Nicotto Town


つくしのつれづれノート


第一次世界大戦より100年目


今日からちょうど100年前が第一次世界大戦が始まったその日なのだそうです。
おもにヨーロッパを主戦場にして機関銃と塹壕による総力戦が繰り広げられ(他世界各地の植民地や重要拠点も戦場となり、日本は中国山東半島のドイツ青島要塞を攻撃して味をしめた)、
結果終戦後、主要参戦国の内ドイツ・オーストリア・ロシア・オスマントルコの敵味方問わず4つの帝国が滅亡に至ります。

ただし正確に言えば今日が開戦の日ではなく、第一次世界大戦の直接的な引き金になったサラエボ事件が起こった日になります。
しかしサラエボ事件をきっかけに世界は殺戮と混沌の激動のの20世紀へと突入していくのである意味WWⅠより重要かもしれません。


…でサラエボ事件とは当時のセルビア国(ここ20年以上の内戦によってもうユーゴスラビアという国は無いんだよなあ…)を訪問していた当時のオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子夫妻がセルビア人青年プリンチップに白昼堂々暗殺された事件なのですが、
これがなぜ参戦した主要国の莫大な富を消耗して4つの帝国を滅ぼすに至る当時世界最大の戦争に発展したのか…




簡単に言うと以下の如しです
以前ドラマ「坂の上の雲」の作中でも説明されていたのですが、19世紀後半から20世紀初頭の世界というのは国民国家体制で大動員した強大な軍隊によって植民地を獲得して覇権を競う帝国主義の時代であり、世界各国がアフリカ大陸や中央アジア・極東アジアなどで植民地獲得戦争を繰り広げていました。
これをグレートゲームというのだそうです。
(日露戦争もある意味西洋列強の思惑の中日本が駒として戦った戦争のひとつといえる。)
そのグレートゲームが展開するうちにそれぞれの利害によって日露戦争後イギリス・フランス・ロシアによる三国協商(連合国)とドイツ・オーストリア・イタリアの三国同盟(同盟国)の二大勢力の対立構造が確立されて行きました。その為上記のサラエボ事件に限らず、ちょっとした紛争や事件による軍事的緊張が世界戦争に発展する火種がそこらじゅうにごろごろ転がっていたのです。


さて、そうした中オーストリアは…
1867年の普墺戦争(後のドイツ帝国たるプロイセン対オーストリア)で大敗した後オーストリアはハンガリーを併合し(故にオーストリア=ハンガリー二重帝国と呼ばれるのだそうだ。)、さらに南のバルカン半島に勢力を伸ばしていました。
このバルカン半島、ブルガリア・ルーマニア・ギリシャなどの各国が国民国家として互いに紛争を繰り返し、しかも日露戦争によって極東進出がとん挫したロシアが再び食指を動かしているという大変きな臭い場所であり、
大戦争の引き金になりかねないヨーロッパの火薬庫として(もしくはバルカンの火薬庫)恐れられていた地域でした…

事件の起こったサラエボは当時オーストリアが併合したボスニア・ヘルツェゴビナ内にあり、このボスニア・ヘルツェゴビナを巡ってオーストリアとセルビアは対立していたのです。


…そんなきな臭い中で1914年6月にオーストリア皇太子夫妻がセルビアのサラエボを訪問することになったわけです。ちなみにこの時期はセルビア人にとっては1381年のコソボの戦いで侵略者・オスマントルコを撃退した記念日にあたり(その為にセルビアはコソボを神聖視しており数年前コソボが独立宣言したことで今も戦争の火種がくすぶっている)、その中で敵対国家の皇太子夫妻のような要人の訪問はまさにセルビア人の神経を逆なでにする行為に等しかったのです。

そんな中で迎えた運命の1914年6月28日の午前
サラエボの駅から出発した皇太子夫妻の車の一体が暗殺グループによる爆弾テロに襲われます。この時は皇太子夫妻の後続の車が被害を受けたために辛うじて難を逃れますが、その後皇太子夫妻が最初の爆弾テロの被害に遭った負傷者を見舞う途中道に迷って車が立ち往生し、それを偶然見つけた暗殺グループの一人プリンチップが狙撃し夫妻は暗殺されてしまったわけです。

この事件を受けてオーストラリアはセルビアに併合要求さながらの凄まじい最後通牒を突きつけ、結果としてオーストリアがセルビアに宣戦布告。
同じくバルカン半島を狙っていたロシアがセルビア側にたって参戦し、その後ドイツ・フランス・イギリスなどの同盟国と連合国が各陣営の同盟に引きずられるようにして参戦することになって、第一次世界大戦に発展します。


ヨーロッパの列強は1870年の普仏戦争以降各列強が全面戦争することなく国民国家として軍事力が強大に成長して言った為に、敵味方問わず各国の首脳はこれが全面衝突をしたら世界戦争になることを予見して戦々恐々としていたそうです。
しかしどの国も帝国主義のもと軍隊の勢力が非常に強力になってしまった為に首脳の参戦反対を押し切られ戦争の泥沼にハマったみたいです。(ロシア皇帝ロマノフ二世がまさにこの典型。ちなみに日本は当時の総理大臣・大隈重信(日本史上最悪の総理といわれる)が独断で参戦決定した為に軍との関係が悪化し、後の軍国主義へのきっかけになる。)



