「時をかける少女」（筒井康隆原作）の映画といえば大林宣彦の83年の尾道三部作版が一番有名なのは言わずもがななのですが、今回は仲里依紗主演の06年アニメ版と10年の実写版を紹介します。いずれも尾道三部作版（もしくは原作）の続編に位置付けられているようです。（ただし06年版と10年版につながりはありません。）


まず06年アニメ版。
物語は尾道三部作版より約20年後で、尾道三部作版の主人公芳山和子の姪・紺野真琴（ＣＶ：仲里依紗）がタイムリープする時をかける少女になり、仲のいい二人の男友達との間で揺れ動いていくさまが描かれていきます。
「時をかける少女」というとどうしても尾道三部作版が偉大すぎて、どうしてもその後作られたいくつもの「時をかける少女」がうだつが上がらない失敗作になる傾向が強く、そのためアニメ映画も当初全国21館のミニシアター並みの小所帯の上映だったのですが、尾道三部作版の続編の一にあることから口コミにより評判が評判を呼び、立見ができるほどの観客が詰めかけた為、急きょ全国100館の拡大上映・9ヶ月のロングランになった映画なんです。（とはいうものの上映用のフィルムは当初の21館の上映に十分な14本しかなく、それを各地で上映時間に合わせて使いまわしたそうです。）
この「時をかける少女」が上映された同時期にはスタジオジブリの「ゲド戦記」も上映されたのですがこちらの方は評判が悪く、当時両者を見比べても叩き上げによる実力でヒットを勝ち取った「時をかける少女」が「ゲド戦記」を屠ってしまった印象がありました。結果として国内外の映画・アニメ賞を23個受賞し、このアニメ版によって監督細田守の名が知れ渡り09年の「サマーウォーズ」のヒットは記憶に新しいと思います。


そして10年実写版。
こちらは芳山和子の娘芳山あかり（演：仲里依紗）が主人公であり、原作（もしくは尾道三部作版）で芳山和子が恋する未来人深町一夫に合うために母和子に代わって二人が出会った1972年にタイムスリップしようとするが、間違ってその二年後1974年にタイムタイムスリップしてしまい、タイムスリップ先で知り合ったＳＦオタクの大学生・溝呂木涼太と一緒に深町一夫を探すのだが…
内容としては尾道版やアニメ版ほどではないと思いますが、背景・エキストラも含めて細部まで1974年の風景が再現されており、ラストに関しても大変いい描写だと思いました。（正直言って尾道三部作版より悲しいラストでしたがそこが一番良かったです。）

正直明かすと自分もこの「時をかける少女」の最後の方の場面にエキストラ参加しています。自分としては現代劇のエキストラは基本やらないのですがエキストラ情報網の構築と作品が70年代の設定ということで参加しました。（後ロケ場所が近場の横浜桜木町だった。桜木町駅の近くの地下街でロケが行われました。）深夜ロケだったのですが100人以上のエキストラが集まり、これら全員を70年代の格好に徹底するのに相当時間がかかりました。（衣装に髪型に小道具にと大騒ぎでした。）
ちなみに自分は…

集合した際に着てた格好がスタッフから着替える必要なしと判断され、小道具の鞄を持たされただけでそのまま撮影参加しました。（苦笑）俺ってむかしもん？

そんな感じで明け方まで撮影に参加してたのですが、結局この映画上映時観ておらず、昨日レンタルで借りてやっと見ることになりました。自分がロケ参加した問題の場面ではしっかり後ろ姿が映ってたのに驚きました。（ジージャン姿で、アドリブで肩を組んだ酔っぱらった二人組の振りして歩いてたのでわかりやすかったです（笑））

ちなみにこのロケの時記念品として「時をかける少女」のロゴの入ったＴシャツをもらったのですが、未だに袖を通さずに箪笥の中に眠っております。別に記念にとってあるわけではなく、オタクっぽく見えてしまいそうで恥ずかしくて着れないのが理由です。（笑）