Nicotto Town


つくしのつれづれノート


独眼竜 伊達政宗の鎧


ニコッとでこのような鎧アイテムが登場したので、今回は間違いなく鎧のデザインのモデルになっているであろう戦国武将・伊達政宗の鎧について書きたいと思います。


伊達政宗といえば仙台62万石の大大名
(内2万石は滋賀県内の飛地だったりする。)
現山形県の米沢城で生まれ18歳で家督を継いでから破竹の勢いで周辺の有力大名を滅ぼして五年前後で東北に一大勢力を築き上げ、
(その勢力拡大は米沢50万石→150万石というすさまじいものだったという…)
後に豊臣秀吉や徳川家康などの天下人を前にして屈服して本領の米沢から仙台62万石に押し込められてしまったわけですが、それでも隙あらば瞬く間に天下を奪う野心があるのではと死ぬまで警戒されたという凄腕の武将です。

(なお江戸時代の政宗は治水事業と新田開拓で石高収入の倍増に着手や(仙台藩62万石は実質200万石以上あったという。)特産品開発に力を入れ、一方で能などの文化芸能を奨励して中央での儀礼外交力を強化した江戸大名の第一号といわれる。)

その政宗のシンボルが弦月の金の前立を兜につけた漆黒の戦国甲冑なわけです。

この甲冑は正式名称を「黒漆五枚胴具足」といい
胴周りを五枚の鉄板で構成した極めて堅牢な鎧であり、さらにシンプルな漆黒の鎧に金の弦月の前立が映えるという実戦ようながらも美的センスの優れた鎧なのです。
この伊達政宗の黒漆五枚胴具足の甲冑スタイルを通称「雪下胴具足」(仙台胴ともいう)といい、伊達政宗がわたしミカサの住む鎌倉の雪下(雪下は鶴岡八幡宮裏手の地名であり、鎌倉時代に氷室が存在したことに由来する。)に住んでいた甲冑職人を召し抱えたことで誕生したのだそうです。
資料によると政宗は家督を継いで間もないころに起きた1586年の人取橋の合戦(政宗の父輝宗の死をきっかけに北関東の佐竹と伊達と敵対する周辺勢力の大連合軍3万と伊達軍7000が激突した合戦。結果は痛み分け。)の頃には黒漆胴具足を着用してたそうであり、以降政宗最後の合戦である1614~1615年の大阪の陣までずっとこの黒漆五枚胴具足を愛用していたということです。

…でこの政宗のの黒漆五枚胴具足ですが
実はほぼ同じデザインの黒漆五枚胴具足が複数存在します。
いわゆる武将が予備に用意した召替具足と呼ばれるものであり、わたしミカサの知る限り政宗の黒漆五枚胴具足は4領存在します。

詳しく説明すると
・もっとも有名な国の重要文化財になっているものも含む2領を仙台の政宗の居城青葉城二の丸にある仙台市博物館が所蔵。なお仙台市博物館では政宗が黒漆五枚胴具足を手に入れる前に着用していた古式の胴丸がも所蔵している。
・当時仙台藩領内であった奥州市の駒形神社に奉納されたのが1領。この鎧は弦月ではなく梵字と大日如来を現す大輪抜という前立が付いているが、構造はテレビで見かける政宗の鎧のデザインに一番近い。
・仙台市内にある政宗の墓所・瑞鳳殿にて政宗の遺骨と共に副葬品として発掘されたもの(戦災で焼失した伊達家の墓所の復元の際に調査で見つかったもの。副葬品の黒漆五枚胴具足は上記の人取り橋の合戦以来常に最前線で使われた甲冑であり、矢玉で傷だらけながらも政宗の1番の愛用品だったことがわかる。なお遺骨を調べた結果政宗は身長165センチ・血液型B型ということが判明している。遺骨と甲冑は調査の後一緒に元の墓所に埋葬されたという。)
という感じであります。

上記のことから黒漆胴具足が政宗の愛用品だったことがよくわかりますが、この黒漆五枚胴具足は仙台藩祖・伊達政宗の愛用品だっただけではなく、
政宗以降の歴代仙台藩主から重臣、末端の足軽に至るまでこの黒漆胴具足を装備することになっていたそうです。

なんか彦根藩のひこにゃん兜の藩主から足軽に至るまで赤で統一された井伊の赤備えみたいですね。(井伊家の家臣団の多くは滅亡した戦国大名武田家の旧臣で構成されており、赤備えで名高かった武田家にあやかったものだといわれる。)
この歴代仙台藩主と各家臣の黒漆五枚胴具足も政宗の鎧と共に仙台市博物館にまとめて展示してあります。
まさに黒漆五枚胴具足はチーム仙台のユニフォームだったのです。





