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つくしのつれづれノート


蜘蛛巣城(57年 黒澤明監督作品)

私ミカサの住む鎌倉には現在新作を上映する映画館は皆無なんですけど、川喜多映画記念館という博物館で古い映画の上映会を定期的にやっているんです。今月から往年の東宝映画スター特集をやっているということで、先週三船敏郎主演の黒澤明監督作品「蜘蛛巣城」を観に行きました。
この映画はシェイクスピアの「マクベス」を戦国時代の時代劇に置き換えた翻案映画なのですが、そのあまりの完成度の高さから
皮肉にも「マクベス」映像作品の中の最高傑作と喧伝されている映画だったりします。どんだけ本家情けないんだよ!!(怒))

その内容はこちら
愚直な武将・鷲津義時(三船敏郎)は戦で武功を立てた帰り、迷いの森「蜘蛛手の森」のもののけから「近い将来主君の城・蜘蛛巣城の主になる」という予言を耳にする。その予言を夫から聞いた悪妻(山田五十鈴)の扇動によって義時は主君を殺し蜘蛛巣城のある時になった。しかしその後保身から義時を支えた親友(千秋実)を殺し、恐怖政治を敷いたことから蜘蛛巣城は大勢の敵味方からの攻撃にさらされ、義時は破滅的な最期を迎えることになる…


とにかくすごいの一言です。
映画の為に富士山二合目に建設された蜘蛛巣城の巨大セット(城のデザインはその後の黒澤明の「乱」や山崎監督の実写版戦国しんちゃん「BALLAD」に流量されてるように思われる。)に延べ数万人を動員した大迫力の戦国軍勢の動員シーン。
そして何よりもクライマックスの裏切った家来たちにから放たれる無数の矢にさらされる三船敏郎は圧巻!
恐怖の表情を表情を表現するために本物の矢を三船に向けて放ったという逸話
は語り草になっております。(映画館で見て失神した観客がいたとか…あとこの撮影最大の被害者・三船敏郎は後に酔った勢いでショットガンを片手に黒澤監督の家まで言って仕返しに行ったというのが東宝の伝説なっております。黒澤の野郎、あいつバズーカ砲でぶっ殺してやる!」が三船の口癖になっていたとか…)


そんな派手なアクションシーンがやたら話題となるこの映画なのですが、この「蜘蛛巣城」の各キャストの演技は歌舞伎や能などの型にハマった伝統芸能の動きを発展させたということであり、それまでの時代劇の型を破る為に大半のキャストを時代劇未経験者で固めた黒澤明最大の傑作「七人の侍」とは一見似てるようで実は本質がまったくの対極に位置する映画だと言えます。(二つの映画のキャストの動きを見比べるとそれがよくわかります。)

私ミカサ個人から言うと黒澤映画のファンとして家で録画しているビデオで何十勝ち音見ているのですが、大スクリーンで見るのとは全然わけが違います。
正直今上映されてる新作映画とは比にならないくらい面白いです。
みなさんも一度は黒澤作品をご覧になってください。





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