大河ドラマの合戦シーン
- カテゴリ:テレビ
- 2018/11/06 20:14:45
50年以上続く大河ドラマの最大の魅力は何といっても合戦シーン
NHKの莫大な資金力による合戦シーンは大変ダイナミックであり、他の民放の追随を許しません。
それゆえ大河枠では民放が対抗できる予算規模の題材である幕末ものよりも民放が真似できない合戦シーンが豊富な戦国ものの方が人気が高い傾向にあります。
そこで今回大河ドラマの合戦場面を特集します。
大河ドラマの合戦シーンの初登場は大河三作目の初の戦国大河である65年「太閤記」からであると思われ(「太閤記」は本能寺の変の回以外現存せず、全貌を把握することが不可能)、翌年の66年「源義経」では一の谷の坂落としや壇ノ浦の八艘飛びなどのアクティブな義経を表現するために開発した撮影技術が、テレビ技術の発展に大きく貢献したとされています。
大河初カラー作品となった69年「天と地と」ではクライマックスとなった川中島合戦をロケ地の福島県の相馬市・南相馬市に総勢300人のエキストラと大量の機材を動員して撮影され、ダイナミックな映像に仕上げています。
こうして草創期の大河合戦を振り返ってみると、テレビ技術の発達とともに合戦シーンのクオリティが上がっていったのは否めないのですが、演出の仕方で合戦シーンの良し悪しが表面化するものが多く見られ、新しいものばかりがいいものとは限らなかったりします。
以下は自分の好きな合戦モノ大河↓
・79年「草燃える」源平合戦・承久の乱…大河枠の源平ものとしては最もスケールが大きいと思われます。
・80年「獅子の時代」西南戦争・秩父事件…珍しい草創期の明治陸軍の衣裳が映えます。
・85年「真田太平記」(新大型時代劇枠)上田合戦・大阪の役…起伏の激しい地形をうねるように突撃する騎馬隊が迫力満点。
・87年「独眼竜政宗」摺上原の合戦…伊達政宗が宿敵芦名氏を滅ぼした奥州の決勝戦に当たる。大変泥臭いところがリアルです。
・90年「翔ぶが如く」西南戦争…特に田原坂の戦いの薩軍×警視庁抜刀隊・明治陸軍鎮台歩兵の激突は大迫力です。
・91年「太平記」鎌倉幕府滅亡・湊川の合戦・南北朝動乱と最終回まで合戦づくし。鎌倉幕府滅亡の回はその完成度の高さから歴代最高傑作と評する人も多い
・97年「毛利元就」元就の居城を舞台にした郡山合戦などの描く城の攻城戦。ロケ地はえさし藤原の郷
・01年「北条時宗」宝治合戦…鎌倉市街での押し合い圧し合いの乱戦は大迫力!後の元寇はこの限りにあらず。ロケ地は岩手のえさし藤原の郷
それとは別に上記に挙げた作品とは明らかに別格といえるのが
・88年「武田信玄」(川中島合戦等)
・92年「信長KING OF ZIPANGU」(桶狭間合戦・姉川合戦・長篠合戦等)
・00年「葵 徳川三代」(関ヶ原合戦・大坂の役)
の三作品です。
三作品の合戦シーンは共通して重光亨彦という監督による演出のよるもの。とにかく迫力が半端ない。合戦の足軽隊の密度が高く、全速力で突撃する騎馬隊の川中島では濃霧の中疾走して現れ、姉川では川を全速力で渡河し、長篠では全速力で疾走する騎馬隊が柵越しの大量の鉄砲でなぎ倒される様など、とくに騎馬武者スタントが凄まじいのです。一説にはあまりに激しいスタントの為役馬に負担をかけ過ぎていると批判もあるとのこと。(「武田信玄」のOPの騎馬隊の背後でナパームを爆破してるシーンを観れば頷けるかと…)
「武田信玄」の川中島合戦は大河ドラマ史上最高の合戦シーンとして伝説となっており、そのスタントの激しさ・霧の中から疾走する騎馬隊が現れる映像美・ダイナミックさなどこれを超える会戦型(大軍同士が平原で決戦を挑む戦闘形式)の合戦シーンは今に至るまで存在しないと思います。
これに匹敵するのが「葵 徳川三代」の関ヶ原合戦であり、スタントは「武田信玄」「信長」ほど激しくないものの大変丁寧に作りこまれており、迫力だけでなく各軍の配置・展開など関ヶ原合戦の全貌が判り易く把握できる内容になっております。その完成度の高さから、その後の大河ドラマで関ヶ原合戦が描かれる際かなり高い確率でこの「葵 徳川三代」の合戦シーンが流用されています。
ちなみに「信長」は「武田信玄」や「葵 徳川三代」に比べ粗が目立つのですが桶狭間・姉川・長篠・本能寺と合戦シーンのバリエーションが三作の中で最も多く、盆と正月が同時に来たゴージャス大河として合戦シーンの好きな方には大変おススメです。(内容は…)
私ミカサが思うに「平家物語」は単体の主役で全体像を把握すること自体が無理があるように思います。
唯一義経が以仁王の挙兵以降のハイライトを飾れる程度の素材と思う程度。
