≪原作版≫風の谷のナウシカ
- カテゴリ:マンガ
- 2013/10/28 03:09:53
秋に読みたいマンガとしてこれしか連想できませんでした。
なんといっても「秋の夜長」と申しますから、大長編の読み応えのあるストーリーマンガが秋に一番ピッタリだと思うのです。
「ドラゴンボール」や「ワンピース」のような少年漫画を挙げたいところですが、ハラハラドキドキの少年漫画はハマると巻数の長さ関係なく短時間でイッキ読みしてしまうので除外しました。「ナウシカ」は総ページ数こそそれらには及びませんが、ストーリーの濃さは長編少年漫画数十巻分に匹敵すると思います。
まあ「ワンピース」は一気読みできる量を超えた巻数になってますが…
(アニメが始まった当初からしたら信じられない人気の高さですが、私ミカサは未だ終わる目途の立たないこの漫画に挫折しましたwww)
…でこの≪原作版≫「風の谷のナウシカ」について
まあ、文字通り超有名なジブリアニメ「風の谷のナウシカ」(正確にはスタジオジブリ製作じゃないんだけど…)の原作に当たる監督・宮崎駿が執筆・連載したマンガです。
資料によると当時アニメ雑誌「アニメージュ」の編集長だった後のジブリプロデューサー・鈴木敏夫がパヤオ監督でアニメ化させる前提で出来たマンガだということらしいです。(アニメ化が具体的になるまでかなり二転三転してるようですが…)
1982年に連載が始まり、アニメ映画として「ナウシカ」が公開された後も連載中断・再回を繰り返しながら執筆が続けられ(パヤオ監督作品の制作の合間を縫って執筆したんだろうなあ…)、
完結したのはなんとジブリアニメ「耳すませば」公開直前の95年!!
約12年よく続いたなあ…
なおアニメ版と原作版は世界観と基本設定は同じですが、アニメ版は製作当時までに描きあげた内容をベース(あくまで原作の序盤に過ぎない)に長編映画一本分に仕立てた挙げたものなので主要ストーリーはまっったくことなった展開を繰り広げます。
感想だけ先に言わせてもらえば、
原作版を最後まで読んだらアニメ版は確実にショボく感じます。
ってなわけで以下は原作版「ナウシカ」のあらすじ↓
物語は最終戦争から千年後、科学文明が崩壊し腐海の広がる汚染された大地と巨大な虫が人間を脅かしてる世界が舞台
東の軍事大国トルメキアと西の宗教大国ドルク連合が対立し、腐海のほとりに多数ある辺境小国はトルメキアを盟主に同盟を結んでいる。
辺境の小国「風の谷」の姫ナウシカは人々が忌み嫌う腐海と虫を愛でる風使いの少女。腐海を行き来しているうちに人間を脅かす腐海が汚染された大地を浄化する役割を果たしてるのではと感じている。
やがてトルメキアとドルクの全面戦争トルメキア戦役が始まり、ナウシカは同盟の約定でトルメキア軍に従軍することになる。
トルメキア戦役は優勢だったトルメキア軍を撃退するためにドルク軍が使用した生物兵器が元でトルメキア軍は壊滅・大国ドルクの領土の大半が腐海に沈んで滅亡する大惨事となる。
誰もが人類の滅亡を予感する絶望的な状況の中、ナウシカは人類の生存を脅かす腐海が広がっていく世界の意味の核心に近づいていく。
やがて腐海を取り巻く世界の秘密が明らかになった時、ナウシカは人類の進むべき道の選択を迫られるようになる。
果たしてナウシカの選んだ道は…!?
…う~ん、あらすじだけなのに長い!
長すぎる!!
でも内容があまりにも濃すぎてこれ以上の要約は私ミカサにはムリ!!
