Nicotto Town


つくしのつれづれノート


姫路城‼

正月の関西徳島旅行で姫路城へ行きました。
100名城のスタンプラリーの一環で行ったのですが本当にすごかったです。

姫路城は誰もが知る世界遺産登録された日本のお城の代表格。
この城については日本はおろか世界的に有名なので概要は不要かと思いますが、
元は南北朝時代の悪党赤松氏が築いた砦であり、
戦国末期にはそれを受け継いだ赤松の分家小寺氏の重臣だった黒田官兵衛の居城(城代)となり、
信長から派遣された羽柴秀吉の中国遠征軍の拠点として提供された際に石垣天守を揃えた織豊城郭へ変貌(このあたりの経緯は大河「軍師官兵衛」(14)でもやってましたね。)、
関ヶ原後播磨52万石を任された池田輝政とそのあと姫路に入った本多忠政(本多忠勝の長男・15万石)によって大改修され大阪の役の豊臣氏滅亡後の1618年に今の規模に完成します。
なお池田氏以後譜代大名が度々入れ替わってますがいずれも20万石未満であり城の維持が大変だったとのこと。

この城の凄さは何と言っても現存建築遺構のすさまじい数!
さすがに現役時代のまま全て残ってるわけじゃありませんが城中心部の天守や壁櫓門が一塊になって現存。
天守閣が現存する城は他にもありますが、天守を中心にこれだけ石垣・壁・櫓・門が一塊にそろって初めて素人目にも城の体裁が整うなと思い知らされるわけで、
明らかに日本の他のどのお城と比べても別格の存在です。
聞くところによると天守が現存する彦根城や松本城が姫路城に続いて世界遺産登録を目指して運動しているということですが(実際に彦根城は暫定リスト入りしてる)これらの城と姫路城の間を隔てる圧倒的な差がこの現存建築遺構の数にあります。
そういうことは様々なメディア書籍による前知識で当然知ってましたがいざ実物を見るとのその威容に圧倒されてしまいました。
姫路に滞在したのは3時間も満たないのですがデジカメで撮った写真は100枚以上になります。

とにかく天守までの通路が複雑!
ジグザグしてるかと思ったら分かれ道になって行き止まりがあったりととにかく複雑。今の形にへと作り替えられたのが上記の関ヶ原戦後から大阪の役の豊臣氏滅亡後しばらくまでの軍事的緊張間のすさまじい期間なため真っ白な美しい姿に相反して極めて実践的な城郭だとのこと。っていうか同時期に築城された城と比べてもこれ以上にここまで構造が複雑なものって他にないのではないだろうか…?
なおこれだけ物々しい軍事施設にも関わらず一度も戦の舞台になったことはなく(少なくとも江戸以降)、戦時中も姫路城周辺が陸軍施設が集中した軍都として空襲を受けて市街は全滅したにもかかわらず城だけがほぼ無傷だったという凄まじい逸話も持ち合わせています。(実際には大天守に焼夷弾が二つ直撃するも不発、他の箇所に直撃出火したものもすぐ消火されたという信じられない状況だったとか…)

上記で天守周辺構造物あっての姫路城と大見栄きりましたがやはり天守自体もすごい!
白鷺城の異名を持つだけあって本当に真っ白。数年前に平成の大修理を終えた直後の姫路城は吹き替えられた瓦も真っ白に光り輝く有様で、文句を言う人間もいたほどとか…(今はだいぶ依然と変わらぬ状況になってますが…)
5重の天守自体が他に松本城以外存在しないのですが、大天守の他三つの小天守が連結しそれぞれが装飾的な姫路城の連立天守は見た目バランスとも古今東西の他の同規模の天守と比べても際立ってるように感じます。
最近関ヶ原後に改修された家康時代の江戸城の絵図が発見されて話題になりましたが天守閣姫路城同様に連立式だったことがわかっており、姫路城の天守をベースに発展させたのではないかという説も浮上してるのだそうです。
その連立天守の一角である乾小天守は昭和の大修理の際に石垣天守の解体調査の際に木材が秀吉時代の天守の古材を流用してる判明し、木材の痕跡と大天守地下の秀吉時代の天守台を分析した結果、秀吉時代の天守が犬山城や丸岡城のような三重の初期望楼型天守だったことがわかっているらしいです。
http://gunsight.jp/c/image2/himeji-t.jpg

また、この姫路城は様々な伝説・物語にも富み、怪談番長皿屋敷のお菊さんに家康の孫娘・千姫の化粧櫓のほか天守屋根裏部屋で妖怪退治をしたという宮本武蔵まで登場するという多彩な城でもあります。

