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つくしのつれづれノート


大河ドラマ「翔ぶが如く」(明治編)

「情の人」西郷隆盛と「理の人」大久保利通。親友同士の二人は力を合わせて討幕・明治維新を成し遂げた立役者となるも、征韓論で袂を分かちやがて西南戦争に突入する。それは二人の友情を全うするために避けては通れない道であった…

今司馬遼太郎原作の大河ドラマ「翔ぶが如く」を明治編に限り集中的に観ています。
「翔ぶが如く」は黒船来航~西南戦争までの幕末明治の動乱期を描いたいわゆる幕末大河の金字塔といえる大河ドラマです。平均視聴率も23%と08年「篤姫」に次いで高く(「篤姫」はラスト大奥メインとの変化球であり最高視聴率は「翔ぶが如く」の方が高い。)、幕末明治ものとしては王道と言える内容の為、真っ先におススメする大河です。
…とはいうものの実は原作の「翔ぶが如く」がドラマに該当するのはは征韓論~西南戦争までの明治編のみであり、幕末編は原作「翔ぶが如く」に書かれた幕末のエピソードに「竜馬がゆく」「花神」(共に大河ドラマ化されている)の長編と「最後の将軍」(これも後にモッくん主演で大河ドラマ化)「きつね馬」「酔って候」の短編作品を組み合わせたいわゆる「司馬遼太郎幕末オールスターズ」という感じになっています。(これは司馬小説全体に言えますが司馬小説って殆どの作品の世界観が共通してるのでスターシステム的な感じがします。)
ちなみにこの大河は薩摩人メインのドラマなため鹿児島弁の展開が著しく、一応標準語に影響された「唐芋標準語」(ノーマル鹿児島弁はもっとなんかだとか…)なのですがそれでも時々わかりづらい言葉に対して字幕説明がついてます。

さて内容についてですが…スペシャルドラマ「坂の上の雲」もそうでしたが明治というのが近代化の代償として庶民の生活に大変な負担を強いた重々しい時代であるため(それがWWⅡの破滅の伏線にもなっている)、ここの時代のドラマというのが大変人気なくこの「翔ぶが如く」も前年までの「独眼竜政宗」「武田信玄」「春日局」3年連続平均視聴率30%越えからガクンと下がってしまうのですが、それでも大変な骨太ドラマなので各キャラクターの演技が大変迫力あります。
特に征韓論をめぐって西郷と大久保が激突する「両雄対決」がすごくハラハラドキドキします。(っていうか西田敏行の西郷と鹿賀丈史の大久保が本物ソックリで各子孫から絶賛されているとか…)
この主人公以外で印象が深いのが西郷従道・大山巌(緒方直人と坂上忍。実際の写真よりほっそりしてるのが印象的。)に江藤新平(演:隆大介 佐賀の乱の後、暗黒裁判でいきなり梟首を言い渡され次のシーンで本当に首が晒されているという演出がすごく強烈でした。)・長州の伊藤博文(小倉久寛)と桂小五郎こと木戸孝允(田中健)です。
特に伊藤博文に関しては長州閥なのに大久保利通に傾倒する人間として行動を共にするため木戸が嫉妬してヒステリックになる場面が幾度もあり印象的でした。(これについては山県有朋も同様。実際伊藤は大久保死後に後継者として明治政府を切り盛りしてくわけでして…)
人間ドラマが充実してる分、原作にある西南戦争等の士族反乱はだいぶ割愛されていますが(その為「坂の上の雲」に続いて登場する乃木希典・川上操六・立見尚文等の西南戦争に係わった将兵がドラマでは出てきません。)、西南戦争の田原坂の戦いで薩軍の士族と抜刀隊や征討軍歩兵の政府軍が雨の中押し合い圧し合いの乱戦は大変迫力があります。

この昔の大河って今に比べれば映像面に未熟なところが少なからずあるのですが、その分強烈な画面作りと迫力のある演技に度肝を抜かされることが多いんですよね。スペシャルドラマ「坂の上の雲」も一昔前の大河の雰囲気を残している感じなのですが、演技面の迫力は明らかに「翔ぶが如く」の方に軍配を上げざるをえません。
骨太なドラマを今の大河には期待したい…「翔ぶが如く」をみてそう思った次第です。



えー、ちなみに私つくしはニコッとでサークル「大河ドラマ大好き!!」をやっています。メンバーはまだ少なく、興味を持った人ぜひ参加してください!!


