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つくしのつれづれノート


新大河ドラマ・渋沢栄一

再来年の大河ドラマが幕末明治の経済人渋沢栄一というということで納得しつつも驚きを隠せません。

タイトルは「晴天を衝け」。大河60作目になるそうです

渋沢栄一(18411930)は最後の将軍徳川慶喜によって取り立てられてた幕臣にして維新後近代国家に不可欠な金融・各ジャンルの産業を設立させ現在世界第3(最近まで第2)の経済大国日本の基礎を築き上げた「日本資本主義の父」と謳われる偉人です。

 

渋沢は近代日本に必要な銀行と産業を興し、さらに各企業を経営できる有能な人物を見出して各企業をゆだね自身は財界人として融資によってバックアップしていったのです。設立に関わった企業の数が500にも上るのだとか…

その渋沢が設立に関わった代表的企業が

第一国立銀行(現みずほ銀行)

東京瓦斯(東京ガス)

東京海上火災保険(現:東京海上日動火災保険)

王子製紙(:王子製紙・日本製紙)

田園都市(:東急電鉄)

秩父セメント(:太平洋セメント)

帝国ホテル

秩父鉄道

京阪電気鉄道

東京証券取引所

麒麟麦酒(:キリンホールディングス)

サッポロビール(現:サッポロホールディングス)

東洋紡績(:東洋紡)

第日本製糖

明治製糖(チョコレートで有名な明治製菓はここから派生)

時事通信

共同通信

 

とどれも現在の日本になくてはならない重要企業ばかりであり、海外の歴史学者・経済学者が曰くに渋沢栄一は坂本龍馬や西郷・大久保などの志士たちを押しのけ明治維新の近代化の研究における最重要人物になるのだとか。

今年令和改元と共に2024年の新紙幣発行の際に渋沢が新1万円札の肖像に選ばれるなど新時代の変革・再構築のカギとして脚光を浴びており、大河でも渋沢栄一が取り上げられるのはある意味時代が求めた必然なんだと思います。

今年の大河「いだてん」で大活躍中のつくばみらいワープステーション江戸に新設された明治・大正・昭和初期のオープンセットをさらにフル活用させるにはうってつけの題材ともいえます。

「坂の上の雲」の大ファンである私ミカサとしては「いだてん」同様丁髷の江戸時代から背広を着た現在に続く劇的な変革を体感できる作品として嫌でも期待がかかります。(私自身もドラマのエキストラに参加したNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」(09~11年)は日露戦争ばかりが脚光を浴びて文明開化の社会変革部分の描写がかなり割愛されたのを大変残念がっているのですが、今回はその文明開化の仕掛人なのでごまかしようがない分期待度はより高い。)


ただはっきり言ってこのドラマあまり一般受けしないだろうなとも思います。

大河の総決算に位置付けられたスペシャルドラマ「坂の上の雲」も含めて大河系列では近現代大河は本当に人気ないんですよね只今放送中の「いだてん」は大河史上最低視聴率を更新中だとか…(個人的には昨年の「西郷どん」より面白く観てはいますが…)

渋沢自身幕末においては尊王攘夷の志士でもあって決して動乱に無関係ではないのですが(渋沢栄一の従兄弟・渋沢成一郎が上野戦争の彰義隊の首魁の一人)、それでもこのドラマではそういったマンネリになる程しつこくやった幕末動乱は極力割愛した明治の社会変革を中心にしたドラマになってほしいと思います。

個人的には城山三郎原作の大河「黄金の日々」(77年・安土桃山時代の豪商・呂宋 助左衛門を市川染五郎(:松本幸四郎)が演じた)連続テレビ小説「あさが来た」(15年下半期・明治大正の女実業家広岡浅子がモデル)のような経済人を題材にしたドラマを日本経済の立役者のレベルまでスケールアップできれば上々だと思いますけどね。

 

ちなみに大河ドラマにおいて渋沢栄一は何度も登場してるみたいですが

過去には大河ドラマそのものの原作者になったこともあります。

それが本木雅弘主演の97年の「徳川慶喜」。この大河自体は司馬遼太郎の「最後の将軍」が原作なのですが中短編であるため1年分のドラマでは容量が足りず、それを補う上で明治後半から大正にかけて渋沢栄一が編纂した基礎資料「徳川慶喜公伝」が小説を補う脚本資料提供というもう一つの原作として扱われたわけです。(「最後の将軍」自体も渋沢の「徳川慶喜公伝」をベースに執筆されている。他にも渋沢栄一の事績を関する博物館・渋沢資料館がバックアップしてるらしい)

渋沢栄一自身が題材になったドラマは過去にも78年のTBS時代駅「雲を翔びこせ」(西田敏行主演)や82年のNHK時代劇スペシャル「士気堂々」(滝田栄主演・城山三郎原作)があるのですがどれも、あらすじから見るに幕末の動乱期を舞台にしたもので日本経済の父・渋沢栄一を体感するうえでは不十分に感じます。

私ミカサとしては2005年にあらゆるジャンルから明治の社会変革取り上げたNHKスペシャル「明治」(全5回)が一番のおススメ。(当時NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」の撮影前という事で大変注目していた。)初回(プロローグ)で渋沢栄一がどのようにして次々と産業を起こして日本経済の礎になったかの業績がわかりやすく説明されています。

https://www.youtube.com/watch?v=novU1RztUaA


どんな作品に仕上がるか不安も混じりますが(個人的に渋沢を細身の吉沢亮が演じるのはかなり不満。新札発行後の放送ならさらにクレームが増すと思うわけで…)、あまり人気に媚びず上記の通りに日本経済の礎と明治の社会変革を体感できる骨太ドラマになってほしいものです。

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2020/01/11 07:59
今も存在する大手有名企業ばかりですね!これだけでも凄いのに500企業設立したとは。
さすがに渋沢栄一は財界を代表する偉人なんですね?




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