アニメ「一休さん」のドラマ化に驚かされました。
往年の名作アニメ（仏教大国タイでは超人気）言いながらも描かれている時代が正真正銘の室町時代なわけで、正真正銘の室町時代（室町幕府初期・末期の南北朝時代でも戦国時代でもない完璧な室町時代。）を描いた実写ドラマってものすごくレアなんです!!


室町幕府が天皇に叛旗を翻して成立した政権という印象がいまだに根強く、かつ各時代の中で知名度の高い人が最も少ないためにドラマ化が難しいのです。
唯一の室町大河で応仁の乱を描いた94年「花の乱」（主役は8代将軍足利義政の妻・日野富子。一休さんも主要登場人物として登場します。ちなみに室町初代将軍・足利尊氏を描いた「太平記」は鎌倉末期～南北朝時代を描いた大河であり、室町時代ドラマとはいえない。）は最近の大河に比べたら良くできてる方なのかもしれませんが、歴代大河の中で平均視聴率が最も低く、以後室町大河はタブーとなってるみたいな有様…

今回のドラマで一番の大事件は原作アニメと同じく一休の少年時代（演じてるのが鈴木福君だから幼児？）ということでなので当然ともいうべきなんでしょうが、

室町三代将軍足利義満が実写で登場するということ!
この一点に尽きます!!

足利義満の実写映像登場はおそらく歴史上初だと思われます。
この足利義満は日本史上唯一の天皇の位を奪おうとしたとされる（義満は征夷大将軍で武家のトップだけでなく、源氏長者と太政大臣で公家のトップ、さらに出家して准后という位で仏教界のトップにも手を伸ばすあらゆるジャンルのトップを極めた人物であり、残るは皇位だけだったのです。）歴史人物であるタブー的な存在だっただけに、
この実写映像の登場にメチャメチャ感動しました!!

しかし欲を言えば義満役は東山紀之ではなく「平清盛」の松山ケンイチだったらよかったなあ。
肖像と逸話からして足利義満は平清盛と似た印象があるので…
でも東山紀之のいかにも権力者的な演技もとても新鮮でした。（時代劇だと忠臣蔵大河「元禄繚乱」で演じた浅野内匠頭のような繊細なイメージがぴったりだっただけに…）


一休さんはアニメや今回のドラマではかわいらしい印象を持っていますが、
実在の一休宗純は肖像画は無精ひげの薄汚いおっさんで、酒や肉を喰らい女を侍らす破戒僧だったりします。（加えて外出時には刀を差したり、杖の頭にに髑髏を付けたりと奇抜な逸話がとても多い）

とはいうものこれは当時戒律ばかり厳しく中身が空っぽになりつつあった見掛け倒しの仏教への警鐘を鳴らしたものだとされ、一休さんの宗派である臨済宗思想から来るものなのだそうです。
こうした一休さんの何物にもとらわれない自由奔放な生き方が共感を呼んで、アニメや今回のドラマに至る一休頓知話に繋がるわけです。
ちなみに一休さんは天皇の落胤説が有力であり、一休の墓は宮内庁管理の皇族の墓ということで参拝はできません。（また足利義満の隠し子説もある。）


ちなみに自分のベスト一休は大河ドラマ「花の乱」の奥田英二演じるリアル一休だったりします。
逸話に基づき外出に髑髏の杖に髑髏のお面をかぶり、愛人とされる盲目の芸者である森侍者が登場、身分にかかわらずものを申す自由度の高い登場人物として大活躍してました。（しかし「花の乱」内容が大変暗い内容の為、平均視聴率は歴代大河最低となってしまいます。ただ各キャストの演技は高評価だったりします。）



今回の「一休さん」で残念だったこと・・・
子坊主のドラマなのにマルコメみそのＣＭがないこと!!
めちゃくちゃ残念!!





最後に…
一休さんのお供のお侍の新右衛門さん（蜷川親当）はＫ１ファイター武蔵のご先祖様にあたる実在人物であり（「トリビアの泉」でやってました）、
実は一休さんより年下だったりします。

以上！一休でした!!



ハ～イ、おもしろかった?



追記…春先に挫折した岩手の時代劇エキストラですが、題名不明なもののフジテレビの時代劇だということであり、恐らくこの時のエキストラが「一休さん」だったのかもしれません。
まさか室町ドラマロケとは…