これだけ有名だと当然映像作品にも頻繁に登場するわけで、とりわけ「暴れん坊将軍」「水戸黄門」「大奥」などの民放ドラマなどでは江戸城に見立てられて映ることが多いです。(逆に映像作品で地方の小城として見立てられることが多いのが彦根城。)
海外での登場作品で有名なのは「007は二度死ぬ」(67年・ショーンコネリー主演)であり、忍者の訓練シーンの撮影中に投げた手裏剣や刀のチャンバラで壁を破損させたことで以降姫路城での海外映画の撮影お断りになったという逸話があります。(実際は以降国内外問わず城内主郭部の映画撮影許可が厳しくなったとのことであり黒澤明の「影武者」(80)や「乱」(85)のような例外もある。大抵は上記のテレビ時代劇も含め姫路城西御屋敷跡に作られた庭園好古園での撮影が一般的らしい。)

当初入場料1000円と思ってたのでしたが、今回私ミカサが姫路城に行った1/1の正月は無料ということであり、正月の午前中ということもあって観光客も少なく比較的スムーズに見ることができました。
とはいっても天守閣内は観光客であふれかえって混雑してましたが入口の門前い○○分待ちの看板を見るからに普段に比べると大したことないかと…(一昨年行った長野松本城の天守は数時間待ちだった。何度も行ってる為スタンプゲットしてスルーしました。)
ちなみに混雑具合として現:姫路城の隣にある護国神社(靖国神社の県バージョン)の初詣客の方がすさまじかったです。ここで初詣をすませ姫路城を上回る行列に並んでおみくじを引いたら大吉を引き当てました。
(ここ二年ほど正月旅行により地元鶴岡八幡宮に行けておらず去年も旅先の岡崎城内の龍岡神社(東照宮)で初詣をすませ、おみくじで大吉を引き当てている。最近籤運いいかもw)

ちなみに普段はどうなのか知りませんが今回姫路城で見学できたのは天守直接続く通路のみであり他の郭や櫓へは入れませんでした。特に昭和の大修理の際に往時の板張り姿に復元された秀吉時代のとの一門を間近で拝めなかったのが残念です。
まあ全部見れたとしてもこれだけ広範囲に沢山現存遺構が残ってるととても1日ではまわり切れないです。コアなマニアともなると石垣の一個一個に至るまで調べつくすなど絶対に一生賭けて調べつくしても飽きない代物だと思いますよ。

今回初めての姫路城でしたがハッキリ言ってこれっきりになることはないと思います。今回の旅行でゲットした兵庫県の100名城スタンプ姫路城のみであり(同日行った明石城も含む県内の他の城が正月スタンプ設置施設が閉まっていたため)、今後兵庫県の他の城も含む中国地方の100名城攻略がの旅にこの日本一の名城に足を運ぶことになるだろうと思います。
その得には今回は入れなかった個所も拝み様々な角度からこの姫路城を堪能したいものです。

※この記事は正月旅行の100名城攻略レポートの一部だったのですがあまりに膨大になったので独立させました。書き上げた時点で3千字越えだったので推敲が大変だったよ!)

アバター
2019/01/19 21:56
蘭丸様へ…そういえば蘭丸さんは広島のお人でしたね。西国は日本のお城の定番イメージの石垣天守の織豊系城郭の本場なのでそこから近いというのはものすごく羨ましいですね(^_^)
姫路城に行った帰りに護国神社で初詣してきましたよ。おみくじ引いたら大吉でしたw(昨年正月の原付旅行で岡崎城内の神社でおみくじ引いた時も大吉でした(^_^))
おみくじにあやかっていいことがあればいいのですが…
アバター
2019/01/19 21:49
前回、姫路城へ行っても改修工事で見れなかったので
今度こそ姫路城を探検してみたいものです。
そして、護国神社・千姫天満宮など
神社・お寺さんを回って御朱印も頂きたいな。
もちろん、お城スタンプもw
アバター
2019/01/19 17:47
りす様へ。…名古屋城天守の復元については楽しみな反面、名古屋市長河村たかしの強引な推進で城郭専門家も含め様々な分野で軋轢を呼び込んでるため心中としては複雑です。
私ミカサとしては天守の復元によってそれまでの微妙な雰囲気を吹き飛ばすほど観光客が呼び込めるとは到底思えないです。

私ミカサとしては名古屋城より熊本城ですね。お城としても魅力度としても圧倒的だと思いますし、震災の爪痕も著しいですが再建中校庭を見られるのも面白そうですし。
まあ本音を言ってしまうと熊本城よりも西南戦争の資料館のある田原坂の方が関心ありますがwww
アバター
2019/01/16 00:01

みかささん。

名古屋城本丸御殿復元工事事業で、
見事に金ピカに再現再生でき、
素晴らしい技術にあっぱれです。
今度の天守閣は木造復元??
市長さんの思入れのある事業だけに、注目されますね。
地震被害に見舞われた熊本城はどうでしょうか?
アバター
2019/01/13 17:28
りす。様へ…大修理から何年かたってるので光り輝く天守の瓦は元通りに近い色にくすみましたが、それでもあの城はものすごく白が際立って映えますね(^_^)
お城の復元は歴史好きにとっては胸の躍る気持ちですが無理のないように実現してほしいところですね。城はできても間違潰れては元もこうもありませんし…
名古屋城天守の復元についてはやや性急すぎるようにも感じで、もっとじっくりと腰を据えてやって欲しいとは思います。
アバター
2019/01/13 17:23
いちにぃ~様へ…桜の季節はこうなるみたいですよ↓
http://www.kinki.kuwv.org/tenbou/photo/meisho/20150408_himeji_jou_01.jpg