…それから、時は流れた現代
伊達政宗の黒漆五枚胴具足はとあるできごとをきっかけに世界中の映画・アニメなどのサブカル文化に影響を与えることになります。
それが1977年の「スター・ウォーズ」の公開
(現在の「EPⅣ 新たなる希望」)
銀河を支配する凶悪な帝国軍と反乱軍の宇宙戦争を描いたこの作品の人気の要になったのが最もマスクをかぶり全身黒一色で統一された名悪役ダース・ベイダーなわけすが(っていうか新旧6部作の真の主役ですな)、
このダース・ベイダーのマスクのデザインのモデルになったのが政宗の兜だったりします。

これはガセではなく「スター・ウォーズ」の美術資料の中にしっかりと十分となっている伊達政宗の黒漆五枚胴具足の写真が掲載されていることからも明らかになっています。(なお政宗の兜以外にWWⅡのドイツ軍のフリッツヘルメットのデザインも組み込まれているという)
この事実を黒漆五枚胴具足を所蔵する仙台市博物館側が知ったのはここ数年前のことらしく、ニュースにもなってました。
個人的には何をいまさら…って感じなのですがwww

ここで重要なのは世界的大ヒットとなった「スター・ウォーズ」シリーズによって
ダース・ベイダーの仮面をかぶった悪役という要素がSFをはじめとする様々な映画やアニメで広がったということ。
その中でも特に有名なのが「機動戦士ガンダム」の赤い彗星のシャアだったりします。
うーん、伊達政宗の黒漆五枚胴具足がダース・ベイダーを経由してシャアにまでつながっちゃったよwww
要するに黒漆五枚胴具足に代表される伊達政宗の美的センスはどんなに時代を経ても決して色あせることのない斬新さを誇っているということなんでしょうね。



ちなみに黒漆五枚胴具足とは別に伊達政宗自身が脚光を浴びるようになったのは「スター・ウォーズ」のさらに後の、
1987年の大河ドラマ「独眼竜政宗」の大ヒットと比較的最近のことなんです。
というのも伊達政宗の半生は信長・秀吉・家康ら天下人が活躍する中央に比べたらマイナーな東北を舞台にしており(伊達政宗が戦国武将としても暴れまわったのは山形の米沢から福島県なんですね。)、時代が戦国時代であっても非常に扱いにくい題材なんです。(今大河にしたら見向きもされないほどマイナーな要素が多いわけで…)
そんなデリケートな題材を後に世界的な大俳優となる渡辺謙による強烈な政宗をはじめとして脇役陣もしっかり固めたキャストとスタッフによって、大河ドラマ歴代最高の平均視聴率39,7%を記録して歴代全53作の大河ドラマの頂点に君臨しているのは驚異というほかなく、現在に比べれば当時の大河ドラマ製作サイドがどれだけ凄かったのかをうかがい知ることができます。

ハッキリ言って「独眼竜政宗」がなければ「戦国BASARA」の政宗も、今回の今回のニコッとの政宗風の甲冑アイテムも存在しなかったでしょうね。










ちなみにわたしの政宗コーデは「独眼竜政宗」のOP映像を基にしています。
ちなみに只今「独眼竜政宗」は四月からNHKのBSプレミアムで毎週土曜午後6時から再放送しております。
レンタルでも置いてある作品ですが、この歴代大河最高の作品をこの機会に観てみてはいかがでしょうか?

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2014/05/01 21:09
家主(≡▽≡)Z様へ…政宗は本当にすごかったです。私ミカサは再放送越しなんですが最近の大河で無くなったアヴァンでの歴史説明とか今に至る大河ドラマの基本形はこの政宗から作られたといっても過言ではありません。なんといってもドラマ演出が素晴らしいですよね。最近の大河はアクがなくて物足りないです。

