Nicotto Town


つくしのつれづれノート


中国版新海アニメ「詩季織々」

先日東京まで行ってアニメ映画詩季織々」を見てきました。
この映画は日中のアニメ監督が新海アニメに携わってきたスタッフに支えられて作った、中国を舞台にした全3話の短編オムニパスというもの。
中国版新海アニメと言っていいものなんでしょうが、エンドロールを見たら主要スタッフの大半は新海アニメに携わった日本人みたい(8,9割日本人スタッフという有様)なのでその表現が果たし正しいのかどうか話微妙なところ…


このアニメを一言で評するなら
良くも悪くも新海監督の「秒速5センチメートル」のファンが作った同人作品としか言いようがない作品でした。


何でも監督が「秒速」のファンなため、「秒速」へのオマージュというのは大分前から予告やチラシで前面に押し出されてたこともあって「秒速」の焼き直しになる予想は付いていたのですが、
内容・構成の他に、パンフレットの形状まで「秒速」を踏襲したものだったのにはさすがに開いた口がふさがらなかったです。(カセットテープを模したカードパンフレットで、「秒速」の便箋を模したカードパンフレットを意識したのは一目瞭然。それぞれとも作中のキーアイテムを模したもの)


秒速との違いは「秒速」のリメイク同然だった最後の「上海恋」も含めて
どの短編も共通してラストシーンに救いが入った明確なハッピーエンドで締めくくられてる点であり
それが蛇足を足した「秒速」の同人作品と言わざるを得ない最大要因です。
とはいうものの「秒速」を見た人は理解できると思いますが、「秒速」のファンである人ほどあの見てる側の心を容赦なくえぐり取る「秒速」の展開から救いを見出せる納得のいくハッピーエンドにしたいと感じるため(新海監督曰く決してバッドエンドのつもりで作ったアニメじゃないということですが、初見であのアニメはめっちゃエグイですw私ミカサとしてはその「秒速」が一番好きな新海アニメであるんだけれども…)、
「秒速」のオマージュ・リメイク作品を作ろうとすれば国を問わず誰が監督だろうとああなるのはしょうがないんじゃないかとも思います。
(「秒速」自体もコミカライズで救いの見いだせる作中終了後のアフターストーリーが追加されてるくらいですから…)




それとは別に作中を通して舞台になってる中国の生活環境を細かくアニメで再現しようと試みているためか、中国の生活事情や中国人のものの考え方などが良くも悪くも垣間見れる内容だとも感じており、作品を通じて中国という国がどのような国か興味を持つきっかけにするにはちょうどいいアニメ映画だとも感じました。
「秒速」も含めた他の新海アニメと見比べながら日本人と中国人の感性の違いを探してみたらいいかもしれません。(まあ本作「詩季織々」のスタッフの大半が日本人みたいなのであくまできっかけにしかならないとは思いますが…)

あと最初のビーフンの話は完全に飯テロでしたwww


後になって新海アニメという色眼鏡を外してこのアニメを見ると弘兼憲史(作画)の名作漫画「人間交差点」の中国版って印象を改めて受けます。まあ、いずれにしても二番煎じ感はぬぐえないんですけどね…







以上のように「秒速」の同人作品と評したわけですがいくらファンだとしてもなんであんな露骨なまで「秒速」の同人状態にしたのか見た後で非常に気になっている有様。
そんな中、来週新宿の映画館で「詩季織々」の監督(実質「秒速」のリメイク状態の「上海恋」の監督:リ・ハオリン)のインタビューを含めたイベント上映があり、すでに見た映画なんですけどイベント上映に参加したと思います。
このイベント上映、元ネタである「秒速5センチメートル」が同時上映されるため、インタビューも含めて一粒で二度三度もおいしい上映会となっていますww





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