Nicotto Town


つくしのつれづれノート


小説「言の葉の庭」ver.2

「言の葉の庭」「君の名は。」の前作品にあたる2013年の新海アニメ。
「君の名は。」は上映からすでに1年以上が経過しソフト化され先日昨年大ヒットした「君の名は。」の実写化で腰を抜かすなど未だ話題に事欠かないアニメなんですが、
その一月前の8月に「君の名は。」人気の陰に隠れて前作「言の葉の庭」の二冊目の小説が刊行されたのはご存知でしょうか?

今回刊行された「言の葉の庭」はすでに文庫で刊行されている新海誠監督直筆の小説の続編…というわけではなく、
「君の名は。」の脚本協力並びにサイドストーリー「君の名は。Another Side:Earth bound」を執筆した加納新太による同じ内容を独自解釈で再構成した
「言の葉の庭」ver.2と言える小説なわけです。

実は加納新太は「星を追う子ども」を除いた「ほしのこえ」「君の名は。」までのノベライズを執筆しており、
しかもそのどれもがオリジナルのアニメ及び新海誠直筆ノベライズに匹敵凌駕するほどの涙腺崩壊ものだったりするため隠れた名作としておススメだったりします。
もちろん原作であるアニメ映画あってのことなんですけどね。




とりあえず「言の葉の庭」の基本ストーリーのおさらい
雨になると学校をサボって新宿御苑で過ごすのを日課にしている高1のタカオは梅雨の始まりにいつも陣取ってる東屋で心を病んだ年上の女性・ユキノに出会う。
それから梅雨の間交流を深めたタカオはユキノに惹かれていくのだが梅雨明けによってその交流は途絶え、夏休みが明けて思わぬ場所で再会をすることになる。
それはタカオの学校でありユキノはタカオの学校の教師だったのだ…
ユキノの素性を知ったタカオは改めて公園の東屋でユキノに会い
そして…

登場人物
秋月孝雄(CV:入野自由)…靴職人を夢見ておりすでに高校一年のみで自作で革靴を作っている。そのことだけに熱中している為、学校での出来事にも関心がなくユキノが自分の学校の教師であり、彼女が抱えている問題にもまるで気付かなかったのだ…

雪野百香里(CV:花澤香菜)…上記の通り素性はタカオの学校の教師であり、学校での理不尽なトラブルが原因で心を病んでいる。タカオに対しては初対面の時に自分がタカオの学校の教員であることを示唆してる。雨の公園の東屋で常に一緒だったユキノにとってタカオはどういう存在だったのだろうか…?






今回の加納版「言の葉の庭」は基本ストーリーこそオリジナルを踏襲しているものの圧倒的に異なるのが
物語が主人公タカオの視点一つに絞られている点。
物語の情報量としてはアニメでは描き入れなかったサイドストーリーが盛り込まれた新海誠直筆版よりも圧倒的に少ないのですが、
逆にタカオから見たユキノのミステリアス感がより際立っています。


そして特に特筆すべきはタカオ視点でユキノ自身の情報が少ないのにもかかわらず
タカオとの交流によってユキノがどう救われていったのかがオリジナルのアニメや新海誠直筆版よりも非常に強烈に印象付けられていること。
アニメラストでユキノが
「わたし、あなたに救われていたの!」
と泣きながらタカオに抱き着いています
加納版はそれが非常に納得できるな内容に仕立てられているように感じます。
特にユキノがタカオの弁当を食べる場面とアニメラストのに出てきたタカオ宛の雪野の手紙の内容についてはファンにとっては涙腺崩壊ものだと思います。


これはある意味加納新太の小説家としての力量の差によるものと思われます。(ユキノが体験した心を病むに至る生き地獄については新海誠直筆版の方が詳しいのですが、ただ設定をそのまま物語にしただけな感じがある)
かといってこの加納版「言の葉の庭」は本家アニメを差し置いたものにはなっておらず、
アニメ→新海誠直筆版の次にさらに物語を深く読み進めたい人にとってたまらない内容となっておりおススメです。


私ミカサは新海アニメ系列作品については加納新太のノベライズが特にお気に入りなのですが、
今回の加納版「言の葉の庭」については登場するとは思わなかっただけに大変感激しました

できることなら
短編の新海アニメ「彼女と彼女の猫」「だれかのまなざし」「クロスロード」(Z会CM)の加納版ノベライズも読んでみたいと欲が出てしまいますね(^_^)
(一応「彼女と彼女の猫」「クロスロード」は加納新太執筆ではないもののノベライズが刊行されています。)

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2017/10/03 22:07
風々鬼様へ…コメントありがとうございます。自分も「秒速」から新海ファンになった口です(^_^)
新海誠直筆ノベライズはあくまで生粋の小説家じゃないため小説としての面白さには欠けるという印象があります。
とは言えノベライズ化に際しては新海直筆版のあるなしに関わらずアニメで割愛されたエピソードが満載されているためアニメをさらに深く読み解く副読本しては最高だと思っています。(それゆえにただのノベライズだった新海直筆の「君の名は。」には非常に落胆したのを思い出します)

「秒速」のコミカライズが人気なのはアニメや二つのノベライズでも描かれなかったハッピーエンドを連想させる花苗のその後が描かれたこの一点に尽きると思います。あれはアニメとしては蛇足なんですけど「秒速」でどん底を味わった人には救いにいなる話ですよね。(ちなみに自分は「秒速」でトラウマにほどのショックを受けましたが、だからこそ「秒速」が一番の新海アニメになっています。ぬるい終わり方だったら新海アニメにハマることは絶対にありえなかったと言い切れますから…)
ただ新海アニメのコミカライズは原作の精密アニメに圧倒されて色あせて見えてしまいがちなのが残念に思います。

一応新海アニメについてはデビュー以前のゲーム会社のPVから最新作「君の名は。」まですべて見ているつもりですがマルコメのCMは新海監督によるものではなくジブリ出身のアニメーターが作った物らしいです。
短編作品だと自分は「だれかのまなざし」か「雲のむこう、約束の場所」パイロット版が好きですね。
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2017/10/03 21:43
saki様へ…あくまでアニメが原作なので副読本みたいな感じで読むべきものなのかもしれませんね。
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2017/10/03 20:32
 初コメです^^ 言の葉の庭、小説が出てたんですね(゜o゜) 俺は 秒速5センチメートル を見てから新海ファンになりました。 
その後 ほしのこえ 雲のむこう 星を追う子供 と見てます。  

秒速5センチメートルの小説は、2作ほど読みましたが・・・・イマイチだったですね^^;;  ただ、秒速のコミックはDVDの内容をはるかに上回る内容だったと思います。

CMでは 大成建設 マルコメ  好きです^^
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2017/10/02 23:55
う〜ん、本で読んでみたいですね。




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