランス政府の圧力による露骨なルノーの日産乗っ取りとあれば日産側の人間がいくらルノーに恩義があるとはいえ激怒するのも当然だと思います。(再三に渡り日産の収益をルノーが流用していたということで不満も元々大きかったみたいですが、それを飛び越えてルノーが日産を飲み込もうとしたことで一気に不満が爆発したともいえる)
日産にとってゴーンは救世主なので今回の逮捕の原因になった数々の不法行為も見て見ぬふりをしてきたのでしょうが、他国の会社乗っ取りというアンタッチャブルに触れたことで一気に切り捨てられたという印象ですね。


似たような事例になるかどうかわかりませんがゴーンの逮捕劇で連想したのが後に覇者クラスの戦国大名になる毛利元就の家督相続騒動
この当時毛利家は4代続けて当主が若死にするという混乱のさなかであり(うち二人が過度の飲酒が原因)、元就の先代である毛利幸松丸(元就の兄興元の子。享年9歳)の夭折後毛利家直系の元就を差し置いて出雲の戦国大名尼子経久が元就の異母弟・相合元綱を後見に尼子一族を毛利当主に送り込もうとし、それに反発した元就派の重臣が先手を打って室町幕府からのお墨付きを貰って元就の家督継承を完了させ、結果的に異母弟・元網を含む反元就派を粛清することになる顛末の事件です。
(結果として実の弟を殺した元就が後の三本の矢の元ネタになる三子教訓状作成の遠因となった事件でもあります。)
ただ元就の家督継承騒動とゴーン逮捕の引き金になったルノーとの経営統合とで圧倒的に異なるのは
小領主を乗っ取ろうとした強大な戦国大名と違い、ルノーの企業規模が乗っ取ろうとしてる日産より小さいということ。
聞くところによると日産の今現在の業績はルノーの二倍近くあるみたいで絶好調(?)っぽい。
上記の元就は小が大を飲み込んだ代表格ですが、これって飲み込んだ大の不調に付け込んだからこそできた芸当であり、それを無理やり強行すること自体そもそも無理があることだと思います。
ゴーンが社長に迎えられたころのどん底の頃の日産だったらルノーによる併合も不可能ではないのでしょうが…
恐らくルノーの日産乗っ取りは尼子の毛利家乗っ取り以上に反発がすさまじいんじゃないかと思います。(なんたって動くお金と人の規模が桁違いだし)


あくまで今回のゴーンの逮捕劇は始まりの口火にすぎず、
最終的には日産がルノーから経営権を奪い返すところまで行くのではないかと思います。
さすがに完全に手を切るところまでは行かないとは思いますが、おそらく対等な立場になるようルノーが握る日産の持ち株の比率を下げて筆頭株主から引きずり下ろすことくらいはやるのではないでしょうか。(ネット記事の中にはそういう予想のものありました。)
今現在自動車産業はガソリンから電気自動車への転換期に入り大会社でさえもちょっとのトラブルで一気に傾きかねない激動期となっている中で起きた今回の大騒動。
最悪ルノーと日産の共倒れなんてろくでもない末路を向かねなければいいのですが…




ちなみにルノーは19世紀末に1898年設立という日産よりも歴史が圧倒的に深い企業であり、
第一次大戦時には開戦初期のマルヌ会戦でルノーのタクシーで兵運輸送を行って勝利に貢献して自動車の軍事利用の有用性を実証したり、
末期にはキャタピラーの車体の上に旋回砲塔を乗っける現代の戦車の基本形を確立した軽戦車FT-17を開発するなど(最初の戦車はイギリスのマークⅠ戦車ですがその性能と先進性は天と地ほどの差があるレベル)、
その世界史上に与えた影響を鑑みても決して疎かにしていい企業ではありません。
(とはいえ元はフランスの国営会社ということであり国策でそれが民間企業の日産を飲み込もうとしたら反発も当然でかい。)
今回の事件でいちいちヒステリックになってる輩がいるとすればそれは日本の恥と言えるほどみっともない行為だと思いますね。

