Nicotto Town


つくしのつれづれノート


下北沢の新海アニメ特集 再び

昨日下北沢の映画館へ行って新海アニメ4本見てきました。
これは7月に封切られる新海アニメ最新作「天気の子」に合わせたPR企画の一環なんですけど
観に行った映画館であるトリウッドは新海アニメを世に知らしめた「ほしのこえ」(02年)最初に上映した映画館という事で新海誠との縁が深く、毎度ことあるごとに過去の新海アニメのリバイバル上映をやってるみたいです。


実は私ミカサはこのトリウッドには前作「君の名は。」の公開前のPR企画の新海アニメ特集の際に見に行ってるんですよ。
特集の最終日とその前日(土日)に見に行ったわけですが前日に行った際は正午のチケット販売開始の時点ですさまじい行列でチケットを何一つ手に入れることができず、悔しかったのでよく最終日に早朝の段階でトリウッドの入り口に陣取って長大な行列の先頭にならび炎天下の中数時間粘って新海アニメ全6作のチケットを勝ち取るという凄惨な体験をしたわけで…w(印象的だったのは凄惨な体験だけじゃないけどねw)
その時の記事が以下の如し
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=1032798&aid=62318828

https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=1032798&aid=62318828


それだけ凄惨な体験をしてるため今回はあらかじめ予約を取って何の問題もなく観に行きました。
ちなみに今回の新海アニメ特集も過去作一挙公開(「君の名は。」も含む全7作)という感じなんですが
今回は
「彼女と彼女の猫」(00年)
「ほしのこえ」(02年)
「秒速5センチメートル」(07年)
「言の葉の庭」(13年)
の描く5分~1時間程度の短編4作を観に行きました。
まあスケジュール上全七作を一挙上映するGW前半が仕事で暇がないという事と、新海アニメは長編よりも短編の方が圧倒的に面白いということで「雲のむこう、約束の場所」(04年)「星を追う子ども」(11年)をスルーしたんですよね。(前者は初期作として切なさ半端なく後者は宮崎アニメの劣化コピーとして新海アニメで最も人気が無い。どちらも間延びし内容は間延びして見るのはしんどく、前回映画館で見たのでスルー)
ちなみに観に行った中で「秒速」についてはほぼ毎年何らかの上映会に足を運ぶ有様となっており(去年も行ったw)DVDBOXもそろえてるという有様…

3年前の前回が生産だったため身構えていたわけですが、
今回は平日だったためガラが状態であり貸し切り状態となりましたw
(「彼女と彼女の猫」「ほしのこえ」の二本立て上映が自分も含め2人・「秒速」4人・「言の葉」がボチボチ…)
映画館の人に聞くと行列ができるのは休日時だそうな…(当然だが…)
正直予約が少々割高だったんですが状況に合わせて通常料金にして割安になったので大変ありがたかったです。
ちなみにこの映画館トリウッドの客席数は50。3年前の前回行った際には立ち見客まで出るすさまじい有様でした…

…で感想なんですが、各感想は別個にやるとして
新海アニメは短編で動画として動かない作品ほど珠玉だなと改めて思いました。
新海アニメは精密背景と音楽による情景描写が特徴的な静の世界観を描く作品というイメージがあるため、
突き詰めていくとキャラクターが全く動かず背景と登場人物のナレーションによる心情吐露だけの
ぶっちゃけ実質紙芝居でもいいんじゃないかと思うことがありますw(失礼にもほどがあるとは思いますが…)
無駄に動キャラがいてる作品ほど蛇足が多く微妙に感じることが新海アニメでは多いです。それが新海アニメ長編作でかなり目立つ感じです。
その為静の世界がこれでもかというくらい表現されてる短編4作(心をえぐられる初期作が大半の)を貸し切り同然に見ることができたのは大変贅沢に感じました。




…で今回の新海アニメ特集でPR対象の「天気の子」
すでに今月予告編が公開されてますが内容が今一つ見えてないので何とも言えないですが、音楽にRADWIMPSをはじめとして主要スタッフの布陣が前作と全く同じなため現状「君の名は。2」みたいな印象でいまひとつ期待できてません…
「君の名は。」のあの凄まじいヒットの為次回作も類似作品にしなければという事もあるのでしょうが、最近の新海アニメは心をえぐるレベルの切ない展開や静の世界観がオミットされるなど作風が変わって古参の新海ファンからは物足りないという感想が非常に多くどちらかというとヒットメーカーとして定着した後初期作のえぐるせつなさアゲインという声が非常に多いわけです。
昨年新海アニメスタッフを動員した中国の新海アニメもどき「詩季織々」の上映イベント(「秒速」との同時上映)でも新海誠以下スタッフ間でも「秒速のようなせつなさアゲインという要望が多いと聞きましたから…
まあ初期のえぐるせつなさオミットしないと客は入らないとは思いますが…

