「シン・ゴジラ」で感じた国産ゴジラの今後
- カテゴリ:映画
- 2016/07/31 10:15:31
色々賛否両論だと思いますが
個人的にはオッケーだった「シン・ゴジラ」
ストーリーについての評価は絶望感とギャグにしか見えない茶番の応酬でカオスなんですが(最終決戦はさながらドリフの盆回り状態)
「シン・ゴジラ」がベースにしているものが今の日本人にとってはあまりにもトラウマの強い東日本大震災なだけに(まだ震災後五年しかたってないのだ)、この映画でそれをさらに追及することは今の日本人にとっては限界で不可能だと思います。(むしろ茶番によって何とか見れる状態に絶望感を中和してしてるようにすら見えたわけで…)
今の日本人が描ける全く新しいゼロからゴジラを描き出すことには一応成功してるのでいいんじゃないでしょうか?
個人的に怪獣映画としての理想は14年のギャレゴジで展開した人間ドラマ主体の怪獣映画なのですが(アメリカじゃ当たり前の映画構成だが、日本の怪獣映画は怪獣のキャラが強すぎて登場人物がアホみたいに棒経ちして怪獣を眺める作品が余りにも多いんです。「ウルトラマン」なんかはそれを克服する一種の手段として効果的ですが、日本はもっと特撮映画に対する人間ドラマの充実化をしないとまともな映画として成り立たないとさえ思う。)、
「シン・ゴジラ」で過去のゴジラ映画でやったことをさらに掘り下げることができたという意味では大変新鮮でしたね。(「シン・ゴジラ」は72年「日本沈没」に始まる東宝パニック映画路線の展開でしたね。これ自体はすでに84年「ゴジラ」でやっており、こちらも政府が主体でゴジラ対策を進める映画だった。まさか政治家主体のドラマを「シン・ゴジラ」でさらにここまで掘り下げられるとは思わなかった。)
ある意味大健闘だとは思います
…しかし
それでも改めて日本では毎年のように公開するようなゴジラ映画のシリーズ化はもう不可能なんじゃないかと思います。
今回でさえ一話完結という条件下でここまで掘り下げることができたわけで、これがヒットした場合にすぐ続編をなんてことをしたらまたミレニアムゴジラシリーズのような醜態をさらしてゴジラ自体のブランドを貶めることになるんじゃないかと思います。
(あのシリーズは立ち上げ方もものすごくお粗末なうえに「ハムタロー」と同時上映させるなど、ゴジラファンの神経を逆なでにする運営が目立ちました。私ミカサも当時激怒しましたよww「ハムタロー」の同時上映に嫌気がさして逆に観客動員数が減ったようにすら見えましたし…)
すでに過去の作品でゴジラ映画でできることはやりつくしたようにも思います。
(ゴジラの生みの親の一人である円谷英二特技監督ですら二作目「ゴジラの逆襲」(55年)の時点でゴジラ映画でやれることはもうないとまで言ってますし…)
今後は各歴代ゴジラ映画のジャンル分けをして徹底研究し、それをどのように特化させていくかぐらいしかできないのではないでしょうか?
例えばNHKの「おかあさんといっしょ」のような子供向けの着ぐるみショーとしてのゴジラ映画の特化もありかもしれませんよね。(ゴジラブランドの貶めになるかもしれませんが…)
少なくとも今回のスタッフでゴジラを作るのはもう無理でしょうね。(「シンゴジラ」のすぐ後に別のスタッフで続編を作ったらあっという間にものすごい批判が舞い込むでしょうね。)
もうゴジラは時々単発でやる感じのお祭り映画にとどめておいた方がいいのかもしれませんね…
それよりもこれまで培った特撮技術を「インディ・ジョーンズ」や「スター・ウォーズ」のような人間主体のスペクタクル・冒険アクション・SFなどにもっと応用すべきだと思います。
そうすればまた違った視点発想で新たなゴジラ映画を作ることができるかもしれません。
同じ続編作らずの条件でリメイクされた「宇宙戦艦ヤマト2199」も大ヒットによって無理やり続編が作られる感じみたいですから、「シン・ゴジラ」だけはこの二の舞にならないでほしい…
ゴジラについては初代に匹敵する映画を作るためには時代の節目ごとにその時代に合わせたものでないと無理なような気がします。「シン・ゴジラ」の後同じゴジラを求めるのであればそれは何十年もしかしたら100年先のことになるのかもしれませんね。
なので初代以降様々な方向に広がっていったゴジラをそれぞれのジャンルを突き詰めていったら「シン・ゴジラ」とはまた異なった意味合いで全く新しいゴジラ像が出来上がるかもしれません。(例えばファンシー路線だったり、初代ゴジラのメイキングドラマとしてゴジラが生まれた時代を表現するとか…)
ただ、監督の庵野さんはお引き受けにならないのじゃないかしら。
パンフレットの監督挨拶にも、「今回1回限り」ということで引き受けた、ということが書いてありましたし。
この後、どんな「ゴジラ」が出てきたとしても、初代「ゴジラ」のときと同様に、それはまったく別の「ゴジラ」なのだろうと思います。
まあ、個人的に、「こんなふうに続編を作っていくのでは?」と予想していたりはするんですが、それでも、私はそれをまったく別の作品と見るだろうと思います。
今回の「シン・ゴジラ」に肩を並べられるゴジラは、そう簡単には作れません。
でないとありがたみがないし行き当たりばったりで絶対失速すると思います。
私ミカサの理想のゴジラ像ってハリウッドの「インディ・ジョーンズ」や「スター・ウォーズ」などの冒険活劇ものへのあこがれから来てるものなので(そういう意味では怪獣映画の始祖たる「キングコング」が理想とも言えますね。)ゴジラに限らず今の日本でそれだけの作品が作れたら大変うれしいです。
確かにゴジラが町で暴れるのが醍醐味ですよね。あまりにも作品数が多くてマンネリに感じるから私ミカサは変化球を望むのかもしれませんね。(海外版も含めた全31作品全部観たら当然か…)
一度「館長 庵野秀明 特撮博物館」でやった短編映画「巨神兵東京に現わる 」(企画:庵野秀明・監督:樋口真嗣・ナレーター:林原めぐみ。「エヴァQ」でも劇場版が同時上映されましたが、オリジナル版はCGが一切はないアナログとデジタル合成オンリーなんだとか)のような登場人物が一切登場しない特撮オンリーのゴジラ映画も観てみたいですよね(^_^)
アニメ映画なんかの「ドラえもん」「クレしん」「ポケモン」「コナン」などみればそれがものすごく強く感じますし…
普遍的でそれで安定的に稼げるのならいいでしょうが、やり過ぎればマンネリ化して飽きられますからねえ…
まあこれだけしつこくやらなければゴジラも含め日本を代表するコンテンツにはならなかったでしょうね。
そっちのほうが楽しみだしワクワクします
正直、ゴジラ映画ってちゃんと見たこと無いですが、
円谷英二監督以降は、ファンによるオマージュ的な作品になっているような・・・。
私の知り合いなどは、あまり人間ドラマみたいになるのは好きではないらしく、
ゴジラが暴れていれば満足のようです(アホ)w
同じゴジラファンでも好みは色々なので、
あえていろんな視点や発想で作るのも良いのかもしれませんね。
なんでゴジラってこんなに映画になるのだろうか?
そこまで凄く面白いと個人的には思わない・・・。