ただ日本中のお城に生えてるサクラの期は元から城に生えているものではない為国史跡保存の方針で寿命を迎えた後の桜などの木々の植え替えは今後できないとのことで、史跡価値の高い城から今後このような風景を拝むことはできなくなると思います。数十年後の話ですけどね。
アバター
2019/01/10 00:36

雪が降っても降らなくても 通年真っ白な姫路城。
きっと手入れも念入りにしてるんでしょうね。

お城ってどこでも昔から費用かけて改修工事しますよね。
名古屋城も費用かけて復元工事事業してますます観光地らしくなったし。
やはり観光資源でもあるし、これだけの歴史もあり、
丁寧に費用をかけてでも手入れしなきゃ、ね?
アバター
2019/01/07 21:48
お正月にも開いてるとはさすが姫路城
桜の季節とかすごそうだなぁ
アバター
2019/01/07 17:58
ゆりか様へ…今残るお城ってその保存良好といってもほとんどが石垣の廃墟に天守や門櫓がぽつんとしているのが現実でして、現役時代の建築遺構が主郭部いっぱいに広がっている様はもはや奇跡というレベルだと思います。
通常の写真ではフレームに収まりきらないのでわかりづらいですが姫路城公園の入り口から眺める姫路城主郭部のパノラマはもはや他の城とは比較にならないレベルの空前絶後な代物でした。
参考↓
http://www.kinki.kuwv.org/tenbou/photo/meisho/20150408_himeji_jou_01.jpg

池田輝政の大改修に始まる姫路城ですが結局姫路城大改修が完了する前に池田氏52万石が紆余曲折の末岡山藩(31,5万石)と鳥取藩(32,5万石)に分割され転封という形で追い出された後、江戸幕府の西国の重要拠点として譜代大名が配置されるのですが、これが美しく力強い姫路城に相反して幼少・病弱・無能というろくでもない殿様が相次いで何度も大名の入れ替えが続くという有様が18世紀中盤に酒井氏が定着するまで続くんですよ…(江戸時代の姫路城主及び姫路藩主の合計は何と32人‼)
池田氏以降の姫路藩は平均15万石で譜代では大きいけれどこの規模じゃ姫路城自体が負債だったでしょうね。

戦火を免れたお城とは言いますが維新期城主が最後の大老だった酒井忠惇というバリバリの佐幕派だったため戊辰戦争で姫路城は新政府側の岡山藩兵(池田輝政の子孫)等に包囲されて実弾を含む大砲の威嚇射撃をうけて一触即発の危機にあったそうで、戊辰戦争の激戦区の長岡城や白川城のような如く灰燼に帰していたかもしれません。

しかし池田輝政はこんな城を作っておいて、城に頼らず撃って出るつもりだったとは…
これは防御力の低い岐阜安土を居城にして本領から撃って出て敵地を主戦場にしていた織田信長のセオリーと同じですね。輝政の父は信長の乳兄弟である池田恒興ですから信長の思想を色濃く受け継いだものと見えますね。

「007は二度死ぬ」欧米人の日本人に対するあこがれと偏見が詰まったステレオタイプな映画でしたw現代スパイものに忍者出すとかありえんwww

この目で見て姫路城は日本人が一度は行くべき観光スポットだと思い知らされます。本当におすすめです!
私ミカサもまた行くと断言します‼
アバター
2019/01/07 17:13
こんばんは、みかささん。

わぁ~(*^^*)すごい気合入った姫路城レポですね。
確かに大河の黒田官兵衛を見ると変貌がわかりやすい!
姫路城の大名は20万石未満だったのですか。あの規模でそれだと維持が大変でしたでしょうね。
池田輝政も8年かけて大改修しているくらいだし、いくら費用がかかったやら。
そんなに現存遺構が多いのですか?
以前、姫路城を攻める視点の城番組を見ましたが、本当に攻めにくそうでしたね~。あちこちに罠もあるし。
いやはや姫路城を攻める足軽にはなりたくない。
あ、でも一度も戦の舞台になってないのですね。せっかくの防御力が発揮できずに終わりましたか。良いことですが、どのように籠城戦が行われるか知りたかったです。
でも大改修を行った池田輝政は、姫路城周りに男山などの敵に布陣されるとマズイ地形だったのにも関わらず「籠城する事なく、討って出て大勝利を得ればよい」と、場所を移さなかったのですよね。
籠城戦はする気はなかったのかな。
空襲の被害からも奇跡的に逃れたのは凄いですね。
それなのに、映画のロケで壁破損って…何やってるのでしょう(^_^;)
お正月は無料なのですか!さぞかし大混雑だろうと思えば空いてるなんて狙い目ですね♪
私も姫路城に行ってみたくなりました。
楽しい城レポありがとうございます(*^-^)




Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.