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つくしのつれづれノート


ダブル西郷どん!?


長かった大河ドラマ「西郷どん」の幕末編が終了!次回から西南戦争で壮絶な最期を遂げる明治編が始まるわけで…


80年代後半~2000年代初頭を大河の黄金時代(具体的に87年「独眼竜政宗」~01年「北条時宗」)と見做してる私ミカサとしてはどうしても90年の「翔ぶが如く」と比較してしまうため懐古厨やらなんとやらで多少の不満というものは出てしまうのですが、淡々とした歴史を描こうとした「翔ぶが如く」に対して人間西郷隆盛を描こうと追及して「翔ぶが如く」と差別化を図ろうとしている「西郷どん」は評価に値する大河だと思います。
ただ
・鹿賀丈史(島津業興「翔ぶが如く」の西郷に次ぐ主人公・大久保利通)
・竜雷太(薩摩藩家老調所 広郷「翔ぶがごとく」の雪篷先生)
・佐野史郎(井伊直弼役「翔ぶが如く」の海江田信義)
等の共通する役者や演出(オマージュのつもりだろう)がかなり目立ちなど制作側が「翔ぶが如く」を意識しすぎてるきらいはあるのですが…


今回はその両者の共通要素の際たるものである西田敏行について。
ちなみに西田敏行は「翔ぶが如く」の西郷隆盛その人です。
これまで「西郷どん」においてナレーションとして終止裏方に徹してきた西田敏行でしたが、次回からキャストとしていよいよドラマの表舞台に登場。
その配役が西郷隆盛の庶長子・西郷菊次郎ということで非常に話題になっています。

以下西郷菊次郎について「西郷どん」のネタバレなので反転
これまでのドラマを見てもわかる通り菊次郎は西郷の配流先の奄美大島の島妻・愛加那の間に生まれた庶長子。
維新後同腹の妹と共に奄美大島から鹿児島の西郷家に引き取られアメリカ留学を果たすも征韓論の西郷下野を機に鹿児島へ帰国。西南戦争で薩軍として参戦し右足切断に至る重傷を負い結果政府軍少将の叔父西郷従道に保護される。
戦後明治政府に出仕し外交官を経て日清戦争の資金調達に奔走、明治末期には京都市長に就任した。


次回予告における西郷菊次郎は晩年の京都市長時代に生前の西郷隆盛を回想するという形で登場するようで、これまで西田敏行によるナレーション自体が西郷菊次郎が見聞きした西郷隆盛の回想という形で物語が展開しているという形になっているらしい。
ドラマの全貌が「龍馬伝」(10年)における岩崎弥太郎(香川照之)による生前の龍馬の回想と全く同じ。
それにしても「翔ぶが如く」西郷隆盛が約30年後に息子役を演じるということになろうとは思いもよらなかったのでびっくりです。
・かつて大河と同じ役を演じる(竹中直人の秀吉 96年「秀吉」・14年「軍師官兵衛」)
・若年時息子役演じ年を取って親を演じる(草刈正雄 85年「真田太平記」真田幸村→16年「真田丸」真田昌幸)
・子役と大人になって同じ役を演じる
(神木隆之介の源義経 05年「義経」13年「平清盛」)
(小栗旬の石田三成 96年「秀吉」09年「天地人」)
という例はよく見られたのですが親を演じて子を演じるというのはあまり聞いたことがなかったので非常に意外に感じました。

…ただ「翔ぶが如く」の西郷隆盛はそっくりショーレベルに激似だったため
鈴木亮平の西郷どんと混同しないかちょっと心配ですw
(そういう冗談が言えるくらい「翔ぶが如く」の西郷はヤバい。これを見てしまうと他の幕末大河の西郷はどれを見ても西郷のコスプレにしか見えなくなるワケで…)
そこは変態仮面(鈴木亮平という名前よりこっちのイメージで定着してるわけでwww)と西田敏行双方の腕の見せ所なんでしょうね。



内容面としては「翔ぶが如く」や「坂の上の雲」のドラマを以てしても全貌が把握できないくらい明治の変革のスピードがすさまじいため(特に後者の「坂の上の雲」はそのわかりづらさが顕著だった)、人間西郷隆盛に挑む「西郷どん」ではより難しい課題がのしかかっていると思います。
とは言え江戸幕府を滅ぼしてこじ開けた明治という世の中で隆盛自身が捨てきれないでいる武士がどんどん追い詰められていく有様に苦悩し、結果西南戦争でどのようにして武士と滅亡を共にする様子がどう描かれるのか非常に楽しみです。
ドラマの序盤から最終回に向けてばら撒かれた伏線の数々がここ最近次々と発芽してるみたいですから…

兎にも角にも次回こうご期待って感じですね(^_^)













ちなみにこの「西郷どん」における最大の不満は
西郷隆盛の従弟・大山巌がこのドラマから抹殺されていること
後に元帥陸軍大将として日露戦争の陸軍総司令官を務めその他内閣の数々の閣僚を務めた明治政府の重鎮なのは「坂の上の雲」を見ても明らかですが、このドラマで抹殺されて展開してるのはあまりにも不自然です。
幕末において大山巌は第一次寺田屋騒動や薩英戦争のイギリス艦隊斬り込み等で西郷従道とセットで登場活躍する人物なのは「翔ぶが如く」をはじめとする幕末大河や実際の経歴などから明らかなはずなのですが…
(西郷従道も陸軍から転籍した元帥海軍大将であり内閣などの数々の要職を歴任した明治政府の元老。大山とともに政治的野心が皆無)
特に明治編においては村田新八や西郷従道と共にヨーロッパ留学し、西南戦争で従道と共に政府軍の司令官として頭角を現す切っても切れない重要人物であるため、この先「西郷どん」をどう展開させるつもりなのか非常に心配でもあります。
(史実の通り禁門の変で初代警視総監(当時は大警視)川路利良が長州側の指揮官・来島又兵衛を狙撃する様子が描かれる一方でこれはないだろうとも思う…)
果たしてどうなることやら…

