Nicotto Town


つくしのつれづれノート


来年の新大河「八重の桜」

※自分が立ちあげた大河サークルでも「八重の桜」について書いてますが、こちらはサークル記事以上に批判的に書いてます。

大河「平清盛」が最終回を迎えいよいよ新年から新大河「八重の桜」が始まります。
主人公は明治の会津人の女性・新島八重。
東日本大震災の復興プロジェクトの一環として本来やるはずだった題材を急きょ変更して決まった大河ドラマだということです。
大河ドラマとしては27年ぶりに明治後半以降が描かれる大河ドラマだそうです。(戦後の復興を描いた86年の「いのち」以来のこと)

表面的には京都の同志社大学を設立した新島襄の妻であり自身も教育者という側面を持った人物なんですが、戊辰戦争・会津戦争では最新式のスペンサー連発銃を手にして新政府軍と戦い(故に日本のジャンヌダルクというのは持ち上げ過ぎだと思うのですが…)、日清・日露の両戦役で看護団を編成して傷病兵の手当てを行ったことで(従軍看護婦として戦地に赴いたわけではなく、内地に送り返された傷病兵を大阪で看護した篤志看護婦として活躍。)、大正時代が終わって昭和天皇が即位した際に表彰されるという、当時として非常に先進的な女性です。
ただその振る舞いがあまりにアクが強すぎる為周囲からも沢山の軋轢を生み、生前から烈婦・鵺(様々な動物をつなぎ合わ多様なバケモノ)・悪妻という悪名を持った賛否両論のある人物なんです。同志社とも折り合いがよくなかったそうであり、夫の新島襄の死後同志社とは疎遠になったみたいです。
もちろん当時と現在の価値観の相違から評価は変わるものなんですが(当時の八重をハンサムウーマンと評価するものもいたわけで…)は、その中でも最も際立っているのは
同志社に入った薩長出身の学生を冷遇するという差別まがいのことをした点です。

八重からしてみれば故郷を滅亡同然にして国家の中枢になりあがってる連中を快く思わないのは当全であり、薩長出身の学生をいじめたくなる気持ちもわからないでもないのですが、いくら薩長出身者とはいえ当時の動乱に関わりもない人間を出身地だけで冷遇するのは教育者としてどうかとも思うのです。
不幸な経歴が由来してるためとはいえ大河ドラマ史上最も扱いづらい非常にデリケートな題材を、何やってもヘタに味付けしてそっぽを向かれてしまう昨今の大河製作陣が選んでしまったこと自体、製作発表された時点で信じられませんでした。
今年夏に表面化して社会問題となっているいじめ問題が騒がれている中で、その印象はますます悪くい様に思え、こんなご時世にいじめを主導してるともとらえかねない人物を主人公にした結果、大河ドラマ枠自体の存亡に関わりやしないかと大変不安になっています。(だからと言ってなかったことにしてしまったら「天地人」と同様のステレオタイプになってしまう為、とにかくヘタに描けない題材です。)



こうもマイナスポイントをあげつらって反対意見ばっかり言っているのは、同時代の会津人女性で新島八重よりも経歴・功績が格段に上という人物が存在するのにもかかわらず、その人物を差し置いて新島八重を題材にしていることに不満を持っているからです。
その人物は大山捨松(旧姓山川)といい、幼少時に経験した会津戦争後に岩倉使節団の留学生としてアメリカに留学し、帰国後仇敵である薩摩の実力者大山厳(西郷隆盛の従弟で日露戦争の陸軍総司令官)と結婚(しかも半ば恋愛結婚!!)。鹿鳴館や津田梅子の津田塾大学の創設などイメージもスケールも逸話の数も新島八重よりも格段に上なんです。
この捨松の山川家は会津藩の家老の家柄である為、「八重の桜」でも捨松をはじめとする山川一族が序盤から登場します。(っていうかこの一族は捨松以外にも帝大の総長に(当時の国立大学を総括している長)や日本の頭脳である筑波大の学長など全体的に日本に影響を及ぼした教育者をまとめて輩出しています。)
故に去年「八重の桜」の製作が発表された時ひどく落胆しました。
復興プロジェクトの名のもとにやみくもに新島八重を題材にしたんじゃないだろうな…

そんなわけで来年アンチ「八重の桜」として大山捨松を題材にした記事を不定期連載で掲載していこうと考えています。
興味をもたれた方がおりましたら是非のぞいてみてください。



「平清盛」終了直後に流れた予告や本屋においてあるガイドブックをすでに拝見してますが、ビジュアル的に時代劇として手堅い作りになっているようです。
ただ舞台が幕末~昭和初期の近代という大河ドラマとして最も不人気なジャンルなる為(元来幕末時代劇は年末正月時代劇で民放との競合が昔から激しいんです。明治ジャンルで最大のスケールである「坂の上の雲」の視聴率は「平清盛」よりちょっと高いくらいで、「篤姫」のヒットでさえ当時大半の人間がが予想しなかったため大変驚かされました。)、その題材と合わせて今年以上にシビアな結果になってしまうかもしれません。
製作者もその点を理解してるみたいで、予告のPRでもやたら幕末を連呼していました。ガイドブックの内容も鑑みるに、ペリー来航~会津戦争までの幕末編で2,3ヶ月引っ張るもくろみみたいです。最初にクライマックスを持って気を引いてそのあと一気に人気が暴落するんだろうなあ…
ただその会津戦争についても正月時代劇で民放がフライング的に「白虎隊」を放送するため、そのクライマックスからのスタートですら不発になるかもしれません。(この手の放送方法寄生虫というか本当にえげつないです。卑怯だ!!)