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2018/11/23 16:00
ゆりか様へ…毎日の新聞・ニュースも最新の日刊歴史書的な感覚で読んでおり、その中で連続した流れが見いだせたりするので面白いなと思います。
日産と元就を繋げることになるとは自分も当初思わなかったのですが、
結局人間というものは何百年経ってもやってることは相変わらずで進歩の無い生き物なんだなと思ってしまいますね…(苦笑)
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2018/11/23 04:40
おはようございます、みかささん。
まさかゴーンから毛利元就になるとは(*^^*)
流石みかささんですね。
わかりやすい説明をありがとうございます♪
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2018/11/23 00:19
西湘国府津様へ…ルノーの日産併合はフランス政府が国策でゴーンに強行を迫ってる印象があり、ゴーン自体はだいぶ拒んでいたとも聞きます。コストキラーで知られる敏腕経営者ですからルノーが自分より業績の大きい日産を飲み込むこと自体無理があるという認識を持っていたんだと思いますよ。
同じ経営統合にしても双方の意図を汲んだ穏便なやり方なら問題なかったでしょうけど一方的に併合してしまえという鼻息の荒さではうまくいくわけがありません。
今回は相手が外国企業ですから侵略者と反発されるの火を見るより明らかです。
ルノーに日産の併合を強行させたフランスははっきり言って欲を張り過ぎて馬鹿を見てますね。
過去の植民地政策でこの手の失敗の痛手を知らないはずないんですが、併合を強行しようとしたフランスのマクロンはバカなのかと呆れてしまいますね。
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2018/11/22 23:43
日産自株、配当利回りの上位にランキングされる銘柄。
今年3月には私も恩恵にあずかったものです(数百株程度ですがw)

配当をルノーがいくら手にしたか、保有株数と一株当たり配当の金額で単純に計算してみたら・・・
18年3月期は1000億弱!

ここ5年間、それくらいの額がルノーに流出しているから、ゴーンを送り込んで以来相当儲けたに違いない!と思って古い四季報引っ張り出してみたら09年だか10年は無配だったので、甘い汁を吸い続けたわけでもなさそう。

乗っ取りなど考えず、大人しく配当を貪っていても良いような気もしますが・・・
「偉い人たち」には、また違った思惑があるのでしょう。
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2018/11/22 23:39
saki様へ…毎日のように新聞やネットニュースを眺めてると続報的な連続性のあるニュースがちらほら出てくるため、今になって何か月も前から伏線が張られていたんだなと思い知らされた事件でした。
ぶっちゃけゴーンは欲を張り過ぎたフランスに喧嘩を売るためにスケープゴートにされた小悪党という印象しかありません。(それでも日産を立て直したゴーンの偉大さは変わらないとは思いますが…)
事件はまだ反乱の狼煙程度であり大事になるのはこれからだと思います。

それと今回の関連ニュースで日産は変革期が訪れるたびにこの手のお家騒動を繰り返してきた内ゲバの企業ということなので呆れてしまいました。こんな有様を繰り返す社風で50年・100年先まで日産が存続できるのか首をかしげてしまいますね。
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2018/11/22 23:28
とり合絵図様へ…大戦後の占領政策の呪縛が未だに続いてるような気もします。だからといって見境もなしに勝てぬ戦争を挑んで自国を滅ぼした戦前日本を見習えとは口が裂けても言えませんが…
政治も経済も事なかれ主義で済ませられる時代はもう終わってます。そういう中途半端な態度では日本はもう成り立たないでしょうね。
あとろくにコミュニケーションをとってないのに「空気読め」的なムチャフリがまかり通る社会自体も今回の問題の発端にあるように思います。最近いろんなところで大事件に発展して問題になってるのに…
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2018/11/22 23:17
このニュース、びっくりしましたが、
ほおお、なるほど。
勉強になります。
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2018/11/22 20:47
日本人は議論下手。いろいろ多角的に考察して自分の意見を言わないと。
日本の外交が、弱いモノに強きに、逆にアメリカやロシアには服従的というのが
外交がこじれる原因の様な気がしてます。すいません




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