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2018/10/17 21:42
ゆりか様へ…来年の「いだてん」は明治末期から64年の東京オリンピックが舞台なので従来の大河ファンには向かない作品だと思うのですが、「坂の上の雲」でうまく表現できなかった近現代の時代の移り変わりの様子がどう表現なされるのか非常に気になります。(この手の演出は朝ドラの方が一枚上手だと思います)
近現代大河はほかにもいくつか存在しますが総じて人気がないですね。
昔は幕末ものも含め民放との同時代の競合作品が多かったため大河の他の時代よりも人気がなかったということです
現代人にとっては時代劇大河に比べると地味というか未知の分野だし(年々その様相が強くなってる)、制作側にとっても戦時中以前の時代劇でも現代劇でもない時代の衣装小道具っていうのが非常に特殊で数が揃えられないので手を出しづらいところがあります。(特に明治軍服はその最たるもの。特に「西郷どん」終盤の西南戦争で登場する初期の明治軍服はより資料も乏しく毎度西南戦争が登場する作品では注目の的です)

とは言いながらテーマによっては
「獅子の時代」(79年 明治時代の闇を映し出す「坂の上の雲」の対局と言える作品でコアなファン多し)
「山河も燃ゆ」(84年 山崎豊子「二つの祖国」を原作にしたWWⅡの日米の対立に揺れる日系二世を描く)
「いのち」(86年 橋田寿賀子脚本の敗戦~オイルショックまでを舞台にした女医の話。隊が銅鑼枠の朝ドラと揶揄されながら視聴率は歴代トップクラス)

と気になるものも結構多かったりします。
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2018/10/17 20:55
みかささん、こんばんは。
ご丁寧な返信、どうもありがとうございます。
私も来年の大河はあえて見ないかもしれません。1年間、大河がない生活なんて耐えられない(TT)この機会に過去作を借りて見ますかね。
坂上忍さんが大山巌をですか?なんか意外~!というか、今では役者イメージないけど、俳優さんだったのですね。
大山捨松は私も推してましたが、色々難しかったんでしょうね。会津戦争の時はまだ子どもだし、明治になってからがメインになるとあまり大河っぽくないような。でも明治の作品もいくつかあるんですよね?
いつかやるのを期待です(*^^*)
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2018/10/16 13:58
ゆりか様へ…さすがにすべて見てるわけではありませんよw
古いやつに関しては断片的な現存映像を見てる程度ですし、最近の無理やり女性を主役にした大河(特に家族が有名人というほぼ一般人を主役にした「花燃ゆ」(15))には少なからず反発を抱いているため年によってはあえて全く見ていない大河もあります。
元々図書館やレンタルやケーブルテレビなどで総集編を含む過去の大河を見る機会には恵まれていましたが、最近はネットで(違法なんだけど)より見やすい環境が整って便利になりました。

「翔ぶが如く」は原作が維新後の征韓論から西南戦争までを舞台にした小説であるため、幕末編は「竜馬がゆく」や「花神」「最後の将軍」など(いずれも大河化済)他の司馬幕末小説をミックスした司馬幕末オールスターズともいえる豪華な内容で、特に西郷赦免から龍馬登場あたりから戊辰戦争までは非常にテンポよくサクサク見れましたね。今でも「西郷どん」で気になる個所を見つけたらネットの「翔ぶが如く」を通しで見て徹夜することがしばしばありますwww

ちなみに「翔ぶが如く」の大山巌は現在お昼のテレビで憎まれ役となってる坂上忍が演じており、こちもガリガリですwwwただ若いころの大山巌は俊敏な人物だったとも聞き演じ方次第では細身の役者がやってても問題ないのかもと思ったりします。「坂の上の雲」では米倉斉加年が西郷隆盛をよりお茶目にしたような大山元帥をを演じています。

大山捨松については「八重の桜」の際なぜ新島八重を差し置いて主人公にしなかったのかと未だに不満に思っています。会津戦争や岩倉使節団・立場的に仇敵でありながらも年の離れた恋愛結婚・鹿鳴館・津田塾大学設立の支援など逸話に富み、偏屈な逸話の多い新島八重よりもスケールのでかい内容に仕上がったのにと残念でなりません。(スケールがでかすぎて大河化できなかったのかもしれませんが…)
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2018/10/16 11:39
みかささん、こんにちは。
今日はみかささんの大河ドラマ講釈ですね!
これだけ大河を知り尽くしている人は、初代大河から見続けているおじいちゃんおばあちゃん世代の人すらなかなか居ないのではないでしょうか。
私は初代大河をリアルタイムで見てたという70代のおばあちゃんの歴女友達がいるのですが、きっとみかささんのほうが詳しいと思います。
肝心の「翔ぶが如く」を見てない世代なのが至極残念ですが、みかささんの説明を聞いて、西田敏行がキャスティングされるのは凄いことなんだなぁ~と思い至りました。
そういえば、大山巌が出てきませんね。
西郷どんの肖像画のモデルになった人なのに…。
八重の桜では本人とは似ても似つかない反町隆史がやってて「詐欺だ!」と思いました(苦笑)
私は密かに、大山捨松&巌夫婦を、朝ドラの主人公に推したい!と思ってまして、いつかスポットを当てられることを期待してます。

だから西郷どんコーデだったのですね。お似合いです(*^^)v
またみかささんの大河語りを楽しみにしてますね。
ご教授くださり、ありがとうございました。




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