私つくしは両方とも見るつもりですが「八重の桜」については大河ドラマよりも86年に放送されたどう時代を描いた連続テレビ小説「はね駒」(斉藤由貴主演 明治の実在の女流新聞記者をモデルにしたドラマで平均視聴率は40%を超える。舞台が会津のとなりの二本松である為、口調が「八重の桜」と同じ。「独眼竜政宗」でブレイクする直前の渡辺謙がヒロインの夫役で登場しています。)と比較して観るつもりです。現行の大河の体たらくからして「八重の桜」と「はね駒」では、巨人と相撲を取るような感覚で勝負にもならないかもしれませんが…

ちなみに予告は上記のとおり時代劇として非常に手堅い印象を受けました。しかし、最もも釘づけになったシーンは、ドラマ本編とほとんどかかわらなさそうな南北戦争の戦闘シーンでした。(外人の軍装や軍旗の模様から識別できます。かの名高いゲティスバーグの戦いでしょうか?あのシーンの為だけに絶対海外ロケしてるだろ。)
明らかに「坂の上の雲」で描いた日露戦争のシーンと同等かそれ以上のクオリティのある映像でした。
っていうか不安要素バリバリなのになんで本編と無関係なところに金をかけてんるんだよ!!(怒)
(あのシーンより実のある内容ならそれでいいのですが、その可能性は限りなく低い…っていうか「八重の桜」をやめて、南北戦争の大河ドラマにすりゃあいいじゃんか!!)


兎にも角にもこの「八重の桜」。くれぐれも福島・会津の評判を落とすマネだけはしてほしくないものです。(自分も隣の福島郡山を第3の故郷としてるためマジで切実です
。)

アバター
2012/12/25 15:04
本当に大河サークルの方よりも・・・ですね(笑)
とりあえず、自分は、司馬さんで幕末明治にハマッたため、基本長州派ですから。あんまり悪役強調されないことのみを期待してます~。
むしろ、つくし様の大河対比不定期連載の方に期待してます♪
アバター
2012/12/24 23:09
蘭丸様へ…近代はどうしても太平洋戦争へつながる暗い印象ばかりを授業で植えつけられてる印象からどうしても人気が出ないんですよね。よくて幕末までって感じで…
ただ予告を見る限りでは幕末編は時代劇としてかなり手堅い作りになってそうですよ。(今年の「平清盛」や「天地人」は独特すぎたりハッチャけ過ぎたりして中々ついていけなかっただけに…)

そういえば去年夏に「八重の桜」が製作発表された時に震災直後だというのに綾瀬はるかが不謹慎発言を早速かましてましたね(苦笑)
アバター
2012/12/24 22:32
綾瀬はるかが
どういうキャラ設定されているのか気になって楽しみにしていますが、
言われてみればかなりデリケートな作品ですね・・・

近代史は内容が固いというか
人間の欲があいまってどうも苦手・・・
アバター
2012/12/24 18:18
kantyou様へ…映像のクオリティ自体は年々上がってるんですが、ドラマや劇映画においてはストーリーを盛り上げる補助的な道具に過ぎないんですよね。
それを顧みないで映像ばかり凝ってストーリーが劣化の一途をたどってるのが最近の大河ドラマなんだと思います。
映像技術が未熟だった頃は脚本で見せていたので大河ドラマの面白さが今と全然違いますね。
アバター
2012/12/24 18:05
年々確実に大河ドラマのクオリティは下がっている感がありますね。
アバター
2012/12/24 14:07
サンテ様へ…最初の勢いだけで途中からは清盛以上にテコ入れが望めない気がします。アテルイの方は原作者が大河「炎立つ」「北条時宗」と同じなので内容は骨太ドラマになりそうで期待がかかります。(よくわかってない古代史が舞台だから、ビジュアルが韓流ぽかったですが(笑))
題材に新島八重はNHKは自ら墓穴を掘ったような浅はかな判断だと思います。
アバター
2012/12/24 08:26
もともとなんだかつまらなそうだなーとは思っていたのですが、
ご解説を読んで更にああー、という感じです。
東北応援ということなら、今度やるアテルイとか、白虎隊で十分(笑)
分かりやすいし!
アバター
2012/12/24 01:39
吉乃様へ…期待できるのは最初の2,3ヶ月だけでしょうね。それ以降はどう頑張っても連続テレビ小説以上の出来栄えにはならないと思います。そこだけは楽しむつもりですが、正月時代劇の「白虎隊」で飽きる人もいそうですね…
大山厳・捨松夫婦を主人公にすれば太閤記系列や「功名が辻」みたいな夫婦大河として対立と和解・力を合わせて国の発展というドラマが描けてイメージも大変良いんですが…
アバター
2012/12/24 01:30
来年の大河も期待できそうにないわねえ
できれば再来年ちゃんとした物で来ていればいいなぁと思う今日この頃です(´-ω-`)




Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.