ガンダムもスター・ウォーズも戦況や戦闘描写などはWWⅡを参考にしているといわれ、ガンダムの1年戦争の描写は戦況からモビルスーツに至るまでことごとくWWⅡのトレースといっても過言ではありません。
ジオンの「ジークジオン!」(「ハイルヒットラー!」)や連邦軍よりも強そうなモビルスーツ(ティーガーやパンターなど戦車)など明らかにナチスドイツをモデルにしてますね。
ヘルメットもそうだと思います。
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2014/05/01 20:59
saki 様へ…わたしミカサの場合はただリアル五月人形を眺めてるだけでは飽き足らなくなってNHKの戦国大河にエキストラ参加してしまいましたよwwww
飽くまで大人数の足軽役でしたがwwww
こういうコスプレできる施設も最近少しづつ増えてきましたね(^-^)
お城とか結構ありますよね(^-^)
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2014/05/01 20:56
たまねぎ 様へ…くまちゃんは軍配ですね。(^-^)
政宗の美的センスは本当に半端ないです。現存する政宗の愛用品の中には紺地にそれぞれ赤白黄緑青の水玉模様をちりばめた抽象画みたいな陣羽織も存在し、現代アートとしても通用しそうなものもあるんですよ。
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2014/05/01 20:50
奈柚様へ…兜の飾りに神仏用語や日月はゲン担ぎで定番なんですよね。
直江兼続の「愛」も軍神と崇められた愛宕神社の愛宕権現の神様の愛の字をとったものだといわれています。決してLOVEなんかじゃないんです。(愛=LOVEというのは夏目漱石に代表される明治の文豪が外国語を和訳する際にあてた造語なんです。)
日月も不滅の象徴として前立てにつけたらしいのです。
命のやり取りをする戦場でのことですから、神仏にすがって戦勝祈願をする当時の信心ぶかさが読み取れる気がします。
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2014/05/01 20:33
むかちん様へ…政宗とシャアはやや間接的になるんですけどダース・ベイダーのマスクなしにはありえなかったしろものなんですよ。もともとダース・ベイダー役には三船敏郎がオファーされてたらしいのですが三船がそれを蹴った為マスクが付いたようです。
もし三船が出演していたらダースベイダーのマスクは当然無しということになり、今の「スター・ウォーズ」の世界的人気はありえなかったでしょうね。
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2014/05/01 20:06
蘭丸様へ…日本人って昔からファッションについては敏感みたいで戦国甲冑なんかでは一個一個に持ち主の個性が現れているので本当に面白いですよね(^-^)
甲冑だけみても黒一色に金の弦月の前立が強調されるアクセントが非常に強く美的センスは現代でも超一流といえるのではないでしょうか?
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2014/04/30 23:52
渡辺謙の「独眼竜政宗」は、当時学生だった私から見ても非常に斬新な大河ドラマでした。
オープニングの重厚な音楽と、光と影を駆使した映像に度肝を抜かれましたから・・・。
それまでの時代劇の視点と全く違い、過去ではなく未来志向な点がすごかったです。
そして「恐悦至極」という言葉をこれで知った記憶があります・・・^^
ヒーローが頭を下げる、それだけでカッコ良さが違いますね^^

あの兜の曲線は黄金律的な美しさがあるのでしょうね^^ 線の細さもありますし。
ガンダムのジオン軍の一般兵のヘルメットなどは、それこそドイツ軍から取ったのではないでしょうか。

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2014/04/30 23:49
BSの政宗、見ていますよ。
もう亡くなった俳優さんもたくさん出演してますねー。

五月人形には、戦国武将の鎧兜をかなり忠実に再現してあるものがあったりして
欲しくなりますよー。
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2014/04/30 21:40
みかささんのコーデ、完璧じゃないですか?
どこから見て正宗!
奥手持ちの(それはなんていうんでしたっけ?)クマちゃんが
はずしテクってやつですね^^
正宗さんったら、現代まで世界中に、しかも幅広いジャンルに影響を及ぼしたんですね。
そういう意味でも、すごい人なんですね~!
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2014/04/30 17:11
まさかのガンダムまで・・
これは驚きました!
てか・・
それって月だったんですね^^;
「愛」とか 梵字に大日如来のシンボルとか
戦国時代って文化的にアレな感じしましたが
いやいや 日本の匠ってのは こんなとこにもこだわてって
美的センスありまくりですね!
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2014/04/29 23:08
おぉ
ガンダムにつながるとは知りませんでした
なるほど
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2014/04/29 22:49
伊達政宗について結構知識をもっていたつもりでしたが、
まさかスター・ウォーズ→ガンダムと繋がっていたのは知らなかった(驚)
伊達政宗もそうだけど、
有名武将の具足は個性的なくせに精密に作られていて結構好きですw
お城や歴史美術館に具足が飾られると長い間うっとりできます(笑)
再放送されている独眼竜政宗。
すっごく見てみたかったのですよwさっそく今週から見なくては!!




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