きっちり「平家物語」を描くなら吉川英治の「新平家物語」を「坂の上の雲」を超える規模でやらねば駄目なんじゃないかと思います。(最低でも大河10年分の予算でやらねばとてもあの世界の再現なんて無理じゃないかと…)
あれは平清盛・源頼朝・木曽義仲・源義経の主人公のバトンタッチ形式にしかつ架空キャラの医師安倍麻鳥が裏の主人公として各陣営を行き来して保元の乱以前から~義経の最期まで源平争乱の全貌を統括する感じなのであれをそのまま実写化できたらそれ以上言うことないですね。
一応「新平家」はすでに72年に大河でやってますがあれは清盛個人に焦点を絞った実写化でしたし…(それでも現存する総集編を見るとマツケンの「平清盛」(12)よりメリハリが聞いてる気があります。)
「平家物語」の映像作品は「新平家物語」を川本喜八郎がNHKで大河ドラマ並の予算で製作した「人形劇スペクタクル 平家物語」(93~95)が一番面白かったです。「草燃える」(79・これは前半を源頼朝、後半を北条義時をメインにし全体を北条政子が統括)や「武蔵坊弁慶」(86・中村吉右衛門の弁慶によるNHK新大型時代劇)など大河ドラマ系列で好きな源平ジャンルはあるのですが、
正直言って歴代の源平大河はどれもこの人形劇に及ばないと思います。
他だと市川雷蔵の清盛青春篇を描いた映画「新平家物語」(55)なんかが泥臭い衣装やセットでので描いた武士ときらびやかな公家の対比が同じく泥臭いマツケンの「平清盛」と比べても天と地ほどの差があったように思います。
この作品以降しばらく続く”異様な主人公アゲ”の典型例でしたよね。
「義経」では、源義経主従が主人公なのに「反戦教育を受けて育ってきたのか?」と疑いたくなるような異様な平和主義者の義経に、オバカ従者が色にもならない添え物として登場。一番必要なかったのは上戸彩w
むしろ平家方の方が常識的であり、魅力的に見えました。
逆に「平清盛」では、中年に差し掛かっても未だに中二病が抜けきらない清盛が一人でアウトローを叫ぶ中、じり貧の状況を打破すべく奔走する源義朝が如何に魅力的だったことか。
「江」に至っては酷過ぎてどうにも評価できない作品でしたが、あれもやっぱり主人公アゲをし過ぎて主人公が魅力的に映らない、というよりただの我が儘女に見えてしまう…の典型でしたね。
『平家物語』の世界を大河枠で描くのは、誰を主人公とするかで決まると思うんですよね。
平清盛は確かに一番相応しいはずですが、クライマックスとなる壇ノ浦には既に他界。
源義経は王道ですが、表舞台での活躍期間が非常に短い。
源頼朝に至っては源平合戦の著名な前線には出ていないという縛りがあります。
近年は女性主人公も多いですし、二位尼時子も相応しいですが(二条帝乳母の件とかちゃんと触れると、一族総出で活躍している平家の特徴が良く分かります)最後が最期ですから、あまりに悲劇的。
むしろ『潅頂巻』ではないですが、建礼門院視点で俯瞰するというのもアリかもしれません。「篤姫」の例で行けば、十分に幕引き役の資質はあります。残念ながら行動派ではないですがね。
やっぱり北条政子の方が面白いかなあ。通説ほど烈女にせず(「葵」の江程度に…って、志麻姐さんは政子も演じてましたねw)行動派で焼きもち妬きの普通の豪族娘の人生のクライマックスが、幼将軍抱いての御家人演説とか良いような。
いっそ後白河院を語り部にする…という手もあるかもしれませんが、帝を主人公や語り部に据えるのは色々と問題が多いだろうなあ。「清盛」では、語り部が頼朝でしたが、あの手の視点は、やり方によっては面白くなるんですがね。
「義経」はドラマ自体がジャニーズコンサートの大河版ってイメージが強いですw
壇ノ浦については金粉以上にせっかく和船を作って大がかりなチャンバラしてるのですが、往年のジャニーズの水中運動会のように見えて当時白い目で見てました。
「義経」のお陰でジャニーズ出演の大河には強いアレルギーがあります。(一方でⅤ6岡田の「軍師官兵衛」はジャニーズ臭かなぐり捨ててよかったですがw)
結局「平家物語」ジャンルって大河枠の規模で描くには無理があると思います。それこそ「坂の上の雲」を越えた大河10年分の予算位をつぎ込まないと無理なんじゃないでしょうか?少なくとも壇ノ浦については「坂の上の雲」の日本海合戦を規模を超えるような完成度を追及しなければ面白くないのではないかと思います。
『八重の桜』鶴ヶ城攻防戦
陰残な光景にも拘らず、美しかった。
銃をもって走り回るヒロインもさることながら、テンパって目を真っ赤にして成り行きを見つめる容保も、凛とした佇まいというよりもはや浮世離れした存在さえ見えた照姫も、果てはボロボロに消耗していく会津軍も、それを支える夫人たちも。
