太平洋奇跡の作戦 キスカ
- カテゴリ：映画
- 2015/08/23 21:37:38
1965年の映画です。
これは太平洋戦争で玉砕一歩手前まで追い詰められたキスカ島（北太平洋アリューシャン諸島の島）の守備隊5200名を霧にまぎれて救出した史実を脚色した戦争映画の名作です。
すでにとなりのアッツ島はアメリカ軍の猛攻にあって玉砕・全滅しアメリカ艦隊に包囲されたキスカ島守備隊も同様の運命を待つ中、北方を担当する日本海軍の第五艦隊が濃霧に紛れ込んで救出を画策します。
しかし作戦を指揮する司令官は海軍兵学校をドンケツで卒業し大した戦功の無い無名の司令官大村海軍少将（演：三船敏郎 史実では木村昌福海軍少将。海軍成績下位卒業で海軍中枢に縁がないながらも艦隊勤務一筋の実戦派の提督だったといわれ、将兵の信頼も厚かったとのこと。）であり、
不安要素の多々ある中果たしてキスカ島撤退作戦は成功するのか!?
物語は円谷英二の実景と見間違えるほどの特撮を駆使した迫力のある戦争映画になっています。
感想としてはとにかく
特撮で表現された艦隊の場面がものすごく迫力があること!!
特にクライマックスの濃霧の中をキスカ島を周回して艦隊が進むシーンの迫力はモノクロ映画の効果も相まって後悔当時実景ではないのかと問い合わせが殺到したという逸話があり、わたしミカサからしても円谷特撮の最高峰に位置しても過言ではない作品に仕上がっています。
後に同じ艦隊映画の「日本海大海戦」（70年 日露戦争日本海海戦を描いた戦争映画。カラー作品）と比べてもその迫力はケタが違うレベルだと思います。
特撮映画ファンとしてはぜひともおすすめの映画です。
なお今回ＴＵＴＡＹＡで借りてきたＤＶＤでこの映画を見たのですが、このＤＶＤにはキスカ島撤退作戦に関った元海軍将校のインタビューである証言：キスカが収録されており、このキスカ島撤退作戦がどれだけすごいものだったかをうかがい知ることができます。
ちなみにこの映画では女優は一切出てきません!しかし東宝男優総出演の趣であり豪華な顔ぶれとなっているため、日本映画の黄金時代の象徴する名画とも言えます。そういう意味でもおすすめの邦画とも言えます。
監督：丸山誠治
特技監督：円谷英二
出演者
- 大村少将：三船敏郎
- 川島中将：山村聡
- 国友大佐：中丸忠雄
- 玉井中佐：稲葉義男
- 阿久根大佐：田崎潤
- 福本少尉：児玉清
- 秋谷司令官：藤田進
- 寺井先任参謀：土屋嘉男
- 工藤軍医長：平田昭彦
- 加藤一水：黒部進
- 天野少佐：佐藤允
- 俵少尉：久保明
- 軍令部総長：志村喬
- 軍令部赤司作戦部長：西村晃
- 三上少尉：船戸順
- 小島主計兵長：堺左千夫
- 分遣隊長：山本廉
- 中村上水：二瓶正也
- 佐野一曹：佐田豊
- 茂木中尉：大塚国夫
- 木曽艦長：伊藤久哉
- 松原二曹：石田茂樹
- 士官：伊吹徹
この間、WOWOWで放映されていたのを観ました。
あらゆる状況を味方につけたうえでの大胆かつ細心な決断。
そして時には作戦を断念する勇気。
隠れた名作だと思います。
「何でお前は死ななかったんだ」などと司令官に罵倒された。
当時、玉砕を潔しとする風習があった。
「お前の死に場所は探してやるから安心しろ」などと、常日頃から水木しげるは生き残りとして目の敵にされた。
円谷監督といったら、ウルトラマンシリーズしか知りませんでした（＾＾；
それにしても“特技監督”ってかわった名称ですね。こちらも初めて聞きました。
特撮技術の略でしょうか？
興味深いですね。