追記…ちなみに「翔ぶが如く」最終回の薩軍最後の突撃の直前に西郷の前に出て切腹する薩摩兵がいるのですが、これが日露戦争のバルチック艦隊を撃滅した連合艦隊司令長官東郷平八郎の実の兄(小倉壮九郎)だったりします。ドラマでは名前が出てなかったので後に知った時大変驚きました。

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2012/04/28 22:33
ペッチ様…西郷隆盛は大の写真嫌いであったために肖像写真は一つも存在しないとされ、一般に知られている肖像写真と勘違いされているものは、西郷隆盛の弟西郷従道(後の元帥海軍大将で明治の元勲)といとこの大山巌(元帥陸軍大将で明治の元勲。日露戦争の陸戦の総司令官)から見られる西郷隆盛の特徴をミックスさせた肖像画なんです。(確か西郷従道の顔立ちに大山巌の体格をミックスして隆盛っぽくしたもの。)描いたのは明治帝(この人も写真嫌いで写真は数えるほどしかない。)の肖像画を描いたエドアルド・キヨッソーネであり、この人と西郷は面識はないため、もし西郷本人がこの肖像画を眺めたら別人と感じるかもしれません。(笑)
ただ西郷と面識のある関係者からは似てないというクレームは出ておらず、かなり実像に近いのではないかと思います。ただし西郷と面識のあるものが描いた肖像画から福耳ではなかったそうです。

西郷像についてよく言われるのが上野の西郷さんの銅像(高村光雲作)が建立されたとき、隆盛の妻いとが「夫はこんな銅像のような人じゃなかった」と言ったことが後々まで西郷の肖像について議論を巻き起こしている次第ですが、これについては諸説あり隆盛が外出時にあんなラフな格好ではなかったということを意味してるという説があります。当時の銅像は正装が当たり前であったので、軍服でないあの西郷さんは異色な存在でありそこから来る落胆だったというのです。何せ明治の元勲とはいえ日本最後の内戦たる西南戦争の賊軍の大将たる西郷さんの銅像に正装させるわけにはいかなかったのだそうです。

ちなみに最後は下ネタになりますが西郷はフィラリアを患っており、その後遺症から来る象皮症によっていわゆる金玉が西南戦争時にはドッジボール大になっており、城山総攻撃によって西郷が自刃した後、政府軍は首無し死体となってた西郷をこの膨れ上がった金玉によって簡単に見つけることができたということです。
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2012/04/28 21:54
西郷どんの人相について、本当はあの有名な写真は別人って説もありますね。
でも西田さんが似てるって子孫の方々が仰ってるなら、やっぱりあの写真は本物なのかも知れませんね。
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2012/04/27 22:39
オウギガヤツさま、コメントありがとうございます。なんとなく長州関連で食いつくなと思ってました。(笑)上記のとおり大河ドラマ「翔ぶが如く」は「司馬遼太郎幕末オールスターズ」と言っていい内容な為、多くの長州人が登場し明治編については木戸孝允・伊藤博文・山形有朋を中心に活躍してました。
他、井上馨・大村益次郎・品川弥二郎などがこの大河に登場してるのですがその中に後の日露戦争の総参謀長の児玉源太郎がいるのには驚きました。(原作では神風連の乱・西南戦争で活躍する当時陸軍のホープと期待大の若き参謀として登場します。)あくまで今のところ資料上の発見な為まだ視認しておらず、幕末編か明治編か一体どこに登場してるのかすごく気になります。
ちなみに「翔ぶが如く」明治編では一番強烈だったのは薩摩人でも長州人でもなく、佐賀の江藤新平が佐賀の乱の戦犯として暗黒裁判の後すぐに晒し首になった場面です。

「翔ぶが如く」が薩摩人メインの大河であれば長州人メインの大河ドラマが日本陸軍の父といわれる大村益次郎を主人公にした77年「花神」(これも司馬遼太郎原作。総集編が現存・ソフト化)があります。
まだ原作共々未見なのですが「翔ぶが如く」の双璧をなす幕末大河としてスゴイ興味があります。
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2012/04/27 20:55
木戸さん性格が悪い意味で女性的だから(笑)いや、愚痴の多さも好きですけど。突然井上見捨てられてたりしてるけど。情が深いと言うことでどうでしょうか。そしてお約束のように長州だけに食いついててすみません。大久保さんも好きです。実務能力的に官僚の鏡だと思っております。そして、「翔ぶが如く」大河ドラマのも観たはずなんですが、イマイチ記憶が・・・




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