その各国の軍も強大な軍事力を持つものの同等の列強相手の戦略が極めていい加減であり、結果として迷走した戦略で決定的な打撃を与えることができずに膠着状態になり、塹壕戦でそれまで列強が貯めこんだ富と人員を一気に消耗して末にヨーロッパ全体が没落することになります。(ドイツの対仏露作戦として有名なシュリーフェン=プランも結果としてとん挫してしまったいい加減なものであり、結果として莫大な軍事予算を得るための方便だったという説もある。)

いずれにしろ一国の皇太子夫妻の暗殺で結果として二度にもわたる世界大戦が起こって世界中が激変してしまうわけだから、プリンチップらテログループは自分の起こしたことの重大さをどれだけ認識していたでしょうか…?(ちなみにテログループのメンバーの何人かはつい20年ちょっと前まで生きていたらしい…)








…現在はというとヨーロッパのバルカンから変わって中国のめちゃくちゃな海洋進出の為に尖閣諸島のある東シナ海と南シナ海がどんどん火薬庫のような状態になっています。
どの国も全面戦争をやったらどんなことになるかわかっている為、かろうじて安全圏内威嚇行動とかやっていますが、
傍から見ればWWⅠ以上に危ない火遊びかもしれません。

中国も日本も紛争地の局地戦だけで済むと考えているみたいですが(軍事関連本とかは尖閣の局地戦のみ書いていてまるでおとぎ話同然です。)、いざ戦端が開かれた場合中国に関しては現状の政治システムによる不満がたまってる関係からたった一度の敗戦も国家崩壊につながりかねない為、どんどん戦火が拡大して最終的にはどちらかが滅びるまで決着がつかない状態になるのではないかと危惧します。(日本は核ミサイルで壊滅・中国は革命で崩壊といったところか…)


この無学なバカでさえそう思うわけだから、単細胞のごとく戦争だと煽りたてないでほしいですね。(自分が主戦派の独裁者ならそういった右翼の馬鹿どもは戦争遂行の邪魔になるので、必死確定のの特攻隊にさせるか粛清します。戦争の指揮は敵味方の命を無表情で冷静に握りつぶせる能力のある人間しかできませんから…)

兎にも角にも上記の第一次大戦や我ら日本陣も甚大な被害をこうむった第二次大戦の惨状をマジで繰り返したくはないものです。

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2014/06/30 13:51
ジュエリ 様へ…確かにそうだと思います。いま中国への脅威は目に見えて明らかですし元々自衛隊の国軍化を目指していた安倍総理にとってはこんなに都合のいいタイミングは無いのではないでしょうか。(民主政権の失政で支持率安定してるし、第一次安倍内閣が早々崩壊したことが逆に幸いだったと思えるような展開にも見えるわけで…)

いつの世も軍隊はその存在意義の為に適当に仮想敵国を作って予算を勝ち取ろうとします。その為に軍事的緊張をあおったり、国民全体に敵対心を植えつけたりして…(中韓にとっては都合の悪い時のスケープゴートに日本は最適なわけで…)
今の日本は中韓のように露骨ではないと思いますが、それでも北朝鮮の不審船・弾道ミサイル・核兵器問題を利用して対策予算勝ちとったりしているようです(ミサイル防衛システムとかね。)

脅威に感じている以上軍事を増強したくなるのは人情という所なのですが、敵対心が高まり過ぎていざ緊張状態になった時に戦を回避できる覚悟をそれぞれが持っているのか気になるところです。
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2014/06/30 13:38
家主(≡▽≡)Z 様へ…日本も戦前軍事を振りかざして大陸侵略をした結果世界中を敵に回して石油禁輸措置されて、結果真珠湾攻撃を皮切りに東南アジア・東太平洋一帯まで戦果を拡大させた太平洋戦争に発展させて破滅の道を歩みましたからね…
自分の邪魔をするものは排除したいと思う人はいつでもどこにでもいると思いますが、それに反対して歯止めをかける人も絶対に必要です。
政治システムが独裁だったり・軍の勢力が強すぎた場合に歯止めが利かなくなって戦に巻き込まれかねないので怖いところです。
WWⅠは戦争による破滅を知らぬ様々な人間の無知によって被害が拡大したような側面もあるらしいです。
今の日本だって国軍化によって再びそうならないという保証はないし(とはいえ今のカカシ状態の自衛隊の方がもっと怖い)、中国が思慮を欠いて戦を仕掛けたらどうするのかとかこの手の心配はいつの世も尽きませんよね。
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2014/06/30 10:03
ところで 後半の現代のことですが 安倍氏が憲法解釈変更をしている理由は 軍備増強
その前に 秘密保護法を作った
軍備はもうかるからですね そして軍備には秘密がつきもの
だけど 近隣の国ととても仲良くて平和だったら 軍事予算は通らないから
中国 韓国もそれは同じ
だから裏で話が通じているんですね。
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2014/06/30 08:10
大いに不満のある周りの世界を変えたいと思う時、それが自分では覆しがたいとなると、人はすぐに強硬手段に出ますよね。
そこが「感情に振り回されているなあ」と感じます・・・。
目的のためには他の手段の方が近道であったりするのに、暴れたい気持ちが収まらなければダメなのでしょう・・・。
結局、頭のいい人が増えなければダメなのですよね。




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