濡れ布団で大砲の球を鎮火させ………られなかった時の末世感たるや言語に絶しましたが、落城後のボロボロ鶴ヶ城ですら、美しく見えたもんです。
照姫の「降伏」署名と、磨き上げた廊下を土足で歩いた事に気づく新政府軍のシーンも忘れ難いです。
『義経』金粉壇ノ浦w
『八重の桜』の合戦シーンは、どこを切り取っても美しいと思ったんですが、『義経』の場合、最初から「絵本の様なシーンを作り上げる」というコンセプトもあったとかで、異様にデカい月の下での五條橋の出会いとか、当時も話題になってましたけど、壇ノ浦の金粉にはさすがに言葉を失いましたw
反戦派であることを隠そうともしないくせに、異様にカッコつけて船上で頑張る義経。入水する安徳帝や女房達には「なりませぬ~~~~!」と捨てられた子犬のような目で懇願絶叫。
あれほど悲惨な壇ノ浦は二度と見たくありません。
最近の大河の合戦シーンについては詳しいことはわからないのですが「武田信玄」「信長」「徳川三代」では共通して山梨の小淵沢等で撮影していました。
そうか、流用したりもしているんですねえ。
江守徹の三成は忠義者というところが極端な感じがしましたが非常に良かったと思います。(個人的には「真田丸」の山本耕史の三成がしっくりしてますが…)
そういえば細川忠興を演じた大王は今回ヤマト2202の主題歌をすごいノリノリで歌ってますねw
武将の兜もほぼ史実に合わせて再現した様子ですし。(黒田長政と福島正則の兜とか。)
配役も超絶豪華。ほんのちょっとしか出ない細川忠興:ささきいさお使ったり。
特に大谷吉継:細川俊之と福島正則:蟹江敬三がはまり役でとても好きです。
もちろん石田三成:江守徹は言うに及ばず。ですが。
幕末大河って戦国大河に比べて予算が低い傾向にあるらしく(昔は民放の同系列時代劇との競合が激しくて視聴率もいまいちだったとのこと。)歴代通じて合戦シーンの派手さはあまりない感じが多いですね。やっぱり政治劇中心になりますよね。
今回の「西郷どん」はその中で西郷個人の人情劇に焦点を当てており、個人的に微妙に感じるところもあれど「翔ぶが如く」(90)との差別化をするためには仕方がなかったとも納得しています
ドラマの合戦も所詮は視聴者の望むイメージですからね。足軽槍隊の動きも実際は全く違うそうですし戦い方や規模も知られているものと実際とでは全く違うと思いますよ。
ただドラマについては信玄と謙信が完璧超人すぎる「武田信玄」・誰も理解者がいない孤独すぎる信長の宮廷劇中心でごみごみとした戦国時代の世界の雰囲気が乏しい「信長」・幕府草創期をまるで教科書をドラマ化したかのようだった「葵 徳川三代」とドラマの面白さとしてはかなり微妙だったと感じています。
「葵 徳川三代」は放送当時関ヶ原が終わってから退屈になってみるのを辞めたのを覚えています。これが面白く感じるようになったのは動画サイトやDVD化によって一気見できる環境が整ってからでしたね。
新旧題材が同じでも何に主眼を置くかでドラマの面白さが全く変わっていくのも観てて面白いですね。
ちなみに「葵 徳川三代」にはドラマの構造的にプロトタイプに相当する「八代将軍吉宗」(95)があり(脚本は同じくジェームズ三木、西田敏行・津川雅彦と主要スタッフキャストが共通してる。監督はNHK時代劇・大河の大御所的存在の大原誠。)
合戦シーンは一切ないのにドラマの出来は「葵 徳川三代」と比べて天と地の差があるほどに面白いです。
心理戦というか裏の駆け引きが
主体のドラマになるのかなあ。実際の
戦闘は意外とスカスカだったのかもしれないけど(笑)
私は「葵徳川3代」の1話で大河ドラマにハマりましたね~(*^^*)
といっても、子どもだったので記憶が曖昧で、大人になってレンタルで見直してって感じかもですが。あの合戦シーン凄いですよね!
今の大河ドラマのスカスカな合戦とは雲泥の差!!
大河ドラマ博士のみかささんが言うのだから、やっぱりあの合戦シーンは歴代大河の中でも名を残すほどの名作だったのですね。
また見たくなっちゃいました♪♪
NHKの大河ドラマの合戦の迫力はさすがだという気がします。
確かに、西郷どんなどは合戦シーンが印象に残っていないのですが、単に制作費が減ったとか
そういう問題ではないのですね。。
高画質化すればするほど様々なところでアラが目立つような気がしますね。
高画質って大半のテレビドラマやバラエティでは不要ですよね。自然ドキュメンタリーやスポーツならまだしも…
4Kになったらもっとスカスカになるんじゃろかw
エキストラがぐるぐる回って大勢いるようにするとか、割と好きなんすけどねぇ