とにもかくにも「天気の子」封切までいよいよ3ヶ月切ったわけで不安も多々ありますがとりあえず楽しみにしたいところです。






ちなみにトリウッドについては来週月曜の仕事終了後に「君の名は。」の上映を観に行くつもりです(もう予約取った。)
「君の名は。」は上記の散々こき下ろした長編作品のひとつで実際内容はありきたりでかなり微妙なストーリーですが、ミュージックビデオとしてはそれを凌駕するレベルまでの完成度に昇華されてるため(ノベライズと映画は全く同じ内容ながら全く別物に見えるレベル)大スクリーンでもう一度見たいと思ってたんですよね。
当初トリウッドのような小シアターでは「君の名は。」を楽しむのに微妙なんじゃとは思いましたが、昨日短編見た感じだと意外に行ける感じだったので来週月曜の「君の名は。」を楽しみにしてます(^_^)

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2019/04/29 23:14
とり合絵図様へ…宮崎アニメのテーマが「個人と社会」ですか…
そういう考え方は今までしたことなかったのなるほどなと思います。
特に次世代の問題提起は新作が出来上がるたびに強くなってる感じはしてましたね。
そして登場人物がすごく多くしにぎやかな作品が多いですよね。

新海アニメの方は完全にそれとは真逆の「引き裂かれる僕と私の葛藤」という私小説のようなテーマで一貫しており、登場人物も主人公とヒロインの他はそれぞれの人物像を掘り下げるために用意された添え物的な脇役が多い気がします。そして登場人物が少ないが故に広い世界にポツンとたたずむ寂寥感や孤独感が強烈なまでに切ない感じなんですよね。

「星を追う子ども」なんかはそういう水と油的な要素を無理やりミックスした感じで非常にカオスでした。
物語の題材が「生きているヒロインと死んでしまった相手」という新海アニメの引き裂かれるカップルの究極系だったのですが、作中で展開されるビジュアルやアクションが宮崎アニメって感じで(にもかかわらず登場人物があまりにも少ない)非常にいびつだったんですよね…
この作品は新海アニメでもっと人気が無いのですが「近しい人間の死をどう受け入れるか」というのは新海アニメの究極系だと思うのでリメイクとは言わないまでも「秒速」や「言の葉」のようなリアル路線でもう一度扱ってほしいテーマだと思ってます。
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2019/04/29 18:36
宮崎駿の映画作りテーマは、「個人と社会」それ故に
基本は次世代への希望。次世代への問題提起とか。
故に大きな風呂敷が広げられます。

新海さんは個人的問題に終始してる。割と夏目漱石のような
近代や自我と向き合う小説家的な位置ですかね

「星を追う子ども」は題材が違ったのかもしれません。(適当)
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2019/04/27 18:45
とり合絵図様へ…瞬間を焼き付ける写真ですか…
なるほど、紙芝居よりも写真の方がしっくりくるかもしれませんね。
新海アニメは完全に静画とナレーションの作品だと思ってます。他はすべて雑味だと私ミカサは言い切ってしまうでしょうね。

新海アニメは基本精密背景と音楽と登場人物のナレーションによる心情描写がメインの静の世界観なので、アクションが目立つ宮崎アニメなんかとはまるで対極にあるんですよね。その為宮崎アニメをオマージュした「星を追う子ども」はミスマッチがすごくて新海アニメでは最も人気が無いです。

短歌・詩・散文に近いというのはまさに的を得た感じであり、元々新海アニメが村上春樹の「ノルウェイの森」から多大な影響を受けてる上に近年の「言の葉の庭」や「君の名は。」が「万葉集」の短歌や「とりかえばや物語」(さらに小野小町の短歌)などの古典からテーマを紡ぎ出して作られているんですよ。

そういうものを突き詰めていくと短編作品のシンプルな内容の方がより心をえぐるレベルでダイレクトになるため一生忘れられない内容になると思うんですが、それじゃああまりにもアクが強すぎて好き嫌いが分かれて「君の名は。」のように大ヒットにはならないでしょうね…
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2019/04/27 17:24
>ぶっちゃけ実質紙芝居でもいいんじゃないかと

写真はその瞬間を焼き付けることに意味があります。動画と方法論?が違います。
新海作品の作品をそこに見出しましたか・・・なるほど~~。

確かに、新海作品は心の彩を描いた短歌や詩や散文に近いかもしれないですね。(毎度適当)




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