原作版ナウシカを読んだのは中学生になってからなんですが、この記事を描くにあたって読み返している今でさえこの漫画について新発見するような、ストーリーを完全に把握しきれてない状況なわけでして…
上記のとおり「ナウシカ」はパヤオによるオリジナルアニメの原作となるべく誕生したマンガなのですが、
パヤオは確信犯的にアニメで絶対描けないような内容に仕立て上げていますね。
アニメのベースになった原作の序盤部分だけ見ても壮大すぎて、そのままアニメ化したら確実に中途半端確実なところを1話完結の長編にキチンと収まる内容に作り替えているのに驚きを隠せないですね。
原作版を読んだ後ではアニメ版の風の谷を舞台に巨神兵を巡る争いを展開する単純なストーリーがあまりにも両極端すぎて、
同一作品にはとても見えません。
そう感じるほどアニメのその後に相当する続きがあまりにも壮大すぎるので、ナウシカの続編アニメに対するオファーが後を絶たなかったそうです。
なかでも「ナウシカ」がアニメーターデビューをした庵野秀明監督(エヴァの監督・「風立ちぬ」主人公堀越二郎のCV)なんかはトルメキア皇女・クシャナを主役にした戦記物を作りたいとパヤオに打診したとか…
パヤオはその全てを断っています。
「風立ちぬ」公開後に行った引退会見でもナウシカの続編を作らないとあらためて明言したみたいですし…
ようするにナウシカの全貌を映画化することが不可能だと監督自身が感じてるんでしょうね。
その中で巨神兵が東京壊滅させる状況を樋口真嗣監督による特撮で描いた「巨視兵東京に現る」にパヤオのゴーサインで実現に至ったが奇跡に感じますね。
兎にも角にも完全映像化は不可能といわれるこの「風の谷のナウシカ」≪原作版≫
秋の夜長に読んでみて現在地球温暖化などの環境問題について大いに考えてみてはいかがでしょうか…?
ちなみに物語が完結しナウシカが最後につぶやいたセリフが
「生きねば…」でした。
あれ?「風立ちぬ」と見事にかぶっとるwww
要するにパヤオが全作品に込めたテーマが終始一貫してるってことなのでしょうね。
わたし、銀河鉄道999ファンです。
小さい頃、家の塀に映画のポスターを掲げていて、チケットがきたため
東映時代劇を観て育ちました。美空ひばりファンになりました。
鼠小僧とかお姫様の変化スタイルで若侍とか。かっこ良かったなあ。
宮﨑さんは政治姿勢を自分なりに問う時間がほしかったのではないかな。
美化しすぎかな?
NHKの番組で、ハンセン氏病の記念館を訪ねてコメント出してましたから
次はドキュメンタリーとかやってみたら、いい作品になるんじゃないかなんて、勝手に期待してます。
しかしなんにでも政治を絡めようとする連中はとんでもないマナー違反野郎ですね。
もちろん創作作品って様々な思惑の元に作られているんですが、どんな思惑であれ面白い作品は主義主張関係なしに面白いと愛でるのが一番健全だと思います。(自分だってソ連のプロパガンダ映画「戦艦ポチョムキン」大好きだし…)
宮﨑駿のように「夢多きいつまでも少年少女」の人間が心を表現できるような時にしたいものです。宮﨑駿があのまま引退するはずがないと言いたいところですが、あれだけ酷評されると政治局面がらみなだけに辛いかな?確か九条の会ではなかったかしら?
私ミカサも宮崎が若いころ関わった「どうぶつ宝島」とか大好きです。
若いころから自分の作りたい物へ向け貪欲なればこそあれだけの大作を作り続けられたんだろうなと思います。
アニメ監督の引退を宣言してますが、その貪欲さが失われたとは到底思えず、絶対もう一度動き出そうとするのではないでしょうか。(あの爺さんがあのまま隠居して死ぬとは思えんwww)
「風立ちぬ」は自分の好きなジャンルなんで好きですが、くらい過酷な時代が舞台なのに、キャッチフレーズの「生きねば」を集約するための後半の展開が不十分だったように思います。
ヒロイン・菜穂子さんとの死別や二郎がてがけた軍用機がどのような運命をたどるかなどのラストへの具体的な描写が割愛のせいで、高畑勲の「火垂るの墓」のように非情になりきれてなくて中途半端だったように感じました。(ハッピーエンド中心の宮崎駿の限界とも言えますが…)
それでもアニメ版「風の谷のナウシカ」より大好きなんですけどねwww
原作版とのギャップ考えさせられることが多かったです。絶句したくらいの衝撃でした。
わたしは宮崎駿が若い頃所属していたT映画会社の縁戚企業に勤務していたため、その時代の宮崎アニメ作品を観ていました。当時いっしょに働いていた方から「自分が描きたいものと違う」と言っていたと聞きますが、心の在り様がほのぼのしながら信念をもって行動するところが個性として表れていると思います。「紅の豚」から「風立ちぬ」まで、どれも基本が同じで宮崎駿の自分の根底にある揺るぎない「言いたいこと」をくりかえしイメージチェンジしていく発想法がずば抜けているのだなと感心しています。セリフまでかぶっていますか。宮崎駿は同じ作り方をしているのに、ナウシカは絶賛され「風立ぬ」は荒さがしされる。時代の流れは恐ろしいものです。
みかささんの記事を読みながらイメージを膨らませつつ、「風の谷のナウシカ」原作版を読んでみたいという気持ちになりました。
素敵な記事をありがとう